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平成十一年一月二十日提出
質問第二号

「日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ35)」および陸上自衛隊朝霞駐屯地施設・区域の米軍使用に関する質問主意書

提出者  保坂展人




「日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ35)」および陸上自衛隊朝霞駐屯地施設・区域の米軍使用に関する質問主意書


 防衛庁・陸上自衛隊と東京防衛施設局は、一九九八年十一月五日、東京都と練馬区に対し、一九九九年一月二十一日から同月三十日にかけて、陸上自衛隊朝霞駐屯地等で「日米共同方面隊指揮所演習(日本)」が行われることと、朝霞駐屯地施設の一部を米軍が使用するために、日米地位協定に基づく手続きを進めることを通知した。しかし上記の件に関し、事態が詳細に東京都民、同練馬区民、埼玉県民に報告されているとは認められず、朝霞駐屯地周辺住民を中心に不安が広がりつつある。
 こうした事態を受け、一九九九年一月十二日、東京都練馬区の市民グループ「練馬での日米共同演習の中止を求める緊急アピール」運動による、防衛庁と外務省への署名簿提出及び交渉に同行した事実をふまえて、以下に質問を列挙する。

(1) 「日米共同方面指揮演習」(「ヤマサクラ35」。以下「YS35」とする)の目的は何か。
(2) 一九九九年一月十二日、すでにのべたように、練馬区民たちの防衛庁訪問に同行した際、対応した係官は「演習は『日本有事に備えるもの』」とのべたが、「日本有事」とはなにか。政府の想定する事態を列挙し説明されたい。
(3) 一九九五年十月二十九日付『朝日新聞』によれば、同年一月、陸上自衛隊北熊本駐屯地を中心に実施された「ヤマサクラ27」は、朝鮮半島から対馬、壱岐を経て侵攻してきた「茶色軍」が博多湾に上陸し、北部九州を占領したという想定の下に行われたという。記事の中で自衛隊幹部は、「茶色軍」とは、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の軍隊であったことを明らかにしている。
  今回の「YS35」は、どのような想定に基づいて実施されるのか、政府は明確に答えられたい。また、今回の仮想敵国は、どの国の軍隊であり、どのような動きに対処することを想定しているのか、詳細に説明されたい。
(4) 一九九八年十一月十九日付『朝雲』によれば、「YS35」には、陸上自衛隊側は「東部方面隊など約二千人」「米軍は約千百人」が参加するとあるが、東部方面隊のあるいは東部方面隊以外の、どの部隊が、どのような演練目的で、それぞれ何人参加するのか。
  また、米軍の参加部隊は、在日米軍あるいは在日米軍以外のどの部隊で、それぞれどのように、何人参加するのか、詳述されたい。
(5) これまでの「ヤマサクラ」演習と日米共同の実動演習のすべて、および「日米共同統合演習(キーンエッジ)」の指揮所演習と実動演習のすべてについて、実施の年月日、場所、想定された相手国と想定そのものを含む演練の内容を詳細に示されたい。
(6) 平成十年十二月十八日付『官報』二五三一号によれば、防衛施設庁長官は同年十二月十七日、朝霞駐屯地施設の一部の、合衆国軍隊への「新規提供」を決定したとあるが、それは同駐屯地の、どの施設およびどの区域か、防衛施設庁は明確にされたい。それについては、上記『官報』に言う、「土地・約千七百平方メートル」とはどの部分か、「建物・約一万四千平方メートル」とはどの建物か、また「工作物・水道等」の「工作物」および「等」に当たるものを明示されたい。
(7) (6)に触れた米軍への施設の「新規提供」の目的を、政府は明らかにされたい。冒頭にのべた外務省訪問の際、対応した係官は、「新規提供」は、「YS35」のためであるが、今後実施される日米共同演習においても、米軍が同様に使用するためである旨のべたが、これは政府の正式見解か。
  また『官報』の記述は、きわめて曖昧で、いかようにも拡張解釈できる文言であるが、米軍の使用目的、使用期間や頻度を明記しないのはなぜか。
(8) 政府は、「新規提供」に当たり、東京都、練馬区、朝霞市、和光市、新座市の関連各自治体に何時、どのように同意を取り付けたのか。政府が各自治体に申入れたのは何時で、各自治体側から回答を受けたのは何時か。また、どのように交渉を進めたか。経過と内容の詳細について明らかにされたい。
(9) 一九九八年十一月五日、東京都と同練馬区に通知された、朝霞駐屯地内施設・「約24平方メートルの部屋の提供」について、「手続きが未了である」とする外務省に対し、防衛施設庁は「すでに手続きを終えている」と説明し、矛盾している。防衛施設庁と外務省は、それぞれ「部屋の提供」の目的を明らかにされたい。
(10) (6)に触れた防衛施設庁の決定は、(9)に触れた「部屋の提供」といかなる関係を有するのか、「部屋の提供」は、上記『官報』に言う「新規提供」に含まれるのか否か、防衛施設庁と外務省は、それぞれ明らかにされたい。
(11) 東京都および練馬区からは「新規提供」について反対の声が上がっている。当該地方自治体から、「新規提供」について同意できない旨の回答があった場合、政府はどう対処するつもりか。地元の同意がなくても「新規提供」は強行するのか。「はい」「いいえ」で答えられたい。
(12) 「はい」と回答した場合、政府は、「地元自治体や住民の同意は必要ない」と考えていると見なさざるを得ない。これに相違ないか。
(13) 地元住民は朝霞駐屯地の再米軍基地化に重大な懸念を有していると聞いている。「新規提供」を突破口に、今後、朝霞駐屯地が再び恒常的な米軍基地と化すことはないのか。「はい」「いいえ」で回答されたい。
(14) 昨今の米兵による相次ぐ不祥事を受け、地元住民のあいだでは朝霞駐屯地周辺における米兵の犯罪行為が非常に危惧されているという。政府は「YS35」の共同開催者としてこうした住民の不安を解消するためにどのような方策を採ったか。詳述されたい。

 右質問する。





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