衆議院

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平成十年十月十六日提出
質問第二九号

「薬害エイズ問題」に関する質問主意書

提出者  枝野幸男




「薬害エイズ問題」に関する質問主意書


 前通常国会においても質問主意書を提出し、エイズ研究班のテープ・議事メモなどの新証拠の存在発覚等の経緯について質問した。その後、七月十四日には答弁書を受領し、八月十二日には厚生省としての調査報告書が提出された。
 これらを精査し、また民主党としても薬害エイズ真相究明特別本部を設置し、関係者から事情聴取を行うなど、真相究明の努力を続けているが、いまだに不明の点が多い。
 したがって、次の事項について質問する。

一 エイズ研究班の録音テープについて
 (一) 厚生省が第一回エイズ研究班のテープの仮還付を受けた理由は何か。
 (二) 一刻も早くその内容を公開すべきと考えるがどうか。検討中であれば、検討の観点と検討期限を答えよ。
 (三) 前回主意書の答弁では、このテープの押収場所は「刑事事件公判で明らかにすべき」と答えている。刑事事件で問題になっているのは、テープの内容であり、その押収場所ではない。このため、今後裁判で押収場所が明らかになることは考えにくい。ここでは、このテープが発見されなかった経緯、押収の経緯を問題としているのであり、答弁としてまったく不適切である。改めて、このテープの押収場所を厚生省、検察庁両者に問う。再度答弁を控える場合は、合理的な理由を求める。
 (四) 地検の押収の際に、血液事業対策室からは何か押収されたか。押収されたとすれば、立会人は誰か。
 (五) 押収時、血液事業対策室として使用されていた部屋は、過去どの部署によって使用されてきたのか。時系列に沿って述べよ。
二 押収品目録の公開について
 (一) 東京地検の厚生省への捜査における押収品目録の公開要求に関し、前回答弁では刑事訴訟法第四七条を根拠に答弁を拒否している。同条は「原則非公開」を定めたものではあるが、わざわざ「但し、公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない。」と規定している。多くの人々の生命が奪われた事件の真相究明、行政の調査の欠陥の検証などを行うことは、まさにこの公益上の例外事由に該当すると考える。改めて、押収品目録を公開する考えはないか。
 (二) 本件で、この但書きが活用されないとすると、この但書きはどのような状況を想定しているのか。過去の例を含め、具体的に答えよ。
 (三) 押収品目録の公開は、あくまで「目録」の公開であり、その内容の公開ではない。「目録」の公開が、裁判に影響を与えることが非公開の理由であるとするならば、どのような影響か具体的に述べよ。
三 エイズ研究班の議事要旨・議事メモに関する厚生省の調査について
  八月十二日発表の厚生省調査報告では、第三回及び第四回エイズ研究班の議事要旨・議事メモについて、その筆記者の特定は行ったが、これらがどのように郡司元生物製剤課課長の手に渡り、地検に任意提出されたのかという重要な点について、郡司氏と九六年当時の厚生省プロジェクトのメンバー双方の主張を列挙しただけで、結局「確認できない」としている。どちらかがウソをついているか、記憶が違っているとしか考えられない。こうした矛盾点を明らかにすることこそ調査の目的のはずである。本気で真相を明らかにしようとする態度に著しく欠けるものと考える。
 (一) 政府・厚生省は、どちらがウソをついている(または記憶違いをしている)と考えるか。常識的には、現職も多い九六年当時のプロジェクトのメンバーの証言を信用し、郡司氏がウソをついている(または記憶違いをしている)と、判断すべきと考えるがどうか。
 (二) そう判断しない理由は何か。
 (三) 判断できないとすれば、さらなる調査を行わないのは、なぜか。
 (四) この矛盾を「確認できない」などと述べることは、現職を含む当該プロジェクトのメンバーへの信頼性を著しく損ねることにならないか。
四 聞き取り調査について
 本調査では、調査票に関しては、その写しが公表されているが、聞き取り調査に関しては、報告書に一部引用されているのみで、その全容は不明である。
 (一) 郡司氏以外の聞き取り調査の対象者は何人で、誰か。
 (二) 聞き取り調査の実施部署はどこか。
 (三) 聞き取りの方法は、電話か。面接か。面接なら何人で行ったのか。場所はどこか。
 (四) 聞き取り調査において、記録、メモなどは作成したのか。また、テープ録音はしたのか。これらがあれば、公開すべきと考えるがどうか。
 (五) 特に、郡司氏への調査は、誰が、何回、どこで、どのような方法で行ったのか。
五 さらなる真相究明について
 (一) 厚生省は、第一回研究班以外の押収テープ、テープ以外のエイズ研究班の議事メモなどの押収品について仮還付請求を行う考えはないか。ないとすると、その理由は何か。
 (二) 第三回・第四回の議事メモなどが不可解な形で出てくる状況、第一回のテープのみ存在し第二回以降はないという不自然な状況などから考えて、さらなる資料がどこかにあるのではとの疑念は、拭いがたい。厚生省以外でも、例えば一連の民事裁判にかかわった法務省には、当時の薬害エイズに関連し、厚生省が公表した以外の資料、テープ、メモなどが存在しているというようなことはないか。法務大臣の責任で存否を答えよ。
 (三) 残存していたとすれば、それはどのようなものか。法務大臣の責任で公開すべきと考えるが、法務大臣はどう考えるか。

 右質問する。



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