衆議院

メインへスキップ



平成六年十一月三十日提出
質問第二号

芦浜原子力発電所立地に関する質問主意書

提出者  秋葉忠利




芦浜原子力発電所立地に関する質問主意書


 国民生活に必要なエネルギーの確保のため、適正な電源施設を確保することは政府の重要な使命であるが、そのことを理由にして、国民生活が著しく犠牲にされることがあってはならない。
 しかし、電気事業者の電源立地に当たっては、立地地区住民の合意を得るという名目で、著しく常軌を逸した行為や、違法とも思える手段がとられ、立地地区住民の生活を破壊したり、地域共同体ひいては地域の文化や経済に重大な影響を与えていると、全国各地において伝えられている。
 これについて政府の認識及び見解を問うため、以下具体的に要対策重要電源に指定されている芦浜地区の事例に基づいて質問する。
 三重県南島町と紀勢町に跨がる芦浜に中部電力(株)の原子力発電所立地が発表されたのは一九六三年である。以来三一年間、地元では反対運動が継続的に行われ、とりわけ南島町では、その反対運動は漁協や自治体を巻き込み、全町一丸となって行われている。
 しかし中部電力(株)は、地元住民による明白な反対運動がありながら、「地元の皆さんのご理解を得るため」との理由で、執拗な立地活動を続けてきた。
 三一年間も長く執拗に続けられている立地活動に疑問があるので、以下のとおり質問する。

一 芦浜原子力発電所計画に伴う環境影響調査が行われようとしているが、これについてうかがう。
 1 この海洋影響調査は、どのような法律に基づいて行われるものか。
 2 政府は環境影響調査の実施方法について知らされているか。
 3 知らされているなら、範囲はどこからどこまでの何キロか。
二 三一年間にも及ぶ立地活動について、地元住民は「断っても断っても家に入ってくる押し売り」と言い、何よりも平穏な生活が欲しいと望んでいる。地元住民をこのような状態に追い込むような立地活動は、生活権を脅かすものではないか。
三 芦浜原発建設の可否を握る古和浦漁協の組合員を対象に中部電力(株)は「浦創りの会」「新生浦創りの会」「新風会」「平成会」という四つのグループ、古和浦の他に土建業者等を中心とした「南島の進歩を考える会」の立地推進グループをつくり、資金を提供している。特に「南島の進歩を考える会」には毎年一千万円の資金を提供している。
 1 この事実を知っているか。
 2 このような方法は立地活動として妥当なものと認められるか。
四 中部電力(株)は立地推進グループの構成員に対し資金の貸付を行っている。その際残余の構成員は連帯保証人となる貸付形態をとらされ、仮に個人の債務を返済したとしても他の構成員の借入債務の連帯保証債務があるため、推進グループから抜け出ることは著しく困難である。
 1 この事実を知っているか。
 2 このような方法は立地活動として妥当なものと認められるか。
五 本年九月二二日南島町議会は環境調査に反対する請願を採択した。この請願には南島町全有権者の七五%の署名が添えられていた。このように町を上げての反対にもかかわらず中部電力(株)は環境影響調査を強行しようとしている。電源立地に当たって立地地区住民の合意を大切にするのであれば、このような強行は行うべきでないと思われるが、これについて政府の見解を示していただきたい。
六 一九六四年当時三重県副知事であった高谷高一氏は「南島町漁業協同組合役員全員協議会が原子力発電所の趣旨について納得しない限り熊野灘沿岸に於いて精密調査をさせず、従って中部電力株式会社が内閣総理大臣に対して建設許可申請を出すことはありえないことを明言する」との文書を南島町の漁協役員に渡した。
 1 この事実を知っているか。
 2 この文書は未だ無効にはなっておらず、守るべき内容であると理解してよいか。
七 本年一一月二四日、南島町長は、@南島町に原子力発電所はいらない。A海洋調査は絶対にさせない、反対である。B中部電力(株)から環境調査の通知があっても直ちに拒否する。C三重県と中部電力(株)へ、海洋調査の強行は「自治権の侵害」であることを申し入れる。D町長は国の「要対策重要電源」の指定を取り消すよう町民と一体になり働きかける。との宣言文を出した。
 1 このように明確な原子力発電所建設拒否、海洋調査の拒否の態度をとっているにもかかわらず、中部電力(株)が海洋調査を強行するのであれば、地元住民の合意はおろか混乱は避けられない。これについて政府の見解を示していただきたい。
 2 中部電力(株)が海洋調査を強行することは「自治権の侵害」ではないか。これについて政府の見解を示していただきたい。
 3 南島町長と、その町長を選出した大多数の町民は、国の「要対策重要電源指定」を取り消すよう求めている。これが地元住民を代表する意志ではないかと思うが、これについて政府の見解を示していただきたい。

 右質問する。



衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.