質問本文情報
平成十年六月五日提出質問第四五号
嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練実施に関する質問主意書
提出者 古堅実吉
嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練実施に関する質問主意書
五月三〇日早朝、米陸軍特殊作戦部隊グリーンベレーが嘉手納飛行場でパラシュート降下訓練をおこなった。沖縄県民が米軍と政府に対し抗議と中止をもとめているのは当然のことである。
沖縄の米軍基地は、日本政府の「基地の整理・統合・縮小」のうたい文句とは逆に、海上基地建設計画の推進や北部訓練場がアジア太平洋の大隊規模にわたる全米軍部隊を対象にしたジャングル戦闘訓練センターに変わるなど、基地機能が格段に強化されつつある。また、沖縄米軍がインドネシア国軍に対して国民弾圧の訓練をおこなうなど内政干渉活動をおこなっていることも具体的に明らかになった。
こうした基地強化がすすむなかで強行された嘉手納飛行場での初のパラシュート降下訓練だけに、県民は、「嘉手納基地の機能強化につながるのではないか」、「米軍はパラシュート降下訓練を必要な場所で、いつでも実施するのではないか」と強く懸念している。
そこで、以下、質問する。
1 政府は、使用条件を無視した米軍の今回の活動に対して抗議をおこなったか。また再び嘉手納飛行場で訓練しないよう申し入れたのかどうか。
2 使用条件が「飛行場」となっている嘉手納飛行場では、パラシュート降下訓練はできないはずではないか。
いったい何を根拠に米軍は嘉手納飛行場でパラシュート降下訓練をおこなったのか。
3 米軍は今回の訓練にあたり日本政府に通告をしてきたのかどうか。
4 政府は今回の嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練を認めることにしたのか。
5 日米合同委員会合意では使用条件が「飛行場」となっているが、この使用条件にパラシュート降下訓練が含まれることはないと思うがどうか。
6 嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練は嘉手納飛行場の使用条件からいっても、またSACO合意からいっても明確な違反行為である。にもかかわらず、報道によれば米軍はこんごも嘉手納飛行場を使用してパラシュート降下訓練を実施するとの意向を示している。日本政府は、嘉手納飛行場においてパラシュート降下訓練を実施しないようきびしく対処すべきではないか。
7 政府は、嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練を再びくりかえさせないために、この問題を日米合同委員会の公式議題とすべきではないか。
二 一九九六年一二月二日の沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告は、「読谷補助飛行場パラシュート降下訓練が伊江島補助飛行場に移転され、また、楚辺通信所が移転された後に、平成一二年度末までを目途に、読谷補助飛行場を返還する」となっている。その一方で、昨年一二月には津堅島訓練海域で、さらに今回は嘉手納飛行場でパラシュート降下訓練を強行した。
1 読谷補助飛行場でおこなわれていたパラシュート降下訓練は現在、伊江島に移転され実施されているのかどうか。実施されていればその回数も明らかにされたい。
実施していないとすればその理由を説明されたい。
2 パラシュート降下訓練は、津堅島訓練海域および今回の嘉手納飛行場以外でもおこなわれているのか。
3 なぜ、伊江島での実施を合意していながら、津堅島近くあるいは嘉手納飛行場で実施されることになっているのか。今回の事件は、伊江島でも降下訓練をおこない、それ以外でもおこなうということを示しているのかどうか、SACO合意にかかわる問題であり、明確な説明を求める。
4 政府は伊江島にパラシュート降下訓練を移転する合意をおこなった。それは、伊江島補助飛行場以外ではパラシュート降下訓練はおこなわないという合意ではなかったのか。
三 沖縄には陸軍、空軍、海兵隊などの特殊部隊が駐留しているが、これらの部隊は日本防衛となんら関係のない、インドネシア国軍に国民弾圧訓練を施していることにみられるように他国の内政干渉部隊にほかならない。政府は沖縄からの撤退を申し入れるべきではないか。
右質問する。