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答弁本文情報

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昭和六十三年十二月二十三日受領
答弁第二七号

  内閣衆質一一三第二七号
    昭和六十三年十二月二十三日
内閣総理大臣 竹下 登

         衆議院議長 原 健三郎 殿

衆議院議員串原義(注)君提出長野県下上空における米軍ジェット機による低空飛行訓練に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員串原義(注)君提出長野県下上空における米軍ジェット機による低空飛行訓練に関する質問に対する答弁書



一の1について

 米海軍の空母ミッドウェーの艦載機FA18ホーネット及びA6イントルーダー(第五空母航空団所属)が長野県において飛行訓練を行つたものと承知している。
 これら航空機が訓練時にどのような兵器を搭載しているか等の詳細については、米軍の運用にかかわる問題であり、政府として承知する立場にない。

一の2、二の1及び三の2について

 御指摘の米軍機の飛行については、飛行訓練が行われていたものと承知しているが、かかる飛行訓練を含め米軍機の活動が、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下日米地位協定」という。)第五条第二項にいう移動に該当するか否かは、その個々の活動の具体的実態に即し、判断されるべきことであり、一般的に述べることは困難である。

一の3、二の2から4まで及び三の1について

 米軍は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)第六条の規定に基づき、日本の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、我が国において施設・区域を使用することを許されている。米軍がかかる目的で我が国に駐留することを同条約が認めているということは、事前協議に係る事項のように別段の定めがある場合を除くほか、米軍がかかる目的の達成のため、飛行訓練を含め軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを当然の前提としているところ、米軍は、個々の飛行訓練の内容等について、我が国への連絡を行う必要はない。
 また、米軍による実弾射撃等を伴わない通常の飛行訓練については、日米地位協定は、施設・区域の上空に限つて行うことを想定しているわけではなく、施設・区域の上空外において、これを行うことは、認められるところである。
 一方、米軍は全く自由に飛行訓練等を行つてよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払つて活動すべきものであることは言うまでもなく、米軍もこの点には十分に留意して、安全面の配慮を払うとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めているものと承知している。

四の1、2及び4について

 日米地位協定第五条第一項に規定する、合衆国によつて、合衆国のために又は合衆国の管理の下に、公の目的で運航される航空機及びその航空機に乗り組んでその運航に従事する者については、運航の場所又は態様のいかんを問わず、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律(昭和二十七年法律第二百三十二号。以下「特例法」という。)第三項の規定が適用されるため、航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第六十九条、第七十条、第七十一条の二、第七十三条の二、第七十六条、第八十条、第八十一条、第八十二条の二、第八十三条、第八十五条、第八十九条、第九十条及び第九十一条の規定は、適用されない。
 特例法第三項に基づくこのような航空法の諸規定の適用除外は、日米地位協定の諸規定の趣旨にかんがみ、定められたものである。
 しかし、先に述べたとおり、米軍は全く自由に飛行訓練を行つてよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払つて活動すべきものであることは言うまでもなく、米軍もこの点には十分に留意して、安全面の配慮を払うとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めているものと承知している。

四の3について

 一般に米軍機の飛行に関し、御指摘の我が国の公共の安全に妥当な考慮を払つて活動するよう規定する特段の成文の法令等が存在する訳ではないが、一般国際法上、外国軍隊は、駐留国において、その公共の安全に妥当な考慮を払つて活動すべきものである。
 政府としては、このような観点から、米側に対し、従来より累次の機会に、米軍機の飛行に際する安全確保につき万全の措置を採るよう伝えてきており、また、米軍は、飛行訓練を行うに際しては、民間航空路を避け、航空法に規定された最低安全高度を尊重する等航空交通の安全と秩序の維持に配慮しつつ実施しているものと承知している。

五及び六について

 政府としては、米側に対し、従来より累次の機会に、米軍機の飛行に際する安全確保につき要望してきたところであるが、政府としては、米側に対し、当該地域の諸事情につき念のため説明の上、これらの事情を踏まえた上で安全確保につき万全の措置を採るよう、また、騒音等の問題に十分配慮するよう申入れを行つた。
 これに対し、米側は、航空法に規定された最低安全高度を尊重し、極力村落を避けて飛行を行う等安全面での配慮を払うとともに、地域住民に対する影響を最小限にするよう努めている旨述べている。
 また、政府としては、日米地位協定及び特例法第三項に基づく航空法第六章の規定の適用除外の見直しは考えていないが、今後とも、在日米軍の運用に際する安全確保につき万全の措置が採られるよう、また、地域住民への影響が最小限となるよう努力していきたい。





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