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平成三年八月三十日提出
質問第四号

BCCI(バンク・オブ・クレジット・アンド・コマース・インターナショナル、本社ルクセンブルク)の経営破綻に関する質問主意書

提出者  松浦利尚




BCCI(バンク・オブ・クレジット・アンド・コマース・インターナショナル、本社ルクセンブルク)の経営破綻に関する質問主意書


 近年、金融の国際化が著しく進展しつつある中で、本年七月、英国中央銀行がBCCIの粉飾会計を突き止めたことをきっかけとして、BCCIは米欧主要国の金融当局による営業停止及び資産凍結処分を受け、事実上の経営破綻に陥った。同行の営業内容等が明らかになるにつれ、世界的規模で単に預金者、金融界にとどまらず衝撃波が広まっている。
 我が国においても、同行東京支店が七月八日から臨時休業に入ったため、預金の引出しができず、経営不安に追い込まれる事業者が出る等深刻な事態を惹起している。
 ついては次記事項について質問する。

一 BCCI及び同グループの設立年月日、株主構成、資産状況、預金者数、預金残高、貸付残高、支店開設状況、営業活動 状況等同行及び同グループの内容について可能な限り明らかにされたい。
二 同行については、昨年一月、麻薬資金のマネーロンダリングの疑いで米国の捜査当局に摘発されているが、それ以前からも問題の多い銀行として金融業界では広く知られていたとされているが、大蔵省がそうした情報を得た時期と内容を明らかにされたい。
三 同行の東京支店開設申請の打診時期、申請年月日、許可年月日、許可に際しての審査内容と米欧の銀行監督機関に対する同行に関する情報の入手の有無を明らかにされたい。
 東京支店開設直前に、シンガポールが同国への同行支店開設を適格性に問題ありとして認めなかったとされている事実にかんがみ、大蔵省の審査が甘かったと思料されるがどうか。
四 預金者にとっては、大蔵省が許可した銀行であるので不安を持たず取引をしていたことは明白である。
 同行東京支店の預金残高、預金者数等を明らかにされたい。
 支店開設許可をし、監督権限を有する大蔵省は、今日の事態に巻き込まれた預金者に対し、いかなる責任を負う考えであるか明確にされたい。
 また、預金の払戻しが早急に再開されるよう各国の関係機関と精力的に作業を進めていくべきであると思うが、その取組方針と見通しを明らかにされたい。
五 同行の東京支店の財産保全処分が米欧主要国に比べ大幅に遅れた理由、同行の解散等万一の場合の東京支店の処分可能資産の内訳と金額を明らかにされたい。
六 当面、預金者の中で預金引出し不能のため経営不安に直面している中小・中堅企業等に対し、政府として責任を持って超低利融資等の救済措置を早急に講ずべきと考えるが、具体的にどのような救済策を講ずる方針か明確にされたい。
七 我が国の預金保険機構に在日外国銀行の加入を認めていないため、BCCIの東京支店預金者は預金保険で補償を受けることができない。
 金融の国際化が急進展していく下で、在日外国銀行の営業活動も広範かつ大規模になりつつある。預金者保護のため、在日外国銀行を預金保険機構に加えていくことが必要だと考える。政府の見解と対処方針を明らかにされたい。
八 BCCIに対する調査が進むにつれ、銀行としてあるまじき行為が相次いで表面化しつつある。
 パキスタンの麻薬取引口座の開設、パレスチナのテロリストの口座の開設、米中央情報局(CIA)からアフガニスタン反政府ゲリラへの送金、イスラム過激派ヒズボラによる欧米人誘拐の資金口座の開設、また、アルゼンチン、リビア、パキスタンが原子爆弾を購入するための秘密資金口座を置いていたという報道もある。
 これらについての事実関係を大蔵省、外務省はどの程度把握しているか明らかにされたい。
九 大蔵省がBCCIに対する情報をある程度把握していれば、今回の同行の東京支店における預金引出し不能といった事態は未然に防止できたと考える。
 今後一層グローバル化する金融活動の実態に照らし、かかる事態の再発防止のため、政府は国際間で早急に問題点を討議し、日常的な情報交換、共同監視、問題発生時の協調行動を効果的に行うようにすることが最低限必要であると考える。
 今回のBCCI事件を教訓として、政府のこの種事件の再発防止策についての今後の取組方針を明確にされたい。

 右質問する。



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