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昭和六十二年八月十九日提出
質問第一六号

 学校施設等における石綿(アスベスト)による汚染防止の対策に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十二年八月十九日

提出者  佐藤祐弘

          衆議院議長 原 健三郎 殿




学校施設等における石綿(アスベスト)による汚染防止の対策に関する質問主意書


 教室など学校施設等の天井や壁などに吹きつけ材として使用された発がん物質石綿(アスベスト)による汚染が、各地で問題となつている。
 石綿は、耐熱性、防音性などに優れており、一九五五年ごろから建築材料として広く利用されてきた。しかし、吹きつけ作業労働者の健康に害を及ばすことが問題となり、一九七五年から新たな吹きつけ工事は事実上禁止となつている。
 石綿は、その極細な繊維を吸い込めば、一部が肺に突き刺さり、肺がんなどを引き起こすおそれがあるとされ、特に石綿特有の中皮腫にかかる危険は、吸い込む年齢が若いほど高いといわれている。
 石綿の発がん性についての関心が高まるにつれて、各地の学校で父母や学校関係者らの間に不安が広がり、夏休み中に石綿の撤去を実施する学校も増えている。
 こうしたなかで、児童、生徒などの健康を守るため、国として、学校施設等における石綿による汚染防止に対する早急な対策が求められている。
 従つて、当面緊急を要する問題にしぼつて以下質問する。

一 文部省は今年五月、各都道府県教育委員会に対し、公立学校での「吹きつけ石綿」の使用状況の調査を依頼し、十月二十五日までに回答を求めている。この調査では、調査対象を校舎の普通教室と特別教室、体育室、寄宿舎の居室に限定している。しかし、階段などで使用されている例がすでに発見されており、調査対象を廊下、階段、倉庫など学校のあらゆる施設に拡大して行うべきだと考えるがどうか。
  また、私立学校についても同様の調査を行うべきだと考えるがどうか。
二 石綿の使用が確認された学校では、撤去など早急な対策が求められる。しかし、関係自治体や学校の対応はまちまちなのが現状である。
  関係省庁が緊密に連携し、科学的な検討に基づき、どのような状態のとき、どのような対策と措置が必要なのか、基準を設けて、関係自治体や学校に具体的に示すべきだと考えるがどうか。
三 なお現状では、夏休み中に適切な対策がなされないまま、九月の開校をむかえる学校も少なからずあると思われる。こうした学校では、児童、生徒が登校したときの対処をどうするかについて、学校関係者や関係自治体の間に戸惑いがあり、父母の不安も高まつている。
  こうした学校について、九月開校時に、関係教育委員会と学校関係者がとるべき対策について、国が責任をもつて指示すべきだと考えるがどうか。
四 石綿の使用が広範に確認された自治体では、対策を進めるに当たつて、予算上の問題で支障が生じているところもある。
  石綿の撤去作業等が、文部省の学校建物の大規模改修事業の対象になることをこの際改めて明らかにすること。また、改修事業が大規模改修事業の対象となつていない二、〇〇〇万円以下の場合にも、国として積極的に助成措置を行うことが必要だと考えるがどうか。
五 石綿が防音材として優れた特性をもつていることから、民間飛行場や自衛隊・米軍基地などの周辺で、国庫補助による防音工事を実施した学校等で石綿の使用が確認されている事例が少なからずある。
  この防音工事による石綿の使用について、現在、運輸省、防衛施設庁はそれぞれ調査を進めているが、これらの学校等で石綿の使用が確認されたものについては、予算上の措置も含め、国の責任で対策を行うべきだと考えるがどうか。
六 運輸省の場合は調査対象を学校のみに限定していると聞くが、防音工事の対象としているすべての施設を調査すべきだと考えるがどうか。
七 学校等での石綿対策は始まつたばかりであり、対策には一定の専門的な知識や技術が必要であるが、これらの問題についてどこに問合せをすればよいのかわからないという問題が自治体や学校関係者から出されている。
  こうした問合せに対処できるよう関係省庁が連携の上、相談窓口を設けるべきだと考えるがどうか。

 右質問する。





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