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平成九年十二月十二日提出
質問第二七号

日本臓器移植ネットワークへの行政の関与の在り方に関する質問主意書

提出者  山本孝史




日本臓器移植ネットワークへの行政の関与の在り方に関する質問主意書


 内閣衆質一四一第四号において、社団法人腎臓移植ネットワーク(以下、腎移植ネットワーク)がその業務及び運営について特段の問題はなかった、並びに定款変更の認可にあたって、財政構造の改善についてなど三点について指導を行ったとの答弁書を受領した。
 臓器の移植に関する法律(以下、法律)の適正な実施の根幹は、この日本臓器移植ネットワーク(以下、臓器移植ネットワーク)が担っていると言っても過言ではない。
 臓器移植ネットワークの運営について、行政の指導と関与の在り方に関し、以下質問する。

一 腎移植ネットワークの平成八年度と平成九年度の収入と支出の構成について、主な科目、金額とその百分率を明らかにせよ。
二 臓器移植ネットワークの平成九年度と平成十年度(予定)の収入と支出の構成について、主な科目、金額とその百分率を明らかにせよ。
三 厚生省からの資料によれば、過去二年間の腎移植ネットワークにおける特定関係者の寄付は、横浜倉庫九%、馬主関係団体七%である。
 (一) これまでの腎移植ネットワークの運営に特段の問題はないとの認識は先の質問主意書で確認したところだが、定款変更認可に際し財政構造に関してどのような問題があった、あるいは、あるとの認識で指導を行ったのか。
 (二) 一般に、公益法人が適正に運営されているか否かの判断は、現になされている事業の内容で判断すべきものであって、寄付者の性格等によって判断することは適切ではないと考えるが、厚生省の認識を伺う。
 (三) 公益法人の運営において、総収入のどの程度の割合が寄付金で占められ、またそのうちどの程度までが特定の寄付者からの寄付であれば適正であると厚生省は考えているのか。また、その根拠は何か。厚生省所管の全ての公益法人の中に、特定の寄付者からの十%程度の寄付金を財源の基礎にしている法人は他にはない、との認識か。
 (四) 篤志家がその個人や関係する企業・団体の私財を投げうって公益活動を行うことを、厚生省はどの様に受け止めているのか。
 (五) 腎移植ネットワークのこれまでの運営は、現会長やその関係する団体等からの寄付によって支えられてきたと受け止めるが、厚生省も同様の認識か。今になって、特定の個人や関係する団体からの寄付に頼り過ぎているというのは、財政面での支援における、これまでの厚生省の責任を棚上げにするものではないか。認識を伺う。
四 公衆衛生審議会臓器移植専門委員会の本年九月二十九日の審議の中で保健医療局長は、「ネットワークのための法人を新たに設立するためには十億円もの財源が必要で、その確保が難しかったので、既存の法人を活用して対応した」という趣旨の発言をしている。これは法律の適正な執行のためには既存の公益法人に頼らなければならなかったという認識を示したものだが、その認識で良いか。
五 今般臓器移植ネットワークの理事長が、厚生大臣に対して国庫補助金の増額を求め陳情を行ったと聞く。そして厚生大臣は国庫補助金の増額は難しいとの認識を示したとのことである。どのような陳情がなされ、厚生大臣はどのように答えたのか。内容を明らかにせよ。
六 特定個人・団体からの寄付は減額を指導する一方で、国庫補助金の増額は難しいということでは、法律の執行に重大な責務を課せられたこのような公益法人は、財源確保の方法を見失うこともあり得る。今回の指導にあたって、特定の寄付者からの寄付が減る穴をどううめるべきと考え、またどのような寄付者が新たに寄付を行うのが望ましいと想定して指導したのか。具体的に答えよ。
七 今回の財政構造を変えよとの指導に際して、財源の確保策について具体的に厚生省は何らかの提案や協力を行っているのか。
八 財政構造改善のために、臓器提供を待つ患者の登録料や更新料の増額を検討していると聞くが、それは事実か。その登録料や更新料の徴収の対象となる患者数はどのくらいで、想定する金額はどの程度で、その結果年間どの程度の収入を見込んでいるのか、具体的に答えよ。
九 現在の日本の経済状況を考慮すると、財政構造を変えて年間二億円近い新規の民間寄付金を毎年安定的に確保することは、一公益法人として極めて困難であることは容易に想像し得る。そういった現状を踏まえると、厚生省の今回のような行政指導は、法人の運営基盤を根本的に危うくさせる危険性がある。従ってこのような指導は極めて無責任であり、民間の篤志家が多年にわたり移植医療の発展に貢献してきた事に対する無用な干渉ではないか。厚生省の認識を伺う。

 右質問する。





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