衆議院

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平成四年八月七日提出
質問第一号

プルトニウムに関する質問主意書

提出者  長谷百合子




プルトニウムに関する質問主意書


一 山田俊昭参議院議員の質問主意書・平成四年六月一九日付質問第二一号(以下「山田質問書第二一号」という。)に対する政府答弁書・平成四年七月一四日付答弁書第二一号(以下「政府答弁書第二一号」という。)によれば、今年秋ごろ実施予定となっているプルトニウムの返還輸送に使用する輸送船の改造は、動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)が依頼し、その経費として約一四億円を計上しているとのことである。そのプルトニウム輸送船は、パシフィック・ニュークリア・トランスポート社(以下「PNTL」という。)所有の使用済核燃料輸送船「パシフィック・クレーン号」を改造したもので、現在、「あかつき丸」という船名で資本金わずか四〇万円の株式会社シーバードが所有している。
 動燃と株式会社シーバードとの資金関係は不明朗であり、プルトニウム輸送という重大な業務に資本金わずか四〇万円の会社が関わっていること自体、問題が大きい。プルトニウム輸送船に関して質問する。
 1 イギリスにおいての改造についてであるが、動燃は、元の所有者であるPNTLに輸送船の改造の依頼をしたのか、それとも現所有の株式会社シーバードに依頼したのか。いずれでもない場合、どこの国の何という会社に依頼したのか。
 2 日本においての改造についてであるが、動燃は、元の所有者であるPNTLに輸送船の改造の依頼をしたのか、それとも現所有の株式会社シーバードに依頼したのか。いずれでもない場合、どこの国の何という会社に依頼したのか。
 3 動燃が輸送船改造費用として計上した一四億円は、どういう会計規則に従い、どういう会計項目に計上されているか。
 4 その一四億円をすでに支払ったか。支払った場合、支払い先はどこか。
 5 動燃は、プルトニウム輸送船「あかつき丸」のチャーター料を株式会社シーバードにいくら支払うのか。その費用は、どういう会計項目にいくら計上されているか。
 6 プルトニウム輸送について日米原子力協定実施取極附属書五でいう海上輸送においての荷送人、荷受人、運送人について伺う。
  @ 荷送人は、フランス核燃料会社(COGEMA)になるのか、動燃になるのか。どちらでもない場合、どこの国の誰か。
  A 荷受人は、動燃になるのか。そうでない場合、誰か。
  B 運送人は、株式会社シーバードになるのか、動燃になるのか。どちらでもない場合、どこの国の誰か。
 7 6のBの運送人に運送料をいくら支払うのか。その費用は、どういう会計項目にいくら計上されているか。
 8 「あかつき丸」の船舶の登記簿において、国籍取得の年月日が「平成四年五月二二日」であるのに、所有権保存の受付日は「平成四年五月二五日」になっている。所有権の移転よりも国籍の移転が先になっているのは、不自然である。どういう経緯からか。
二 米国下院議会ではプルトニウム輸送船の緊急寄港を認めない法案が可決されるなど、日木政府に対する不信がある。政府答弁書第二一号によれば、「輸送計画については、現在作成中」であるとのことであるがその意味が不明確である。輸送計画に関して質問する。
 1 政府答弁書第二一号の「輸送計画については、現在作成中」の意味は、(ア)米国に輸送計画に係るいかなる書類も提出されていない、(イ)米国に輸送計画に係る書類の一部が提出されている、(ウ)米国に輸送計画に係るすべての書類が提出されているが米国の承認がされていない、のいずれであるか。
 2 輸送計画には、日木からフランスへの往路についての経路も含まれるのか。
 3 プルトニウム輸送船「あかつき丸」は、輸送計画が米国に承認されない限り、日本からフランスへ向けて出港できない、ということでよいか。そうでない場合、輸送計画が米国に承認されていなくても日本を出港し、フランスに着くまでの間に承認されればよい、ということか。
三 米国下院議会が不信を抱いている問題として輸送容器の強度の問題がある。輸送容器に関して質問する。
 1 今年五月二六日衆議院科学技術委員会で、(注)井英勝議員の容器の設計承認についての質問に対し、谷(弘)政府委員は「………五十九年に輸送しましたものと同じ設計のものでございますが、規則が変わりましたのでその変更承認という形で出ておりまして、………」と答弁しているが、設計そのものは一九八四年に使用された容器と同一の設計であるか。同一でない場合、どこが違うのか。
 2 規則が変わったための変更承認とされているが、規則改正により承認のための条件は増えたか。増えている場合、それはどのような条件か。
 3 今回提出された設計承認申請書に、前回の申請書には添付されていなかった書類及び記載されていなかった試験結果・解析結果はあったか。ある場合、その書類及び試験結果・解析結果の名称と内容は何か。
