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平成三年十月三日提出
質問第九号

核燃料物質輸送とその輸送事故の防災に関する質問主意書

提出者  常松裕志




核燃料物質輸送とその輸送事故の防災に関する質問主意書


 原子力発電所やウラン濃縮工場の増設に伴い、核燃料物質の輸送が増加し、その事故の危険性も高まってきている。アメリカ、イギリス、ドイツ、スウェーデンなど世界の各国では、核燃料物質輸送事故に備えて緊急時対策の整備が行われ、緊急時に対応・処理するチームが、二十四時間体制で組まれている。しかし、我が国においては緊急時対策が具体的、且つ明確であるとは必ずしも言えず、それが事故に対する不安を高める一因ともなっている。
 従って、次の事項について質問する。

一 六フッ化ウランの輸送について
 1 天然六フッ化ウランの海上輸送に際して、必要な届出書は何か。
 2 天然六フッ化ウランを輸送する場合には「運搬計画書」等は提出しなくてもよいことになっているが、それが船舶上にある時、道路上にある時、埠頭内にある時それぞれ所轄する官庁はどこか。また、それぞれ所轄する官庁はその輸送をいつも事前に知っているか。
 3 陸上輸送に際しては「核燃料物質等運搬確認申請書」に基づく輸送方法の安全確認や輸送物のチェックが行われるが、シリンダーの表示ラベルやその他の確認は、誰が何時行うのか。
 4 天然六フッ化ウラン輸送の場合は「核燃料物質等運搬確認申請」は行われないが、輸送物の表示ラベルなどのチェックや輸送方法の安全確認は誰が、何時、どのように行うのか。
 5 48Yシリンダーによる陸上輸送では、輸送車輛の総重量は何トンになるか。
またシリンダー、コンテナを含む輸送物、シャシー、トラックのそれぞれの重量は何キログラムか。なお総重量の確認は誰が、何時、何処で行うのか。
 6 天然六フッ化ウランの輸送に際して、道路上の使用に関する届出は何処へするのか。また、その通行許可条件にはどのようなものがあるか。
 7 天然六フッ化ウランの輸送中に事故で六フッ化ウランが洩れた場合も、放射性物質による被害の恐れが無いと判断されれば、事業者による事故連絡の法的義務は無いのか。
二 今年の九月二七日に行われた東京都大井埠頭から青森県六ヵ所村ウラン濃縮工場への天然六フッ化ウラン輸送について
 1 今回の輸送では「算定要領」による通行条件はA、B、C、Dのいずれの条件になるか。
 2 輸送ルートにおける「条件書」の条件と義務にはどのようなものがあるか。
 3 今回の輸送に際して「特殊車輛通行許可申請書」は出されているか。
 4 輸送車輛の「連接軸距」及び「最遠軸距」の長さは、何メートルか。また「軸重」は、何キログラムか。
三 核燃料物質の荷役と埠頭内における管理について
 1 核燃料物質を荷役する時は海上保安官が立ち会うということだが、天然六フッ化ウランの荷揚げに際しても、海上保安官は立ち会うのか。
 2 核燃料物質の輸送中、それが船舶上にある時は海上保安庁、道路上にある時は警察庁の所轄となっているが、埠頭内にある時にそれを所轄する官庁はどこか。
 3 核燃料物質を荷役する際の規制で、制限されている事項及び禁止されている事項は何か。
 4 「緊急搬出」とは具体的にどういうことか。また、「緊急搬出」の対象となっている物にはどのような物があるか。
 5 核燃料物質の荷役中及び埠頭内で事故が起きた場合は、事故連絡と事故対応はどこがするのか。
 6 核燃料物質の輸送に際しては、荷主である電力会社に輸送本部が設置されることになってるが、核燃料物質が埠頭内にある時には輸送本部は必ず設置されているのか。輸送本部が設置されていない場合はどの時点から設置されるのか。
四 危険物や核燃料物質を積載した船舶が火災や災害に巻き込まれた時の対応について
 1 危険物や核燃料物質による化学災害の場合、海上災害防止センターは出動するのか。
 2 危険物や核燃料物質を積載した船舶が火災などの災害に巻き込まれ、災害が拡大する恐れがあると判断された場合、危険物や核燃料物質の海洋投棄はできるか。
 3 「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」の第五十二条では、放射性物質による海洋の汚染及びその防止については適用しないとなっているが、放射性物質による海洋の汚染を規制し、防止することに関する法律は何か。また、その法律によって、具体的にはどのような規制がなされているか。
五 「放射性物質安全輸送連絡会」と「放射性物質輸送事故対策会議」などについて
 1 関係各省庁の取決め事項であるとされている「放射性物質輸送の事故時安全対策に関する措置について」には、どのような法的裏付けがあるのか。
 2 前記の取決めに基づいて運輸省、海上保安庁が具体的に執る措置は何か、決められているか。
 3 「放射性物質安全輸送連絡会」の法的な根拠はどこにあるか。
 4 「放射性物質輸送事故対策会議」の法的な根拠はどこにあるか。
 5 「放射性物質輸送事故対策会議」を招集する時の条件や手続きは決められているか。決められていれば、それはどのようなものか。
 6 これまでに「放射性物質輸送事故対策会議」が、開催されたことはあるか。あるとすれば、それは何時か。
 7 一九八五年の日本航空ジャンボ機一二三便の事故時には「放射性物質輸送事故対策会議」は、開催されたか。開催されたとすればその時、同会議が執った措置は具体的にどのようなものだったか。
 8 前記の事故時には、国から専門家が派遣されたか。また、派遣されたとすれば専門家が現地に到着したのは、事故発生から何時間後のことか。
 9 前記の事故時に専門家が派遣されたとすれば、それは「放射性物質輸送事故対策会議」の措置によるものか。
 10 前記の事故時には、「安全宣言」は出されたか、出されたとすればそれは何時か。
 11 同安全宣言が行われたとすれば、それは「放射性物質輸送事故対策会議」の措置によるものか。
六 核燃料物質の輸送及びその防災体制について
 1 核燃料物質輸送指定業者を指定する際の、認可基準や資格にはどのようなものがあるか。
 2 現在、核燃料物質輸送指定業者は何社あるか。
 3 今年の四月三日に行われた参議院予算委員会で、森議員の質問に対し、海部内閣総理大臣は「それぞれの担当、それぞれの分野が全力を挙げて安全確保に努力をしますとともに、今申し上げましたように、各省庁の縦割りの中に縮こまることなくよく連絡し合って、相互にこの目的をきちっと果たしていくために努力をすべき問題である、このように受けとめております」と答弁されているが、九月二十六日から二十七日に行われた今回の天然六フッ化ウランの輸送に際して、各省庁間ではどのような協議が行われたか。
 4 次回の青森県六ヵ所村ウラン濃縮工場への天然六フッ化ウランの輸送に際しては、どのような協議を行う予定か。

 右質問する。





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