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平成十一年三月九日提出
質問第一六号

石炭政策及び産炭地域振興対策に関する質問主意書

提出者  東 順治




石炭政策及び産炭地域振興対策に関する質問主意書


 石炭政策及び産炭地域振興対策に関して国、地方自治体が一体となり関係専門家を交え、種々審議がなされてきている。石炭関係諸法も平成三年度に延長されてから法期限がくる平成十三年度まで、あと三年余りとなる。
 日本の基幹産業の一つであった石炭産業が衰退していく中で、将来に向けていかにこの石炭政策及び産炭地域振興対策を推し進めていくかが、この関係地域にとっての重要課題である。
 そのような観点よりこの関係地域が健全なる地域社会へと発展していくためには、その対策が緊急を要すると考える。従って、次の事項について質問する。

一 石炭鉱業対策のために石炭鉱業構造調整対策、鉱害対策、炭坑離職者雇用対策等の各種対策が審議会等を通し議論され、具体的に検討されてきているが、平成十三年度の石炭関係諸法の期限を踏まえそれらの個々の対策の平成十三年度までの目標はどうなのか、またそれに対する現在までのその達成度はどうなっているのか。
二 日本の厳しい経済状況のもと、例外なく石炭会社も合理化を実施してきているが、それにもかかわらず赤字基調が続いている。石炭政策及び石炭地域振興対策について審議会で学識経験者を交え種々審議され、石炭構造調整対策等で経営、生産、保安に対する支援を行ってきているが、産業構造改革を視点に入れての新分野開拓に対する融資制度を含めた、具体的な協力の実施状況はどうなのか。
三 累積鉱害の解消を公示(終了宣言)された地域でも浅所陥没等の鉱害がいつ発生するかわからない。一方、終了宣言がされていない産炭地域(福岡県)では、累積鉱害が継続して発生しているが、現在まで農地、家屋、公共施設等に対する鉱害がどのように推移してきており、それに対しどのような対策がとられてきたのか。累積鉱害の解消公示が鉱害の終了宣言を意味することと思うが、どのような基準をもって、累積鉱害が解消したことになるのか、またその目途をいつ頃と捉えているのか。(平成十三年度までに間に合うのか。)
四 累積鉱害の解消が公示されてきた地域(岩手県、山形県、熊本県、長崎県、佐賀県等の十一県)では国として指定法人に浅所陥没等に対する処理を行わせることになっているが順調にその処理は進められているのか、実際どのような所にどのような処理がなされてきたのか。
五 日本の厳しい経済状況にあって、失業問題は働く者にとって、死活問題と言っても過言ではない。先行きの見通しがきかない日本経済にとって完全失業率は予想を絶する数字となっており、国民一人一人の生活を脅かす結果を招いている。こうした状況下だけに、産炭地域の離職者にとっては、問題はより一層と深刻なものがあり、明日の生活をどうしたらよいかとの窮地に立たされている。炭鉱労働者雇用対策予算が年々大幅に減少(平成八年度百六十二億円、平成九年度百四十三億円、平成十年度百三十二億円、平成十一年度百六億円)している。雇用対策を必要とする対象人数の減少に伴っての予算の推移であることは理解できるものの、国はこのような時だからこそ、不況下における再就職という二重の苦しみにあえぐ炭鉱離職者に対する特別な予算措置を講ずるべきでないか、このような点をどのように考慮するのか。
六 産炭地域における石炭勘定予算が年々減少してきているが、平成四年度から平成十年度までに合計約七・四千億円が予算計上された。その勘定費目の中には石炭鉱業構造調整対策費、鉱害対策費等があるが、その一つに産炭地域振興対策費があり、年間約百 ― 百四十億円の予算が使われている。産炭地域の活性化を踏まえ、この産炭地域振興対策予算における経済効果は、どのような状況なのか、また将来どのように見通しているのか。
七 産炭地域の住民にとって、その地域が健全なる地域社会として発展していくためには、より安全で、安心して暮らすことが出来る社会環境が必要となる。基盤整備、社会福祉等の充実が必要欠かせざるものであることは言うまでもなく、産炭地域における基盤整備の改善、社会福祉の充実を目指して、国は地方自治体に対して具体的にどのような協力をしてきているのか。
八 二十一世紀に向けて中央省庁の再編成を踏まえ、中央から地方へと地方分権を進めていく中で、地方としての役割は今以上に重要となることは間違いない。地方から国を変えていこう、地方から国民の生活を変えていこうとする動きが尚一層活発化していくことになる。そのような趨勢の中にあって、地域的に特殊性がある産炭地域については将来どのような位置付けを考えているのか、地方自治体まかせとなるのか、それとも特殊性をもった地域として国が特別なる地域として捉えていくのか。
九 福岡県大牟田市に一九八九年九月に設立された第三セクターのテーマパークである[ネイブルランド]が財政悪化で約六十億円の負債を抱えて昨年十二月閉園となった。三池炭坑閉山に伴う新たな地域振興事業として期待を寄せられていたが、実質開園してから三年余りで、閉園に追い込まれた。国、県、市、企業が出資しての産炭地振興事業だっただけに残念でならない。
  閉園にいたるまでの経緯とその理由について国としてどのように捉えているのか、また今後の対応・措置についてどのように考えているのか。
十 北海道芦別市でも旧産炭地への整備基金を得て、一九九〇年にテーマパークである[カナディアンワールド]が開園したが、立地条件の悪さや呼び物がないとのことで、負債を五十億円抱え、一昨年十月に営業が休止になっている。このテーマパークが抱えてきた負債はその後どのように処理されていったのか、その債務を住民が負担するようなことがあったのか。
十一 人類が平和で安心して生活できる社会を構築していくには環境問題が非常に重要である。アジア・太平洋地域で石炭の需要が拡大していく一方、地球環境を充分配慮した石炭利用が必要であり、産炭地域についても新石炭政策を推し進めていくためには、この問題を軽視して真の石炭産業の発展はありえない。そのような観点より、国、地方自治体が推進している地球環境問題を踏まえ、クリーン・コール・テクノロジーの開発はどの程度進んでいるのか。そしてその開発は具体的に石炭地域の活性化、振興等にどのように役立つのか。
十二 日本としてODA関係で火力発電所建設等の石炭関係プロジェクトを多くの国で実施(平成八年度一〇五七億円、平成九年度二一二三億円の円借款)し、その技術移転、現地技術者の受け入れ等も活発になされてきていると思うが、産炭地域の石炭産業に関するノウハウを伝えるために、日本と被援助国との間で、更にどのような協力が可能か。
十三 ODAの一環として、アジア・太平洋地域において、石炭開発、石炭産業等を研究するためのセンターの設置等を技術交流を含めて近隣諸国に働きかけたことがあるか、あればその実現はアジア・太平洋地域の石炭産業の発展のために役立っているのか、もしなければその必要性についてどのように思うか。

 右質問する。





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