 4 変更承認という形で出ているというが、申請書では何の変更を申請したのか。
 5 今年秋に予定されているプルトニウム輸送に使用される輸送容器は何個か。
 6 今年秋に予定されているプルトニウム輸送に使用される輸送容器は、すべて設計承認がなされた一九九一年一一月五日以降に製造され容器承認されたものであるか。違うとすれば、一九九一年一一月五日以前に製造され、容器承認された容器は、何個使用されるのか。
 7 同じ五月二六日衆議院科学技術委員会で、関晴正議員の容器の水深一万メートル相当の耐圧試験の質問に対する石田政府委員の答弁について伺う。
  @ この試験は、科学技術庁が原子力安全技術センターに委託して実施したとのことであるが、委託した日付及び試験を実施した日付はいつか。
  A この試験に使用された容器は、実際に使用される容器と同じものか、それともモデル容器か。
  B 海洋科学技術センターの高圧試験水槽装置を使用したとのことであるが、同装置の寸法(直方体なら縦・横・深さ、円柱形なら直径・深さ)及び容積はいくらか。
  C 同装置は装置の圧力計の示す単位で最大いくら加圧できるのか。
  D この試験での水深一万メートル相当の加圧というのは、同装置の圧力計の示す単位でいくらの圧力であったのか。
  E 実際二〇分間その圧力で加圧したとのことであるが、加圧時間二〇分というのは、水深一万メートル相当の圧力を持続した状態での時間か、それとも圧力をかけていく過程を含んだ時間か。
  F 加圧時間二〇分間の根拠は何か。
  G 二一分目にはどうなるかということについて、専門家によると水深一万メートルというところでの水温は恐らく摂氏数度であり、その温度では金属材料は圧力がかかっていてもひずみが起きない等から長時間健全性を保てるとのことであるが、その長時間とは何時間、何日、何ヶ月、何年であるのか。
  H この試験は、何を想定したものであるか。
  I 世界で最も深いのは太平洋のマリアナ海溝で最深部は一万メートルを超える一〇、九二四メートルである。水深一〇、九二四メートル相当の圧力試験は行ったか。行っていない場合、行わなかった理由は何か。
  J この試験結果は、実際の輸送で輸送容器が一万メートルの海底に沈んでも健全であることの証明になるのか。
 8 輸送容器が海底に沈んだ場合、引き揚げの責任は誰にあり、誰が引き揚げに行くのか。
四 世界各国から、輸送の安全性、事故時の損害賠償責任等が不明確であるとの疑問の声があがっており、日本政府に対する不信が見受けられている。プルトニウム輸送における原子力災害に係る損害賠償責任に関して質問する。
 1 一九八四年のフランスから日本までのプルトニウム輸送において日本領域外の原子力災害に係る損害賠償責任は、動燃が負ったのか。そうでない場合、どこの国の誰が負ったのか。
 2 今年の秋に予定されているプルトニウム輸送について、フランスから日本までの日本領域外の原子力災害に係る損害賠償責任は、動燃が負うのか。動燃でない場合、どこの国の誰が負うのか。
 3 2で動燃が負う場合について
  @ 日本の「原子力輸送賠償責任保険普通保険約款」が動燃と保険会社との間で締結されるのか。違う場合、動燃と保険会社との間に締結される保険約款の名称は何か。
  A 日本領域外でプルトニウム輸送に伴う原子力災害が起こり、原子力施設を持たない国に被害が及んだ場合、当該被災国は日本にどういう請求権が生ずるのか。
  B 日本領域外でプルトニウム輸送に伴う原子力災害が起こり、原子力施設を持たない国に被害が及んだ場合、日本の「原子力損害の賠償に関する法律」が適用されるのか。
  C Bで日本の「原子力損害の賠償に関する法律」が適用される場合、保険金は最大いくらを上限としているのか。
 4 2で動燃でない場合は、日本の責任はどうなるのか。
五 今年の秋に予定されているプルトニウム輸送に用いられるプルトニウム輸送船「あかつき丸」を護衛する海上保安庁の「しきしま」は、平成四年四月一日より運輸省の所有となっている。海上保安庁では最低六ヶ月間の訓練が必要とされているが、これまでにない装備を搭載した新造船であり、わずか六ヶ月では十分な訓練ができるとは考えられず、護衛としての任務が果たせるか問題である。訓練に関して質問する。
 1 運輸省所有となった四月一日から起算すると訓練が終了するのは一〇月末ということになる。これでは、今年の秋に予定されているプルトニウム輸送に間に合わないと考えられるが、訓練開始の起算日は何月何日か。
 2 今年の秋に予定されているプルトニウム輸送における日本からフランスへの往路の期間も訓練に含まれるのか。
 3 操船についての海上での実地訓練、陸上でのシミュレーション訓練は、それぞれ何日間行うのか。
 4 搭載装備の操作についての海上での実地訓練、陸上でのシミュレーション訓練及び実地訓練は、それぞれ何日間行うのか。
