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昭和六十二年三月十九日提出
質問第一九号

 ニューカレドニア内紛による(株)山源水産の仏国国家賠償問題などに関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十二年三月十九日

提出者  浜西鉄雄

          衆議院議長 原 健三郎 殿




ニューカレドニア内紛による(株)山源水産の仏国国家賠償問題などに関する質問主意書


 昨年十月二十九日、衆議院商工委員会で質問したマグロ漁船トンネル輸出問題に関連して、以下の事について質問いたしますが、これに関係する日仏合弁会社ポリペッシュの設立経緯並びに質問内容中にある「山源水産株式会社」など三社を(注1)山源水産株式会社(注2)アルマトン社(注3)オセアニヤ社(注4)仏人ローラン氏としてそれぞれ説明を加えておきます。
 仏領ニューカレドニア(以下「N・C」という。)のヌメア市に本部をおく南太平洋委員会(オセアニヤの海洋資源開発を共同目的にする。)が、海洋資源開発会議を昭和五十四年九月十六日から約一週間開催。その時、N・C水産局並びに同チオ市市長ギャリオ氏から、ニッケル産業不振により生じた失業者雇用救済並びにN・C水産業発展を目的に、N・Cの沿岸・遠洋漁業の技術指導に関し、岸和田市作才町・蘇来正氏が要請を受け、同氏も現地人をはじめ、多くの日系三・四世の雇用対策に貢献、加えて我が国遠洋漁業と水産資源の確保に寄与することを意識して協力を約した。昭和五十六年十二月二十二日、日仏合弁会社ポリペッシュ(代表取締役セルベ氏。以下「合弁会社」という。)を設立、登記完了、資本金千万フラン(仏五一%、山源水産株式会社(以下「山源」という。)四九%)。

一 オセアニヤ社の漁船不法輸出については、六十一年九月二十三日、同二十六日と十月三十日の毎日新聞で報じられたが、外為法・輸出管理令違反の疑いがあるとして処分も検討(六十一年十月二十九日衆院商工委での質問に対して)するとの各省庁の言明があつたが、その検討結果を明らかにされたい。
二 オセアニヤ社が、現在もN・Cで外国投資の認可も受けずにマグロ漁業を操業しているが、これについては大蔵・通産・運輸各省と水産庁に無届けである。この点、調査の上処置すべきと思うがどうか。
  同時に、違法操業を知りながら、同社にかかわる住友銀行岸和田支店(大阪府)、商社である(株)東食(東京・築地)に対し、法規に照らし合わせの上、処置すべきと思うがどうか。
三 昭和五十九年十一月十八日、N・C州議会選挙で独立派の敗退後、紛争が発生。独立派の本拠地チオ市において、昭和六十年一月十一日、独立派のナンバー2の殺害を機に、チオ市に停泊中の山源所有の漁船六隻が同年一月十六日の間に爆沈された。同年一月二十日頃ミッテラン大統領が現地に赴き被害の国家賠償を表明。昭和六十一年七月十七日、仏本国は内戦による人的・物的損害に対する国家賠償をする法令を制定。日本外務省においても山源の被害を確認。山源は総額二億四千七百万円の被害請求を同年九月十七日、N・Cのフランス共和国高等弁務局(高等弁務官ジャン・モンプザ氏)宛に提出した。同年十月二十四日、N・C経済局長名で請求書の受理、法令に従い調査をはじめる、との文書を山源が受け取る。現在どのようになつているのか。また、補償の時期はいつ頃になるのか。
四 オセアニヤ社の船員二十名が、五十八年九月二十九日、外国労働者として出国、合弁会社の業務に就労したが、この場合、社会保険の加入資格を取得できないにもかかわらず、大阪府貝塚社会保険事務所に偽つて保険資格を得た。調査の上、このような違反行為を厳重に処分すべきと思うがどうか。
五 問題のトンネル輸出に際しての手続き上の書類作成など、一切をローラン氏(仏人・東京在住のニッケルブローカー)が行つた。(その他、彼の罪状は、(注4)を参照のこと。)
  このような不良外人は厳重に処分すべきと思うがどうか。

 右質問する。



(注1)山源水産株式会社
山源は五十五年十一月二十七日設立、資本金千万円(現在四千万円)、代表取締役蘇来正氏。翌年三月、大蔵省から外国投資の許可を得る。山源は仏領沿岸、遠洋の高級魚の漁獲並びに技術指導、更に漁場開発を主たる目的にして漁獲物の販売権を取得 ― 合弁会社との間で契約締結。合弁会社の代表取締役は当然ギャリオ氏が就任することになつていたが、退役軍人セルベ氏の策動で同氏が任についた。以後、ギャリオ、セルベ両氏の主導権争いで業務は当初からほとんど不能となり、山源は甚大な損害を被つたが、セルベ氏は逆にその責任を山源に転嫁した。
(注2)アルマトン社
アルマトン社は五十八年五月一日設立、本社N・Cヌメア市。山源の取締役経理部長田中傭喜氏らがセルベ社長、ローラン氏(仏人・東京在住のニッケルブローカー)と結託してつくり、代取はセルベ氏で、同社設立に際し、ローラン氏が山源代取蘇来正氏の委任状を偽造して関係書類に添付。しかも同社の目的に反して操業を行い、漁獲物を売却、山源と合弁会社に著しい損害を与えた。セルベ氏は合弁会社に対する背信行為の結果、五十九年八月、合弁会社の代表を罷免された。
(注3)オセアニヤ社
五十八年十月設立、本社大阪府岸和田市、代取田中傭喜氏。田中氏は山源の取締役である以上、オセアニヤ社設立に際して必要な商法第二百四十五条の営業権譲渡手続き(山源の株主総会決議)を得ず、また、同法第二百六十四条の自己又は第三者のために会社営業に属する取引きの場合、取締役会の承認(いわゆる競業避止義務)を必要とされているが、これをも無視して同社を設立した。これは明らかに山源の権益を侵す背任行為である(合弁会社は遂に破産に追い込まれる)。更に同社は水産庁・通産省などに無届けで操業し、六十一年十月二十九日、漁船のトンネル輸出で衆院商工委で追及を受けている。このように同社は不法の限りをつくし、悪質極まるものである。
(注4)仏人ローラン氏
ジョルジュ・ローラン氏東京都港区狸穴東急アパート、一九一六年生まれ。現在岸和田市内(株)パリス事務所で田中傭喜氏の下において(株)ヨーキフランセの役員。蘇来正氏が五十六年十一月、N・Cでローラン氏と会い通訳として雇う。五十入年六月、N・Cでの合弁会社株主総会に山源代表として偽造委任状を作成して出席。同年十月山源の偽造委任状で合弁会社の株主総会・役員会に出席。山源に不利な議案を承認する。


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