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昭和六十年十一月五日提出
質問第七号

 パラコート除草剤の保管管理等に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十年十一月五日

提出者  日笠勝之

          衆議院議長 坂田道太 殿




パラコート除草剤の保管管理等に関する質問主意書


 近年、パラコート除草剤による事故や犯罪が年々急増し、看過できない社会問題となつている。ちなみに、同除草剤による死亡者数を厚生省調査によるデータによつて確認してみても、農薬散布中の場合、昭和五十五年から同五十九年までの間に、全国で九人となつているのに対し、誤飲、自他殺等の場合は、全国で昭和五十五年が百三十二人、五十六年が百五十一人、五十七年が二百五十四人、五十八年が二百六十九人、そして五十九年にはついに三百十九人に達するところとなつている。このような異常事態は、まさに同除草剤が事故や犯罪を招く用途外使用という現状を、野放しにしていることを物語るものである。いまや同除草剤の流通販売への規制強化や安全管理体制等の早期確立が極めて緊要な課題になつていると言わねばならない。
 こうした基本的な認識に立つて、以下質問する。

一 現在、パラコート除草剤は、農薬取締法並びに毒物及び劇物取締法の関係法令により、販売業者の保管管理及び販売のあり方等に対し、一定の規制を強いているが十分遵守されていない状況にある。この際、販売店への一斉立入検査等を速やかに実施してはどうか。
二 用途外使用が野放しになつている現状にかんがみ、パラコート除草剤の流通規則を強化するとともに、販売店においては、購入者の身元確認のため保険証や運転免許証等の呈示を義務付けてはどうか。また、同除草剤の使用者に対しては、安全管理について指導の徹底を図るとともに、集中管理方式等についても検討してはどうか。
三 現在、我が国においては安全性確保の見地から、パラコート除草剤については、第一義的に農薬取締法を根拠として農林行政の中で規制されることになつている。ところが実質的には農耕用として使用されているものの、名目では非農耕用の除草剤としての、いわゆる無登録農薬が相当数流通している現状にあるが、どう対処していくか。また鉄道線路や道路、河川敷などに使用される非農耕用の除草剤に対しては規制が空白になつているのではないかと懸念されているむきがあるがどうか。
四 前項二、三に指摘した事実に照らして見ても現行程度の規制のみでは、極めて不十分というほかない。従つて、パラコート除草剤に対しては、毒物及び劇物取締法に規定された「特定毒物」扱いとし、その中で農業生産等の特殊事情を考慮して弾力的運用を図ることとするか、あるいは農薬取締法における規制を強化し、「特定毒物」に準じた実質的な規制措置が講じられる方策を確立してはどうか。
五 万一の場合における救命効果を上げるため、現在原液が濃度二四%となつているパラコート除草剤を、例えば五%程度に希釈して市販させるというような方策を導入する考えはないか。
  また自殺や誤飲など用途外使用の未然防止を図る見地から、現在ほとんどのメーカーの場合、同除草剤に着臭剤及び着色剤、催吐剤を添加させているが、同除草剤を製造するすべてのメー力ーにこれらの安全対策の実施を義務付けてはどうか。
六 パラコート中毒に対しては、いまだ有効な治療法が開発されていない現状にあるが、治療法をはじめ総合的な治療対策の早期確立を期すべきではないか。

 右質問する。





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