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平成十年九月四日提出
質問第一二号

毒物混入事件等における救急医療体制に関する質問主意書

提出者  福島 豊




毒物混入事件等における救急医療体制に関する質問主意書


 和歌山市で発生した毒物混入カレー事件は、死者四名、重軽症者六十余名にのぼる惨事となり、さらに、新潟市の木材防腐加工会社では十名の職員が集団薬物中毒事件に遭遇している。この種の卑劣極まりない犯罪は、平穏な市民生活を恐怖へと一変させ、国民の間に不安感を募らせており、捜査当局には一刻も早い事件の真相解明と再発防止に一層の努力を望む所である。
 今回の一連の毒物混入事件において看過し得ないことは毒薬物分析に混乱が見られた事実である。被害者の救命措置は寸刻を競い、迅速な分析によって毒薬物について原因物質の特定が図られなければ治療方針は確定せず、命に及ぶ事態となりかねない。かかる事態を再び招来しないよう救急医療体制の整備は緊急を要すると考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 和歌山市の事件の場合、当初、食中毒が疑われ、次いで青酸化合物中毒と断定された後、砒素化合物が検出されるなど、毒物の分析には混乱が見られる。薬学的に急速に死に至らしめる代表的な毒物は、有機燐系化合物などが挙げられており、これらに対する解毒剤、及び治療法は確立されている。従って、三次医療機関である全国の救命救急センターに解毒剤等の常備を義務付け、緊急時に使用できる体制を整えておく必要があると考えるがどうか。
二 今回のように一度に多数の患者が発生した場合、中毒に関する情報と分析体制の強化が重要である。中毒に関する情報提供機関として、今回の事件でも機能を十分に発揮した日本中毒情報センターがあるが、同時多発的な事件の際には、高度救命救急センターとの連携は不可欠である。薬物中毒の治療経験を有する高度救命救急センターの医師と即時に連携がとれるネットワークを作り、日本中毒情報センターをサポートするシステムを構築すべきと考えるがどうか。
三 原因不明の中毒事件が発生した場合、如何なる毒薬物が含まれているかの分析体制の確立は急務である。欧米では、既に中毒情報・分析センターが整備されており、数時間単位で迅速な分析を行い、治療に役立てている。
  我が国においては、警察庁科学警察研究所ならびに各都道府県県警での科学捜査研究所が分析を行っているものの、医療機関との連携は義務付けられてはおらず、非常事態への対応の遅れにつながりかねない。
 1 警察の各研究所と医療機関との連携を密接にし、その分析結果を治療に迅速に反映する体制を作るべきと考えるがどうか。
 2 さらに、高度救命救急センターにおける迅速分析機能の強化を講ずるべきと考えるがどうか。

 右質問する。



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