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平成元年五月十日提出
質問第二三号

 米軍岩国基地沖合移設及び新型ハリアー配備に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  平成元年五月十日

提出者  吉井光照

          衆議院議長 原 健三郎 殿




米軍岩国基地沖合移設及び新型ハリアー配備に関する質問主意書


 去る四月十四日、米軍岩国基地に現在駐留しているA ― 4M型スカイホークの部隊海兵第二一一攻撃中隊と交代する形で、垂直・短距離離着陸戦闘攻撃機AV ― 8B型ハリアー約十二機を擁する海兵第三三一攻撃中隊が本年六月初旬から中旬に移駐すること等が、山口県、岩国市の十一項目にわたる質問に対する政府の回答で大旨明らかになった。
 石油コンビナート等の工場群や住宅密集地が隣接している同基地での航空機事故は過去二十年に六十三件もあり、うち墜落は三十件にも達し、特に、昭和四十九年から三年間配備された旧型のAV ― 8A型ハリアーは、二度の墜落事故を起こしている。
 地域住民は絶えず事故の危険にさらされ続け、且つ、騒音公害に悩まされ続けている。こうした深刻な問題に一刻も早く終止符を打つため、県民一体となって同基地の沖合移設運動をこの二十年間推進してきたが、いまだ、政府決定をみない状況である。また、昭和六十二年の秋に行われた米空母ミッドウェー艦載機による同基地での濃密な夜間連続離着陸訓練は、紳士協定を破るものであり、かつてない住民の反対運動に発展している。こうした過去の経緯を見ると、この度の新型ハリアー配備は、地域住民にその安全性と騒音について強い不安を与えているばかりでなく、いまや世界は軍縮の方向にある中で、これと逆行するのではないかとの懸念がある。
 政府は、こうした懸念に応え、同基地の重要性を考えるなら、また、地元の理解・協力を得ようとするなら、この点について事前に明確に提示すべきであると考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 岩国基地沖合移設について
 1 平成元年度から四年間に約十一億円をかけ基本設計と環境影響調査を実施する計画だが、その対象となる沖合移設の方式には、これまで地元が要望してきた沖合千メートル移設案(A案)と一部を埋め立てて現滑走路と交差させるという政府案(B案)がでているが、このB案は、どのような背景と理由により提案されたのか。また、A案に対する政府の考えはどうか。
 2 B案では、同市の南部地区の騒音が激しくなるのではと心配されているが、どうか。また、A・B案何れかの選択はいつ頃、どのような方法・手順によって行われるのか明らかにされたい。
二 新型ハリアー配備について
 1 AV ― 8B型ハリアーの墜落、不時着等の事故が、我が国の内外を問わず、過去にあったかどうか。あったならば、何件で、どのような被害状況だったのかなど事故の概要を明らかにされたい。
 2 AV ― 8B型は旧型の8A型に比べて、安全面・騒音面共に改良されていると聞いているが、どこがどう改良されたのか具体的に示されたい。
 3 AV ― 8B型エンジンに対応できるエンジンテスト用消音装置の設置について検討しているとのことだが、いつ頃検討結果がでるのか。配備予定とされる六月上旬から中旬までには間に合うと考えてよいか。また、予算措置はどうなるのか。
 4 沖縄県・国頭村安波地区に新型ハリアーの訓練場(ハリアー・パッド)建設計画があるが、現在、地元を中心に県全体で反対運動が起きて中断しているようだ。しかし、岩国配備が間近に迫ったため、同地区の建設計画を一時、棚上げし、建設地を伊江島の米空軍補助飛行場に変更するともいわれているが、今後の政府の対応はどうするのか。また、当面沖縄で実戦訓練ができないとするなら、どこで行われることになるのか。
 5 岩国基地における訓練は、あくまでもパイロットの練度維持のための通常訓練であるとのことだが、具体的にはどのような訓練内容なのか。新型バリアーの訓練計画を明らかにされたい。また、新型ハリアーは核兵器搭載可能といわれているが、搭載しての訓練はないと考えてよいのか。さらに、訓練場予定地である沖縄の現状を考えても、岩国基地における実戦訓練の代替化はないと理解してよいのか。

 右質問する。





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