質問本文情報
平成十年十月十六日提出質問第二六号
精神科医療の実態に関する質問主意書
提出者 山本孝史
精神科医療の実態に関する質問主意書
本年五月に国立療養所犀潟病院の精神科病棟において、身体拘束中の患者が窒息死する事件が発生した。
有識者の意見を総合すると、このような違法な医療の実態は氷山の一角であり、実際に精神病院での人権侵害事案は後を断たない。
患者の人権を守り、精神科医療の良質かつ適切な執行に資するため、以下質問する。
(一) 厚生省が今回の実態調査で隔離や身体拘束について調査する対象を一年分とした理由は何か。
(二) 一年分という今回の調査期間は妥当であると考えているか。医療法上の診療録の保存義務である五年分を調査対象とすべきではないか。見解を伺う。
(三) このたびの国立病院・療養所三十六施設の実態調査について、その結果を公表するかどうかは未定とのことだが、精神科医療の適正な執行に資するためには当然公表すべきである。見解を伺う。また、その結果を本質問主意書の答弁として明らかにせよ。
二 文部省の資料によれば、精神病床を持つ国立、公立、私立の大学医学部付属医療機関は合計で八十四施設である。
(一) それぞれの施設における、精神保健指定医の数を回答せよ。
(二) 国の医療をリードすべき国立病院・国立療養所であっても今回の犀潟病院のような事件が起こったが、大学医学部付属医療機関であっても同様な事案が起こっている蓋然性は高いと考えられる。
ついてはこれらの八十四施設において、精神保健福祉法及び厚生省令の違反事案が直近五年間(仮に調査が不可能であれば、厚生省と同様に最低一年間)になかったかどうか、以下の事項を中心に調査し、回答せよ。
@ 措置入院制度の運用実態について
A 医療保護入院実態について
B 入院患者の隔離について
C 入院患者の身体拘束について
D 入院患者等の電話、信書、面会等の制限について
三 さまざまな違反事案がこれまでも繰り返されてきたという点を踏まえ、法に基づいた適正な精神科医療を担保するためには、具体的にどのような対策が必要であると考えているか認識を伺う。
右質問する。