質問本文情報
平成五年八月二十五日提出質問第二号
電力会社のプルトニウム利用に関する質問主意書
提出者 秋葉忠利
電力会社のプルトニウム利用に関する質問主意書
電力会社は使用済核燃料の再処理委託を行っているが、再処理によって抽出されたプルトニウムの計画について疑問があるので、次のとおり質問する。
1 再処理の済んだ分も含めてフランスに輸送済の電力会社の使用済核燃料は一九九三年三月三十一日までの累積で何トンか。
2 再処理の済んだ分も含めて英国に輸送済の電力会社の使用済核燃料は一九九三年三月三十一日までの累積で何トンか。
二 プルトニウム売却について
電力会社は再処理によって得られたプルトニウムを動力炉・核燃料開発事業団(以下、「動燃」という。)に売却している。
1 電力会社自身の需要がないから動燃に売却しているということでよいか。
2 電力会社から動燃への核分裂性プルトニウム一キログラム当たりの売却単価は、一九八四年のプルトニウム輸送では五百二十九万円、今年一月のプルトニウム輸送では百二万円、国内の東海再処理工場からのものは一九八八年が百三十万円、一九九一年が百二十万円とばらつきがある。
@ 東海再処理工場で抽出された電力会社の核分裂性プルトニウムについて、一九九一年十二月三十一日まで、九二年十二月三十一日まで、九三年三月三十一日までに動燃に売却した累積量はそれぞれ何キログラムで、売却総額はそれぞれいくらか。
A 英国の再処理工場で抽出された電力会社の核分裂性プルトニウムについて、一九九一年十二月三十一日まで、九二年十二月三十一日まで、九三年三月三十一日までに動燃に売却した累積量はそれぞれ何キログラムで、売却総額はそれぞれいくらか。
B フランスの再処理工場で抽出された電力会社の核分裂性プルトニウムについて、一九九一年十二月三十一日まで、九二年十二月三十一日まで、九三年三月三十一日までに動燃に売却した累積量はそれぞれ何キログラムで、売却総額はそれぞれいくらか。
3 一九九一年十二月三十一日現在、九二年十二月三十一日現在、九三年三月三十一日現在の東海再処理工場、英国の再処理工場、フランスの再処理工場の各施設から抽出された電力会社の核分裂性プルトニウムで、売却せずに電力会社の所有となっていた量は各日付ごと、各再処理工場ごとにそれぞれ何キログラムか。
三 MOX燃料利用について
電力会社の軽水炉でのMOX燃料利用は、一九九〇年代央に八〇万キロワット級の沸騰水型一基、加圧水型一基の合計二基において四分の一炉心をMOX燃料とする利用計画を始めとし、一九九〇年代末には一〇〇万キロワット級の三分の一炉心をMOX燃料とする計画が四基、二〇〇〇年過ぎには八基増えて十二基の規模へ拡大の計画になっている。
1 電力会社は英国、フランスにある一九九三年三月三十一日現在の核分裂性プルトニウムを「日本に輸送してからMOX加工する」のと「海外でMOX加工する」のどちらの計画か。
2 電力会社の英国、フランスにある一九九三年三月三十一日現在の核分裂性プルトニウム何キログラムを使ったMOX燃料を何年から使用するなどの具体的計画はどうなっているか。
3 一九九〇年代央の八〇万キロワット級でのMOX利用計画に沿って、現時点でMOX燃料の製造の契約を締結し、発注した電力会社があるか。あれば、発注した電力会社はどこで、どこの国のどの加工会社(固有の名称)に、何キログラムの核分裂性プルトニウムを使い、何トンMOXの注文か。
4 電気事業会計規則上の加工中核燃料明細表にはMOX燃料の記載欄がなく、雑口に記載するにしても数量はウラン総量によることとされており、プルトニウム量の記載欄がない。電力会社がMOX燃料加工を発注した場合、MOX燃料の会計整理はどうするのか。
5 MOX燃料は、通常のウラン燃料に比べて高いと言われている。
@ MOX燃料利用を既に行っている諸外国の実績ではどの程度高いのか。
A 通商産業省の試算ではどの程度高いのか。
四 電力会社は再処理のための再処理引当金を積み立てているが、次の金額、量を明らかにしていただきたい。
1 目的使用額は一九九三年三月三十一日までの累積でいくらか。
2 1に対応する再処理量は何トンか。
3 1の目的使用額のうちガラス固化費用の分はいくらか。
4 3に対応するガラス固化となったもとの使用済核燃料は何トンか。
5 再処理引当金の残高は一九九三年三月三十一日現在でいくらか。
6 5に対応する再処理量は何トンか。
五 使用済核燃料の処分について「再処理方式」と再処理を行わず直接処分する「ワンススルー方式」のコスト比較を通商産業省自身が試算したことがあるか。あれば、どのような条件のもとにどのような結果を得たか。
右質問する。