衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十年五月二十二日提出
質問第三七号

私立短期大学への助成等に関する質問主意書

提出者  石井郁子




私立短期大学への助成等に関する質問主意書


 いま、わが国の高等教育は、国内外の政治・経済情勢の変化や情報化を含む科学技術の進歩、地球的規模での環境問題への対応などと、新たな研究課題に挑戦していくことが求められており、そのためにも、教育機関の充実・発展が切実になっている。
 しかし、大学の研究・教育環境は大きな困難に直面している。その要因は、最高時に比して四割以上も減少する十八歳人口の影響、政府の教育予算の削減方向、さらに、新たな研究・教育課題に対応する各大学の条件整備の不足などがある。
 このような状況のもとで、とりわけ私立短期大学は、「定員割れ」をかかえる短期大学・学科が急激に増加し、危機ともいえる状況にある。現在、五百校を超える私立短期大学は地域社会のなかで、女子を中心に高等教育人口のすそ野をひろげ、社会の知的、専門技術的な進歩の一環を担ってきた。しかしながら、近年、十八歳人口の減少と高学歴化を背景に、短期大学志願者は減少しつづけている。この新しい状況のなかで、短期大学の設置者や教職員が教育理念を振り返り、自己分析をして今後の方向づけをしなければならないことは勿論のことである。
 同時に、国の文教行政は、短期大学を今後の高等教育全体のなかに明確に位置づけ、適切な条件整備を図ることが求められている。短期大学卒業後は、二十歳で社会人としての就職、四年制大学への編入学、短期大学専攻科への進学、専門学校への進学、留学などの道を各人の目標にあわせて柔軟に選択できる特色を有し、また、十八歳人口に対応するだけでなく、かつて様々な条件のなかで高等教育をうけることができなかった人々への身近な門戸にもなりうるものである。こうした可能性を実現するために、国の積極的な政策的位置づけと条件整備が緊急に求められている。
 そこで、私立短期大学への助成等に関して、以下質問する。

一 政府、文部省は、私立短期大学の困難な現状を放置するのでなく、今後の私立短期大学にいかなる位置づけをあたえるのかを明確にすべきだと考えるが、いかがか。
二 私立大学(私立短期大学を含む)の公費助成について、一九七五年の私立学校振興助成法に関する参議院文教委員会の附帯決議にもとづいて、経常費補助を増額すべきだと考えるが、どうか。なお、短期大学卒業生の四年制大学への編入学が増加している現状では、私学助成に関して四年制大学と短期大学の積算基準を区別する根拠は乏しいので、これを同一化すべきだと考えるが、どうか。
三 高等教育機関の学習機能が、社会人などにひろく活用されるよう、「有給教育休暇制度」(ILO百四十八号勧告)の確立、さらに、家庭にいる中高年女性などの教養を身につける意欲にこたえて年間授業料の一定額の助成などを検討し、具体化すべきだと考えるが、どうか。
四 平成八年度の政府の国民生活白書では、私立大学生一人に対する家計の負担は、可処分所得の四十二%を占めるなど、教育費の負担と困難は増大している。日本育英会の奨学生推薦基準で、私立大学第一種奨学生家庭の給与所得上限は、九百八十万円となっているが、同時期に複数の子女の私立大学進学者(短期大学を含む)を抱える場合は、上限額を一千二百万円まで引き上げるべきだと考えるが、いかがか。
  また、私立大学生で奨学金をうけているのは四%ぐらいである。奨学金制度をもっと活用できるように対象人員の拡充が必要と考えるが、どうか。
五 日本私立学校振興・共済事業団からの五%以上の利息のつく長期借入金について、私立大学関係者から「少なくとも借入後三年を経過したものは、繰上償還をみとめるべき」との要望があるが、この要望にどうこたえるのか。
六 「大学審議会」委員に、短期大学代表の委員が除外されているが、いかなる理由があるのか、明確にされたい。

 右質問する。





経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.