 5 日本からフランスまでの往路の実地訓練は、行われるのか。
 6 もっとも肝心なフランスから日本までの復路の実地訓練は、行われるのか。
 7 プルトニウム輸送船「あかつき丸」を伴った実地訓練は、行われるのか。
 8 プルトニウム輸送船「あかつき丸」に武装海上保安官が乗船しての訓練は、行われるのか。
 9 プルトニウム輸送船「あかつき丸」に乗船する武装海上保安官に、元自衛隊員がいるか。
六 プルトニウム輸送だけでなく核燃料輸送全体の問題であるが、今年の四月一八日付科学技術庁の核燃料輸送の情報公開についての通知文書は法的根拠がなく、地方自治に対する国の介入とも言えるものである。この通知文書に関して質問する。
 1 山田俊昭参議院議員の質問主意書・平成四年六月一九日付質問第二二号に対する政府答弁書・平成四年七月一四日付答弁書第二二号によれば、この通知文書は「核物質防護関係省庁連絡協議会」(以下「協議会」という。)の合意により所掌する科学技術庁が出したものであるとのことだが、法令上根拠のない協議会の合意により出された自治体に対する通知文書、事業者に対する通知文書、それぞれに強制力はあるのか。
 2 通知文書に自治体が従わなかった場合、事業者が従わなかった場合、それぞれの罰則及び処分があるか。
 3 1の政府答弁書によれば、通知文書に添付されている「別添」の表は、各国の輸送情報の取扱いの実態を整理したものであるとのことだが、今年五月二六日衆議院科学技術委員会で、光武顕議員の諸外国の核物質の情報管理の質問に対して坂内政府委員が「………私どもの調べた限り………事前事後を問わず公表されておらないといったものが実情でございます。これらの諸国におきましては、例えばアメリカの場合ですと法律に基づく、フランス等におきましても法律に基づくという、いわゆる法令に基づいて輸送情報の開示制限が行われている………」と答弁しているが、法律に基づいて輸送情報の開示制限をしていると言われるアメリカとフランスの法律の名称はそれぞれ何か。
七 プルトニウムは貴重な資源だと言って使用済燃料を再処理しているが、果たして再処理は経済的なのか疑問な点が多い。高い再処理費用をかけてまで取り出すプルトニウムにどれほどの価値があるのかも問題である。プルトニウム価格、再処理費用に関して質問する。
 1 プルトニウム価格について
   一九八八年四月二二日、衆議院外務委員会における政府答弁では、動燃は電力会社からプルトニウムをキログラム当たり一三〇万円で購入していた。山田質問書第二一号に対する政府答弁書第二一号によれば、一九九一年においては動燃は電力会社からプルトニウムをキログラム当たり一二〇万円で購入しているとのことである。
  @ それぞれの答弁のキログラム当たりの一キログラムは、核分裂性プルトニウム一キログラムのことか。
  A これらの購入価格は何によって算定されるのか。
  B 一九八八年ではプルトニウム購入価格キログラム当たり一三〇万円だったのが、一九九一年にはキログラム当たり一二〇万円と安くなったのはなぜか。
  C 一九八四年、動燃はフランスからの返還プルトニウム一八九キログラムを関西電力から一〇億円で購入しているが、この価格は何によって算定されたのか。
  D Cのプルトニウムは、キログラム当たり五二九万円になる。国内ではキログラム当たり一三〇万円で購入しているのに、なぜフランスではキログラム当たり五二九万円で購入したのか。
  E 今年秋に予定されている返還プルトニウムの動燃購入価格は、何によって算定されるのか。
 2 再処理費用について
  @ 山田質問書第二一号に対する政府答弁書第二一号によれば、一九九〇年度の動燃再処理工場における使用済燃料の電力会社が支払う再処理料金は、トン当たり二億四、八〇〇万円であるとのことだが、一九九〇年度の動燃再処理工場における使用済燃料の再処理に実際に要した費用は、トン当たりいくらか。
  A トン当たりの再処理料金はどのように算定されるのか。
  B 動燃の年報及び損益計算書によれば、一九九〇年度の再処理量は八五・九トンで、再処理事業費は三九〇億円、再処理費は一八〇億円となっている。従って、一九九〇年度に動燃が使用済燃料一トン当たり再処理に要した費用は、再処理事業費を再処理量で除した約四億五、四〇〇万円か、再処理費を再処理量で除した約二億九五〇万円のいずれであるか。違うとすれば、いくらか。
  C 動燃の年報及び損益計算書によれば、一九八九年度は再処理量四九・一トンで再処理費一八四億円であるのに、一九九〇年度は再処理量八五・九トンで再処理費は一八〇億円となっている。一九九〇年度は前年の約一・七五倍の量を再処理していながら、再処理費が低下したのはなぜか。
  D 動燃の損益計算書にある再処理事業収入なる会計項目には、再処理料金以外の収入としてはどんな収入があるか。

 右質問する。



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