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平成八年三月二十五日提出
質問第八号

阪神・淡路大震災被災地における雇用対策に関する再質問主意書

提出者  岡崎宏美




阪神・淡路大震災被災地における雇用対策に関する再質問主意書


 私の一九九六年二月二十一日付け提出の質問主意書に対し先般答弁を得たが、不十分なため改めて阪神・淡路大震災被災地(以下被災地)における雇用対策について質問する。

一 被災地の雇用情勢に対する政府の認識は、「数値上は悪化しているとは言えない」が、求職者、求人者間のミスマッチによって「実際の雇用失業情勢には厳しい面がある」ということのようである。しかし、被災地で求職活動を行っている失業者のなまの声を聞く者としては、被災地での雇用問題はミスマッチ問題だけとは到底考えられない。
  そこで、被災地の男女別の有効求人倍率が算出できないのなら、例えば、被災地有効求人倍率(一般、パートタイマー別)、同中高年齢者の有効求人倍率、同男女別就職率、同中高年就職率、等の被災地の雇用情勢を把握できる算出可能なデータを全国値と比較して明らかにされたい。
二 「阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失業者の公共事業への就労促進に関する特別措置法」(以下「就労促進法」という。)で一年間に雇い入れられた被災失業者の実人員が四十一人という現実からは、就労促進法が被災地での雇用対策に効果を発揮しているとは考えにくい。政府は同法が被災地での雇用対策に十分に効果を発揮しているとの認識を持っているのか。見解を明らかにされたい。
三 三月十五日受領の答弁第四号では、就労促進法の対象となる公共事業が「建設又は復旧の事業」に限定されているのは、これによって「臨時的な雇用の機会として相当数の被災失業者を吸収できると見込まれている」からとの認識を示されている。しかし、復興が進展しているにもかかわらず、現実に、同法によって「雇い入れなければならないこととされた被災失業者」が一年間で四十四人に過ぎなかった以上、法制定時の認識を改める必要があるのではないかと考えるが、政府の現時点での認識を明らかにされたい。
  また、被災失業者の公共事業への就労促進について「努めてきた」にもかかわらず、一年間に四十一人しか就労できなかった現実を踏まえるならば、今後、いかなる努力をはらえば、就労数の飛躍的拡大が可能というのか。「同法の円滑かつ実効ある施行」のために政府として何をするのかを具体的に明らかにしていただきたい。
四 政府は、「求職者と求人者との間で雇用条件に関し不適合が生じており」「実際の雇用失業情勢には厳しい面がある」との認識を示しているが、この点 ― つまり「建設又は復旧の事業」への就労が困難な失業者が多いという点 ― も、就労促進法の実効を妨げているのではないかと思えるが、政府の見解を明らかにされたい。
五 「就労促進法」の制定に当たっては、先の答弁によれば、「建設又は復旧の事業」以外の公共事業については、震災後「直ちに多数計画実施することが困難であると考えられ、相当数の被災失業者を吸収できると見込めない」との認識のようである。しかし、震災後一年以上たった現状を見れば、仮設住宅での「孤独死」の急増やPTSD(心的外傷後ストレス障害)の激増、さらにボランティアの不足等々、福祉分野における「公共事業」を、「困難」であっても「直ちに多数計画実施」しなければならない事態が発生しており、ホームヘルパーなどの増員によって「建設又は復旧の事業」に就労しにくい「相当数の被災失業者を吸収できる」と思われる。被災地における福祉分野の「公共事業」の拡大の緊急性とその分野での被災失業者の吸収の可能性について、現時点での政府の認識を明らかにされたい。
  また、福祉分野における「公共事業」の「多数計画実施」が難しくとも、多少なりともこの分野が拡大する場合に、被災失業者を優先的に雇い入れるようにすれば、「建設又は復旧の事業」では吸収できない被災失業者の雇用拡大に資するわけであり、何ら不都合はないように思える。同法の「公共事業」を「建設又は復旧の事業」に限定しなければならない積極的な理由が何かあるのか、改めて政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。





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