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平成十年六月十日提出
質問第五一号

廃棄物処分場跡地等の再利用における安全確保に関する質問主意書

提出者  辻元清美




廃棄物処分場跡地等の再利用における安全確保に関する質問主意書


 近年、一般および産業廃棄物処分場(以下、処分場という)跡地の再利用が全国的に盛んになっている。
 その一方で、処分場閉鎖以前の地下水、大気あるいは土壌等への汚染に対する不安が適正なる環境の保持あるいは人々の健康への影響という観点から増している。以下、地域住民の安全を確保するために早急に必要な措置を講ずることを求めて、質問する。

一 一般および産業廃棄物処分場の閉鎖の数値統計を厚生省は把握しているか。
二 産業廃棄物の適正処理を義務づけた「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、廃棄物処理法という)の施行は一九七一年九月二四日であるが、それより以前は廃棄物処理についてはどのような規制が行われていたのか。処分場の開設がこの施行日以前か否かは、当該跡地における環境汚染の可能性につき差異をもたらすと考えるが、政府はこの点につきいかなる対処をされているのか、明らかにされたい。
三 廃棄物処理法第四条第三項によれば、国は廃棄物の適正な処理に支障が生じないよう適切な措置を講ずる責務を負うとともに、地方自治体がその責務を全うできるよう必要な措置を講ずる責務を負う。この主旨は処分場跡地の再利用の際の環境保全においても同様に活かされるべきと考えるがいかがか。
四 一例として、大阪市も一出資者であるいわゆる第三セクター「ユー・エス・ジェイ」(以下、USJという)が計画しているテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」予定地における土壌汚染が表面化しているが、環境庁はこの件を承知しているか。
五 一九七七年に大阪市立環境科学研究所と大阪市環境部が同予定地において行った合同調査(以下、七七年調査という)によれば、溶出量値〇・〇〇六ppm(ph八の溶液・ph六の溶液では〇・〇八五ppm)・含有量一二ppmの総水銀が検出されている。この数値は平成六年一一月環境庁「重金属等に係る土壌汚染調査・対策指針」(以下、指針という)における「溶出量値II(産業廃棄物の埋立基準)」ないし「含有量参考値」を超過するものであるが、環境庁はこの件を承知しているか。この数値は人体にどのような影響を与える程度のものか。
六 一九九七年に当該廃棄物の委託者であり、また大阪市と同様にUSJの一出資者である住友金属工業(株)が同地において二度にわたり行った調査(以下、九七年調査という)では、総水銀につき溶出量値は最高〇・〇〇〇六ppm・含有量値は全地点において一ppmを下回った。また、カドミウムの含有量試験においても七七年調査の一二ppmが九七年調査では最高七ppmと大きくその数値を下げている。これらの数値の差異は常識的には誤差の範囲とはいえないと考えるがいかがか。数値の低下は何を意味すると推測されるか。
七 本件では九七年調査に基づき、前記指針にいう「溶出量値II」を超過するものがないとして、「溶出量値I(環境基準値)」を上回るもの(鉛・砒素・セレン等)を含む汚染土壌約一万五千トンを大阪府泉大津市沖の管理型処分場に搬出するとしている。七七年調査を念頭に、万一の場合の環境への影響を考慮した場合、その搬入以前に再調査を行うことが、前記責務を全うすることになる、と考えるがいかがか。
八 厚生省および環境庁は前記再調査を行わないことにより、国民の健康と環境に多大な悪影響を与える事態が起きた場合、どのように責任をとる所存か。
九 来る六月一七日に施行される改正廃棄物処理法で、処分場の廃止は従前の届け出制から各自治体による確認を受ける仕組みに改正され、厚生省および環境庁はその廃止基準を設定しようとしていると聞くが、すでに廃止された処分場跡地についてはどのような措置を講ずるのか。当該跡地を再利用する際に何らかの指針を設けることが住民の健康と安全を維持する意味から重要と考えるがいかがか。

 右質問する。



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