衆議院

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平成四年九月二十二日受領
答弁第一号

  内閣衆質一二四第一号
    平成四年九月二十二日
内閣総理大臣 宮澤喜一

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員長谷百合子君提出プルトニウムに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長谷百合子君提出プルトニウムに関する質問に対する答弁書



一の1及び2について

 平成四年秋ごろにフランスから我が国に返還される予定のプルトニウムの輸送(以下「本件プルトニウム輸送」という。)には、日本から欧州へ使用済燃料を安全に運搬した多くの実績を有する使用済燃料専用運搬船を改造して使用することとしている。その改造は、動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)が、英国核燃料会社(BNFL)に依頼した。

一の3について

 本件プルトニウム輸送に使用する輸送船の改造に要する費用は、電源開発促進対策特別会計法(昭和四十九年法律第八十号)及び関係法令に基づき、電源開発促進対策特別会計電源多様化勘定(項)電源多様化対策費(目)動力炉・核燃料開発事業団出資金に計上されている。

一の4について

 本件プルトニウム輸送に使用する輸送船の改造に要した費用は、依頼先に支払っている。

一の5について

 本件プルトニウム輸送に使用する輸送船のチャーターに要する費用は月当たり約一億六千万円を計上しており、その計上については一の3についてにおいて述べたとおりである。

一の6の@からBまでについて

 本件プルトニウム輸送については、原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(昭和六十三年条約第五号)第十一条に基づく両国政府の間の実施取極附属書五B(以下「附属書五B」という。)にいうところの荷送人、荷受人及び運送人には、動燃等関係事業者が該当する。

一の7について

 本件プルトニウム輸送に直接要する費用のうち附属書五Bにいうところの運送人に支払う費用として約七億円を計上しており、その計上については一の3についてにおいて述べたとおりである。

一の8について

 外国船舶であった船舶について日本船舶として日本で初めて所有権の登記を申請する場合、日本国籍を取得して日本船舶となった後、所有権の登記の申請をすることとなっている。したがって、国籍の移転は、所有権保存の登記の受付よりも先となる。

二の1について

 アメリカ合衆国政府は、御指摘の輸送計画の作成の過程においてこれに盛り込まれる予定の内容を承知している。

二の2について

 附属書五Bにおける輸送とは、英国又はフランスの港から日本国の港までの核物質の輸送である。

二の3について

 御指摘の輸送計画は、個々の船積みの前に作成されることとなっている。

三の1について

 輸送容器は御指摘の昭和五十九年の輸送時に使用されたものと基本的に同一のものである。

三の2について

 平成二年十一月二十八日付けの核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則(昭和五十三年総理府令第五十七号)等の改正により、核燃料輸送物の設計の承認を受けるために適合しなければならない基準について、核分裂性輸送物に係る一般の試験条件及び特別の試験条件において置くこととされる条件の順序等が変更された。

三の3及び4について

 御指摘の核燃料輸送物設計変更承認申請書には、三の2についてにおいて述べた改正に伴う臨界解析の見直しの結果等が記載され、当該見直し等に係る書類が添付された。

三の5について

 本件プルトニウム輸送に使用する容器の個数については、核物質防護の観点からお答えを差し控えさせていただきたい。

三の6について

 本件プルトニウム輸送に使用する予定の輸送容器には、平成三年十一月五日以前に製作され、容器承認されたものはないと聞いている。

三の7の@について

 御指摘の実証試験の委託契約日は平成三年十二月十二日であり、本件実証試験は平成四年二月二十一日から二月二十八日にかけて実施した。

三の7のAについて

 本実証試験には、本件プルトニウム輸送に実際使われるものではないが、同じ仕様に従って製作された容器が使用された。

三の7のBについて

 海洋科学技術センターの高圧実験水槽装置の水槽本体の有効寸法は、内径一・四メートル、長さ三メートルであり、容積は約五立方メートルである。

三の7のCについて

 同装置により、静圧加圧で最大千五百六十キログラム毎平方センチメートルまで加圧できる。

三の7のDについて

 本実証試験において模擬した水深一万メートルに相当する圧力は、九百九十五キログラム毎平方センチメートルから千六キログラム毎平方センチメートルまでである。

三の7のEについて

 水深一万メートル相当の圧力を維持した時間が、二十分間である。

三の7のFについて

 二十分間の圧力維持により容器のひずみの進行が見られなくなったことである。

三の7のGについて

 圧力によりひずみが進行しないこと及び耐食性に優れた材料を用いていることから、容器が水深一万メートル程度の海水中に置かれた場合、容器の密封性能は相当長い年月にわたり確保されると考えられる。

