衆議院

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平成九年六月十七日提出
質問第三一号

住友金属和歌山製鉄所沖出し中止問題に関する質問主意書

提出者  枝野幸男




住友金属和歌山製鉄所沖出し中止問題に関する質問主意書


 住友金属和歌山製鉄所は、公害問題から新たな埋立地へ移転する予定であった。ところが、途中で工場移転を中止したにもかかわらず、目的を失った埋立工事をそのまま続行した。一方で、本来の目的であったはずの、同工場周辺の環境対策は一向に進んでいない。そもそもの目的を達成できない埋立てにより環境が破壊され、一方で住民の健康状態も改善されない現状を政府が放置することは、許されないものと考える。そこで、以下質問する。

一 埋立て問題について
 1 瀬戸内海での埋立てが、瀬戸内海環境保全特別措置法によって厳しく規制されているにもかかわらず、住友金属和歌山の沖合い移転に関連して、埋立てを許可した理由を記されたい。
 2 住友金属は、西防波堤沖埋立地での廃棄物処分に関して、安価で廃棄を行っていたが、他企業が住友金属と同量の産業廃棄物を当該埋立地で処分した場合との差額はどれくらいになると認識しているか。
 3 住友金属は、西防波堤沖埋立地での廃棄物処分に関して、全廃棄物に関して、トンあたり七五円を作業委託費として財団法人和歌山環境保全公社から受け取っていると言われているが事実か。事実とすれば、住友金属が現在までに受け取った総額はいくらか。
 4 西防波堤沖埋立工事では、住友金属は護岸工事費を負担しているか。負担しているとすれば、その額はいくらか、工区別に記されたい。
 5 当該埋立地の第二工区部分につき、住友金属は、関西電力に対して売却を検討していると聞くが、公有水面埋立法第二七条第二項によれば「権利ヲ移転シ又ハ設定セムトスル者ガ其ノ移転又ハ設定ニ因リ不当ニ受益セザルコト」とされているように、住友金属及び当該埋立地の譲受人が不当な利得を得ることは法律に反することとなると考えるがいかがか。
   また、住友金属及び当該埋立地の譲受人に不当な利益が出ないようにする責任主体は誰か。加えて、当該事案で不当な利益が出ないような具体的方策につき述べられたい。
 6 不当な利益を出させないためにも、住友金属から直接民間企業への売却を認めるべきではないと考えるがいかがか。
二 沖出し中止と環境対策について
 1 一九九一年に住友金属が、和歌山製鉄所の沖出しの断念を発表したことにつき、当時認識していたか。認識していた場合に、一九九二年に第二工区の埋立てを許可したのはなぜか。
 2 一九九四年に地区環境改善に、中松江自治会と住友金属が協議し、降下煤塵量の企業目標値を一平方キロメートル当たり月総量四トンと設定したことを政府として把握しているか。
 3 2の設定は守られているのか。一九九四年からの月別の降下煤塵量を記されたい。また、守られていないとすれば、何らかの指導をするべきであると考えるがいかがか。
 4 和歌山県保健環境部長が環境庁企画調整局環境影響審査課長ならびに環境庁水質保全局瀬戸内海環境保全室長に宛てた「和歌山下津港内の公有水面埋立てについて(報告)」(以下、「報告」と記す)によれば、「工場移転により確保されると予定されていた環境保全対策と同等以上の対策を実施させるよう同社を指導します」とされているが、
 (1) 工場移転により確保されると予定されていた環境保全対策につき記されたい。
 (2) 現在、工場移転と同等以上の環境保全対策が実施されていると認識しているか。対策がなされていないとすれば、何らかの指導をするべきであると考えるがいかがか。さらに、何らかの指導があった場合には、その内容を記されたい。
 5 報告によれば、「工場周辺における市民への環境影響を緩和する観点から実施されるものであるという対策の趣旨に鑑み、これら市民の十分な理解、合意を得た上で進めること」とされているが、市民に対する合意はどのような形で得ているのか記されたい。
 6 住友金属和歌山製鉄所の付近では、今でも騒音、振動、臭気が絶えず、周辺住民の不満が多いと聞くが、同製鉄所が沖合い移転を中止する前と後で、何らかの改善がなされたのか。数値を示して説明されたい。
 7 住友金属和歌山製鉄所では、ハイカーボン鋼の手入れ場などで、浸透液と現像液の廃液を長年にわたって垂れ流していたとされているが、
 (1) 確認しているか。
 (2) 周辺の水質検査を速やかに行ったのか。行っていないとすればなぜか。
 (3) 同工場に対してはどのような指導をしたのか、その内容を記されたい。
 8 住友金属和歌山製鉄所周辺では、地下水のマンガン濃度が高いと聞くが、同工場との関係はあるか。関係があるとすれば、何らかの改善措置を指導するべきであると考えるがいかがか。
三 緩衝緑地について
 1 工場立地法、公害防止事業費事業者負担法による、住友金属和歌山製鉄所が整備すべき緩衝緑地の面積はどの程度か記されたい。
 2 現在の同工場で整備されている緩衝緑地の面積はどの程度か記されたい。
 3 緩衝緑地の整備責任者は住友金属であると考えるがいかがか。
 4 住友金属は、緩衝緑地の整備責任を県だと発言していると聞くが事実か。
 5 公害防止事業団(現、環境事業団)が緩衝緑地の整備を行ってきたが、当該事業の予算と使途を各年度別に記されたい。
 6 同工場が沖合い移転を中止した今、緩衝緑地の整備は住友金属の義務で早急に整備するべきであると考えるがいかがか。

 右質問する。



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