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平成九年三月十四日提出
質問第一一号

返還ガラス固化体の貯蔵管理に関する質問主意書

提出者  中川智子




返還ガラス固化体の貯蔵管理に関する質問主意書


 全国の原子力発電所から排出された高レベル放射性廃棄物(返還ガラス固化体)の二回目の輸送が現在行われている。ガラス固化体の貯蔵管理と安全性については、全国民の問題であり注目されるところである。とりわけ地元住民にとっては切実な問題である。返還ガラス固化体の貯蔵管理に係る問題を以下、質問する。

一 返還ガラス固化体の貯蔵管理期間について
  返還ガラス固化体の貯蔵管理期間については、「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」(以下「長期計画」という。)において高レベル放射性廃棄物は、安定な形態に固化した後三十年間から五十年間程度冷却のための貯蔵を行うとの方針が示されているという。
 1 「長期計画」において冷却期間を三十年間から五十年間程度とした根拠は、どの様な機関のどの様な研究データに基づくものか。
 2 「長期計画」における冷却期間の三十年間から五十年間の幅は何を意味するのか。
 3 「長期計画」において、三十年間から五十年間程度冷却したガラス固化体の発熱量は何ワット、キャニスター中心温度、キャニスター表面温度はそれぞれ何度になるのか。
 4 電気事業者の試算によれば、二キロワットの発熱量を持つガラス固化体の五十年後発熱量は数百ワットになるとの答弁がある。
  @ 一・四六、二・〇、二・五キロワットそれぞれの発熱量を持つガラス固化体の三十年後及び五十年後の発熱量、キャニスター中心温度、キャニスター表面温度は、電気事業者の試算によればそれぞれいくつか。
  A 一・四六、二・〇、二・五キロワットそれぞれの発熱量を持つガラス固化体の三十年後及び五十年後の発熱量、キャニスター中心温度、キャニスター表面温度は、「長期計画」の試算によればそれぞれいくつか。
  B 一・四六、二・〇キロワットそれぞれの発熱量を持つガラス固化体の三十年後及び五十年後の発熱量、キャニスター中心温度、キャニスター表面温度はCOGEMAの試算によればそれぞれいくつか。
二 貯蔵管理施設への受入基準について
  第一三四国会、平成七年十二月十四日付「質問第二五号」の質問に対し、
  『返還されるガラス固化体については、法的に規制されているのではなく、その廃棄に係る安全性は、廃棄に係る規制等によって確保されるものである。
  廃棄物管理設備に廃棄される際には、その放射能濃度、発熱量等が管理できるものとすること等が電気事業者に義務付けられており、事業所外廃棄規則の規定に適合することについて、廃棄される前に科学技術庁長官が確認することとなっている。』との答弁がある。
 1 廃棄に係る規制等によって、電気事業者に義務付けられている「管理できるもの」について
  @ 「管理できるもの」の放射能濃度、発熱量等の項目及び基準数値は、いつどの様な手続きにより、誰により定められたものか。
  A 「管理できるもの」とは、三十年間から五十年間貯蔵管理しても健全であることの「保証」が必要か、不必要か。
 2 事業所外廃棄規則の「規定に適合する」について
  @ 規定には、放射能濃度、発熱量等の項目及び基準数値を定めているのか。定められていれば、いつ、どの様な手続きにより、誰により定められたものか。
  A 規定の適合には、三十年間から五十年間貯蔵管理しても健全であることの「保証」が必要か、不必要か。
三 ガラス固化体破損、腐食等のバックアップ体制について
  返還ガラス固化体の受入時にガラス固化体の安全が確認されたとしても、貯蔵管理期間中に収納ガラス固化体の破損・腐食等が絶対ないとはいえない。
 1 収納されたガラス固化体が、万一破損・腐食等の不測の事態が生じた場合の対策の検討及び評価を電気事業者、日本原燃、科学技術庁、動燃等(以下「事業者等」という。)でしたことがあるか。
 2 「事業者等」で検討及び評価をしていない場合、「事業者等」それぞれ理由は何か。
 3 「事業者等」で検討及び評価をしていた場合、「事業者等」それぞれ結果はどうであったか。
 4 収納されたガラス固化体に万一破損・腐食等の事態が生じた場合、その事態に対応・対処可能な組織または機関と装備及び設備はあるのか。

 右質問する。





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