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平成十年五月八日提出
質問第三四号

小田急小田原線(東北沢〜和泉多摩川間)の複々線化事業に関する質問主意書

提出者  北村哲男




小田急小田原線(東北沢〜和泉多摩川間)の複々線化事業に関する質問主意書


 小田急電鉄(株)小田急線は、小田原線と江ノ島線が基軸となり、神奈川県と東京都を結ぶ大動脈の一つである。
 昭和五〇年代の後半、小田原線と江ノ島線の分岐点である相模大野から新宿までの高架複々線にする計画が立てられ、高架複々線化事業(喜多見〜和泉多摩川間)が昭和五七年から始まった。
 東京都においては、この事業は東京都が主体となる「連続立体交差化事業」と同時一体的に施行されるものであり、具体的には既存の鉄道部分は東京都、線増部分は鉄道事業者が事業主体であると説明されてきた。そして「連続立体交差化事業」については、平成四年まで事業費の九三%(現在八六%)がガソリン税、都民税、区民税、等の市民の税金でまかなわれるので、小田急電鉄(株)の負担は極めて少ないが、「複々線化事業(線増部分)」については小田急電鉄(株)が事業主体となり、事業費の全てが小田急電鉄(株)の負担となると説明し、その負担が一千億円をはるかに超えるので、事業費の一部を利用者が負担するのは当然だという名目で、昭和六一年に制定された特定都市鉄道整備促進特別措置法の「特別措置」により、小田急電鉄(株)は小田急線の運賃の値上げをした。
 しかしながら、「複々線化事業」の事業主体が小田急電鉄(株)であるとの説明は事実に反しており、実は、「複々線化事業」の法律上の事業主体は日本鉄道建設公団であること、従って線増部分の用地買収から高架・工事に至るまで同公団の負担で行われ、土地と高架施設などは同公団の所有になることが、その後の調査で判明した。
 従って、次の事項について質問をする。

一 右「複々線化事業」について、日本鉄道建設公団(以下「公団」という)が事業主体となったのは何時か。数回にわたるときは、対象区間を明示してその時期をそれぞれ明らかにされたい。
二1 日本鉄道建設公団法(以下「公団法」という)第二二条第一項により、小田急電鉄(株)が右「複々線化事業」を「公団」が行うよう申出をしたのは何時か。数回にわたるときは、一と同様にしてその時期を、対象区間を明示して、それぞれ明らかにされたい。
 2 また「公団法」第二二条第一項および同法施行規則第五条により、小田急電鉄(株)が作成し、運輸大臣に提出した右申出書の内容を、それぞれ明らかにされたい。
 3 運輸大臣が右の申出をうけ、「公団法」第二二条第二項の指示をした時期を、一と同様にして、明らかにされたい。
 4 右指示の際、運輸大臣が定めた工事実施計画の内容を、それぞれ明らかにされたい。
三1 右「複々線化事業」完成に至るまでの工事費は、「公団」が負担しているのか。
 2 右「複々線化事業」の工事費には、用地費は含まれるのか。
 3 右「複々線化事業」の費用は現在までにいくらかかったか。区間を東北沢〜梅ヶ丘間、梅ヶ丘〜喜多見間、喜多見〜和泉多摩川間とに区分して、それぞれ明らかにしたうえ、その内訳、すなわち用地費と狭義の工事費を明らかにされたい。
四 右「複々線化事業」完成に至るまでの工事費にあてるための資金は、どのような方法で「公団」は調達したのか。
五 右「複々線化事業」で取得した用地および高架施設、「公団法」第一九条第二項第一号に定める鉄道建設と一体として建設することが適当な事務所、店舗等(以下「附帯事業」という)を、右「複々線化事業」において建設し管理する計画は、右運輸大臣が定めた工事実施計画の中に存在するか。存在するとすればその内容を、それぞれ明らかにされたい。
  右計画では定められていなかった「附帯事業」を、後に「公団」が運輸大臣の認可を受けて、計画し、実施しているものがあるとすれば、認可の時期と内容を明らかにされたい。
  現在、右「複々線化事業」に係わる用地、鉄道施設、「附帯事業」による施設の所有権、占有権は「公団」に帰属しているのか。権利の種類に分けて明らかにされたい。
六 右「複々線化事業」は、東京都が「建運協定」(道路法、鉄道事業法等に基づき、建設省と運輸省の間において結ばれた「都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する協定」)に基づき定める連続立体交差化事業の都市計画決定の対象のはずであるが、そうだとすると右「連続立体交差化事業」は「建運協定」により東京都が主体となり、都市計画事業として行われることになるが、右「複々線化事業」とはどのような法的関係になるのか。
七 右「複々線化事業」につき、小田急電鉄(株)が、「公団」により施行されるよう申出をしたことは世田谷区等が認めているので事実であると推定されるが、そうだとすれば、「公団」がこれを施行しなければならないことは「公団法」等の明文により明らかなことであるところ、「公団」がこれの施行を小田急電鉄(株)に委託しているといわれているが、それは事実か。そうだとすればこの委託の内容、時期、理由(法令上の根拠)を明らかにされたい。
  また、当然右委託については、「公団」と小田急電鉄(株)との間に委託契約書を作成しているはずであるから、その内容および有償無償の別等を明らかにされたい。
八 右「複々線化事業」は、東京都が定めた都市計画決定の対象となっている事業であるから、都市計画案の公告、縦覧、アセスメント等の都市計画手続きをふまなければならないと考えるが、委託が事実であるとすると、都市計画法等の関係法令に、これを許す根拠があるのか。あるとすれば、それを明らかにされたい。
九 右「複々線化事業」の事業主体が「公団」であることを、運輸大臣、建設大臣など関係者が、各種議会・裁判など、公の場で明示しなかった理由を明らかにされたい。

 右質問する。





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