三の7のHについて

 本実証試験は、具体的な事象を想定したものではなく、念のために容器の耐圧性に関する実証をしたものである。

三の7のIについて

 三の7のHについてにおいて述べたところからである。

三の7のJについて

 本実証試験は、念のために容器の耐圧性に関する実証をしたものであり、その結果、水深一万メートルに相当する圧力下においても容器の密封性能は健全であることが確認された。

三の8について

 動燃は、容器が何らかの理由により海底に沈んだ場合、可能な限りこれを引き上げる措置を講ずることとしている。

四の1について

 昭和五十九年のプルトニウム輸送において原子力損害が発生していたとすると、国際私法の原則に従って日本法が準拠法となる場合には、原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)が、損害賠償責任の確定につき適用され、動燃が一元的に賠償責任を負った。その他の場合には、国際私法の原則に従って決定される準拠法体系により損害賠償責任者が決定された。

四の2について

 国際私法の原則に従って日本法が準拠法となる場合には、原子力損害の賠償に関する法律が、損害賠償責任の確定につき適用され、動燃が一元的に賠償責任を負う。その他の場合には、国際私法の原則に従って決定される準拠法体系により損害賠償責任者が決定される。

四の3の@について

 動燃が、保険会社と「原子力輸送賠償責任保険」契約を締結する予定である。

四の3のAについて

 動燃が民事法上の損害賠償責任を一元的に負う限りにおいて、国家間の問題は生じない。

四の3のBについて

 国際私法の原則に従って日本法が準拠法となる場合には、我が国の原子力損害の賠償に関する法律が適用される。

四の3のCについて

 動燃が現在締結しようとしている保険契約では、支払われる保険金の上限は六十億円である。

四の4について

 準拠法体系により決定される損害賠償責任者が民事法上の損害賠償責任を一元的に負う限りにおいて、国家間の問題は生じない。

五の1から9までについて

 海上保安庁は、巡視船艇等における十分な業務経験を有する全国の海上保安官の中から選抜した者に対し、護衛船の運航訓練、装備・資器材の操法訓練等護衛に必要な各種訓練を十分に実施し、護衛に万全を期しているところであるが、具体的な訓練の内容、期間等については、護衛業務の性質にかんがみ、お答えを差し控えさせていただきたい。

六の1及び2について

 平成四年四月十八日付け文書「核物質の輸送に係る情報の取扱いについて」は、核物質防護関係省庁連絡協議会における合意を受けて出されたものであり、同協議会における合意事項については、関係省庁の所掌に応じてそれぞれ法令に基づき実施されることとなる。

六の3について

 在外公館を通じて問い合わせた結果、アメリカ合衆国及びフランスでは、法令に基づき輸送情報は開示されていないとの回答を得たものである。

七の1の@について

 御指摘の答弁におけるキログラム当たりとは、核分裂性プルトニウム一キログラム当たりである。

七の1のAについて

 プルトニウムの購入価格は動燃と電気事業者との交渉により決められるものと承知している。

七の1のBについて

 プルトニウムの売買取引における動燃と電気事業者との交渉により、平成三年にはキログラム当たり約百二十万円になったものと承知している。

七の1のC及びDについて

 昭和五十九年に動燃が関西電力株式会社から購入したフランスからの返還プルトニウムの価格の算定については、七の1のAについてにおいて述べたとおりである。

七の1のEについて

 平成四年秋ごろに返還される予定のプルトニウムの売買価格は確定していない。

七の2の@及びBについて

 御質問の動燃東海事業所再処理工場における使用済燃料の再処理に要した費用として、平成二年度の損益計算書上の項目のうち、再処理運転費等からなる再処理費約百八十億円をとるとすれば、これを同年度の再処理量約九十トンで除したトン当たりの費用は約二億円と計算される。

七の2のAについて

 動燃東海事業所再処理工場における再処理料金については、再処理工場の建設・運転に要する原価を回収することを基本として電気事業者と動燃の間で決定されている。

七の2のCについて

 損益計算書における再処理費の年度ごとの増減は年度ごとの再処理量の増減のみで決まらないからである。

七の2のDについて

 再処理事業収入は、再処理収入のほか受託業務収入等である。



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