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昭和六十三年十二月七日提出
質問第二七号

 長野県下上空における米軍ジェット機による低空飛行訓練に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十三年十二月七日

提出者  串原義(注)

          衆議院議長 原 健三郎 殿




長野県下上空における米軍ジェット機による低空飛行訓練に関する質問主意書


 本年八月下旬から九月上旬の間、さらに十一月中旬以降、長野県下の上空を使用して米軍ジェット機が低空飛行訓練を実施したため、その通過地点となつた南信濃町、上村、大鹿村、長谷村、高遠町及び伊那市などでは、爆音に伴う被害や事故への不安から住民の生活が著しく破壊されている。このまま事態を放置すれば、地域住民の生活への多大な影響、さらに、住民の安全も脅かされると危惧されるため、再発防止の対策は、緊急を要すると考える。
 従つて、次の事項について質問する。

一 長野県伊那谷上空における米艦載機の超低空飛行について
 1 超低空飛行を行つた日時、飛行コース、航空機の機種、所属部隊、高度等の飛行態様、搭載兵器等の種類等について明らかにされたい。
 2 この超低空飛行は、訓練であるか、あるいは地位協定第五条二項にいうところの「移動」であるか、明らかにされたい。
 3 この航空機の訓練ないし「移動」の目的及び態様について政府関係諸機関は事前に実態を把握していたか。また把握していたとすればその機関名及びその日時を明らかにされたい。
二 安保条約第六条に基づく施設及び区域以外の一般的な地域で行うことができるとされる航空機の訓練について
 1 一般的な地域で行うことができるとされる航空機の訓練は、地位協定第五条二項にいうところの「移動」に含まれるか。
 2 一般的な地域で行うことができるとされる航空機の訓練にはどのようなものがあるか、具体的に明らかにされたい。
 3 一般的な地域で行うことができる航空機の訓練の基準はどのようなものか。またその訓練実施の根拠となる法令その他の取決めを明らかにされたい。
 4 一般的な地域で行うことができるとされる航空機の訓練の実施について、政府関係諸機関は現行法制度の下で事前に実態を把握しうるか否か。また把握しうるとすればいかなる法令その他の取決めによつているか明らかにされたい。
三 「通常の飛行訓練」について
 1 「通常の飛行訓練」とはどのような訓練か、その態様等を具体的に明らかにされたい。
 2 「通常の飛行訓練」は地位協定第五条二項にいうところの「移動」に含まれるのか。
四 「地位協定実施に伴う航空法の特例に関する法律」第三項について
 1 「航空法の特例に関する法律」第三項は地位協定第六条に基づく施設及び区域以外の一般的な地域における「通常の飛行訓練」及び「移動」の際の航空機の運航にも適用されるのか。
 2 「航空法の特例に関する法律」第三項に基づく航空法の適用除外は、航空法第八十一条(最低安全高度)、第八十五条(粗暴な操縦の禁止)、第九十一条(曲技飛行等)についても、一般的な地域における「通常の飛行訓練」及び「移動」の際の航空機の運航にあてはまるか。
 3 一般的な地域における「通常の飛行訓練」及び「移動」の際の航空機の運航に対して、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払つて活動するよう規定した法令及び取決めを明らかにされたい。また、その航空機の運航の目的及び態様において考慮されるべき公共の安全保持の基準となる法令等を明らかにされたい。
 4 一般的な地域における「通常の飛行訓練」及び「移動」の際の航空機の運航に対して、「航空法第六章」中、乗組員の一定の飛行経験を定めた第六十九条(最近の飛行経験)、酒精飲料又は麻酔剤その他の薬品の使用を禁じた第七十条(酒精飲料等)、衝突回避のための見張りを義務付けた第七十一条の二(操縦者の見張り義務)、第七十三条の二(出発前の確認)、ニアミス及び事故報告の義務を定めた第七十六条(報告の義務)、危険区域の上空飛行規制を定めた第八十条(飛行の禁止区域)、第八十二条の二(航空交通管制圏等における速度の制限)、第八十三条(衝突予防等)、第八十九条(物件の投下)、第九十条(落下さん降下)は適用除外となるか。また、同法第六章の以上のような適用除外に際しての日米間の合意、運用上の取決め等はあるか。
五 長野県伊那谷上空における米艦載機の超低空飛行のような危険な飛行訓練は重大事故を必然としており、事態を看過することなく具体的な実効ある対応が急務である。政府は如何なる措置を講ずるか明らかにされたい。
六 一般的に地位協定は、施設及び区域で行うことを予想している活動をそれ以外の一般的な地域で行うことは予想していない。地位協定及び「航空法第六章 航空機の運航」の一般地域での航空機の運航に対する適用除外を抜本的に見直すべき時期であると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。





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