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平成十一年二月三日提出
質問第七号

税制改革に関する質問主意書

提出者  若松謙維




税制改革に関する質問主意書


 税制について現行制度にいくつかの問題点があり、早急に改善すべきものと考えるので、以下の項目について質問する。

一 相続税の評価基準書の早期公示について
 相続税評価基準は、毎年八月中旬に公表されており、実務的には相続の遺産分割を行う大事な要件となっている。ところが相続税の申告期限が十ヵ月となっており、最悪の場合には、納税までの期間が一ヵ月半しかないというケースも考えられ、申告が大変深刻な事態となっている。ついては相続税の評価基準書の早期公示をすべきと考えるが、大蔵省の見解をお伺いしたい。
二 利子税と延滞税の、適用利率の引下げについて
  公定歩合が、〇・五%、市場金利が二〜三%と超低金利の時代に、利子税が年利率七・三%、延滞利息が十四・六%と高くなっている。こういった高金利は納税者の理解が得がたく、常識を逸脱していると思うが、大蔵省の見解をお伺いしたい。
三 少額減価償却資産の損金算入限度額の取得価額引上げと、一括償却資産の必要経費算入の特例の廃止について
  昨年設けられた一括償却資産の必要経費算入の特例は、企業の購買意欲をいっそう低減させ、景気の回復を阻害している原因の一つとなっている。購買力の拡大をはかるには、少額減価償却資産の損金算入限度額の取得価額を高くすべきと考えるが、大蔵省の見解をお伺いしたい。
四 消費税の各種届出書および承認申請書の廃止について
 消費税については、事前に提出しなければならない届出書、申請書が多く、特に簡易課税の選択にあたっては、設備投資等のからみからの判断が非常に難しく、税理士が納税者とのあいだで賠償責任を負わなければならないこともある。
  したがって消費税も、納税者自身が申告することが原則であることから、消費税の各種届出書および承認申請書を極力廃止して、申請書類の有り、無しで納税額が変わる方式は廃止すべきと考えるが、大蔵省の見解をお伺いしたい。
五 相続税の納税猶予制度について
  山林、宅地については、相続税評価額が高くなってきており、緑地帯が相続税の納付のため、切り売りされ、資材置き場、ゴミの中間処理場等に変貌しつつある。また農業用宅地についても、今後、農業経営の承継を圧迫していくと考えられる。ついては相続税の納税猶予制度の範囲に環境保全緑地、農業用宅地を含むべきと考えるが、大蔵省の見解をお聞かせいただきたい。
六 贈与税の基礎控除引上げについて
  贈与税の基礎控除額は、昭和五十年度以来、二十三年間改正が行われておらず、その間課税件数は五倍以上に増加しているにもかかわらず、従来の補完的な考え方を継続し、善良な市民の善意を阻害している。またその後の給与水準の上昇や物価の上昇、土地の評価額の引上げ、相続税の遺産に係わる基礎控除額の引上げ等を勘案すれば、贈与税の基礎控除額を百二十万円程度に引き上げるべきと考えるが、大蔵省の見解をお伺いしたい。

 右質問する。





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