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平成十一年二月十九日提出
質問第一〇号

行刑施設被収容者の領置物の総量規制に関する質問主意書

提出者  北村哲男




行刑施設被収容者の領置物の総量規制に関する質問主意書


 行刑施設の被収容者の領置物について、従来、その総量を規制する措置は採られてこなかったところ、「被収容者の領置物の管理に関する規則」(平成九年法務省令第三八号)が平成九年一〇月一日から施行され、各行刑施設において「被収容者一人当たりの領置物の総量」を定めこれを超える差し入れ、購入を禁止することを内容とする「被収容者の領置物の総量規制」が実施された。この総量規制に対しては、規制方法が余りにも一律で容量も少なすぎるとの被収容者の不満が強く、被収容者が集団で日本弁護士連合会人権擁護委員会宛に人権救済を申し立てたり、特に刑事被告人の訴訟関係書類の所持規制をめぐり行政訴訟が提起されたりしていることが報道されている。
 右のような現況を踏まえ、また、国際人権(自由権)規約委員会に対する日本政府の第四回定期報告書について昨年一一月五日に同委員会が採択したばかりの最終見解においても、わが国の刑務所制度に関し「受刑者の基本的な権利を制限する苛酷な所内規則」に対する懸念が表明されるなど、国際的にもわが国の行刑施設における被収容者の待遇について問題視されている状況に鑑み、次の事項について質問する。

一 「被収容者の領置物の管理に関する規則」(平成九年法務省令第三八号、以下「規則」と略す。)の運用に関して、平成九年五月三〇日付法務省矯正局長通達「被収容者の領置物の管理に関する規則の運用について」(以下「通達」と略す。)及び同日付法務省矯正局総務課長通知「被収容者の領置物の総量規制に関する運用上の参考事項について」(以下「通知」と略す。)が発出されているが、それ以外に「規則」に関して現在までに発出された運用内規があれば、表題及び内容を明らかにされたい。
二 全国の行刑施設(刑務所、拘置所、少年刑務所の各本所のほか、県庁所在地の拘置支所、および八王子拘置支所を含む。以下同じ。)について、以下の諸点について明らかにされたい。なお、被収容者の法的地位、性別等によって差異がある場合は各別に明らかにされたい。
 1 「通知」において、各施設で定めるべきものとされている「衣類の総量を保管するための容量」「衣類臥具以外の物の保管量」「被収容者一人当たりの領置物の総量」の各数量
 2 右の各数量を定めるに当たって計数上の根拠として使用した「領置倉庫において保管することができる容量」「収容定員」の各数量(単位は各施設で実際に計算上使用した単位でよい。以下同じ。)
 3 各施設の本質問主意書提出時点での実収容人員及び昨年の平均収容人員
 4 各施設で本質問主意書提出時点で実際に領置している領置物の総量
 5 「規則」施行の時点で「被収容者一人当たりの領置物の総量」を超過していた被収容者の人数及び超過容量の合計
三 「規則」施行以後に、「規則」第五条乃至第八条によって物品の購入または差入れを不許可とされた事例が、現在までにあるか。あれば、その各ケースにつき、施設名、年月日、対象物、差入れ・購入の別、処分の根拠となった数量超過の細目、当該被収容者の収容期間を明らかにされたい。

 1 「監獄法改正の骨子となる要綱案説明書」で法務省は、「刑事施設の管理運営上不適当と認める場合」でも単にそれだけでは現行監獄法上、領置を拒めないという趣旨を述べているが(「現在の実務上、被収容者の領置物が多量に上るため、刑事施設の事務処理上著しい支障を来す場合が少なくなく、管理運営上重要な問題の一つとなっている。・・・このような場合、現行(監獄)法五一条二項の規定の趣旨が、物の性質上保存の価値なく、又は保存に不適当と認める場合に限られており、刑事施設の管理運営上不適当と認める場合は、この規定では対処することができないと解されるところから、結局、これを放置せざるを得ない実状にある。」)、現行監獄法に対するこのような解釈を改めたのか。改めたとすればその理由、特に同説明書にいわゆる「監獄法五一条二項の趣旨」との関係を明らかにされたい。
 2 刑事施設法案では領置物の量的規制につき要件を相当厳格かつ具体的に絞っているが(「第一項の規定により物品を領置すべき場合において、その被収容者の物品が著しく多量であるため刑事施設における被収容者の物品の適正な管理に支障を生ずるおそれあるときは、刑事施設の長は、同項の規定にかかわらず、その全部又は一部を領置しないことができる。」)、「規則」でこのような絞りを全くはずした理由、それが法律上憲法上許容されると考える根拠を明らかにされたい。
 3 「規則」では、各被収容者の個別的事情(在監期間の長短、家族関係・宅下げの状況等)が一切考慮されず、「被収容者一人当たりの領置物の総量」が一律に定められることになっているが、このような個別的事情を考慮できない理由は何か。
 4 領置倉庫の容量を収容定員で単純に割るというような非現実的な規制方法では、実際、領置倉庫の施設空間の無駄使いにならないか。刑事施設法案が想定しているように、領置倉庫が具体的に逼迫状況にある場合に領置物が特に著しく多量な被収容者の領置物を規制の対象にするというような、より現実的で権利制限的でない規制方法は、何故に採れないのか。採れない理由を明らかにされたい。

 1 刑事被告人の被告事件に関する訴訟関係書類も「規則」による領置物の総量規制の対象に含まれるのか。含まれるとすれば、刑事被告人の防御権の保障との関係をどのように考えているか。
 2 被収容者が房内で現に所持する衣類、書籍、日用品等も「規則」による総量規制の対象に含まれるのか。同じく房内で現に所持する訴訟関係書類も対象に含まれるのか。含まれるとすれば、その法的根拠(房内で所持する物品と領置物との関係)を明らかにされたい。

 右質問する。





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