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平成十一年四月二日提出
質問第二二号

革マル派非公然アジト捜査結果の内容公開に関する質問主意書

提出者  青山 丘




革マル派非公然アジト捜査結果の内容公開に関する質問主意書


 警察庁が平成十一年に発行した『焦点』(通巻二五八号)によると、平成十年一月七日、警察は東京都練馬区に構える革マル派「豊玉アジト」を捜査し、その結果、次なる事件として報告している。
 一 「神戸事件の検事調書を保管していた兵庫県立光風病院に侵入して検事調書等を盗んだ事件」
 一 「神戸事件の被疑少年の両親宅に侵入した事件」
 一 「神戸大学医学部に侵入した事件」
 一 「神戸事件の被疑少年が入院している関東医療少年院に侵入した事件」
 一 「早稲田大学法学部教授宅の電話を盗聴した事件」
 一 「国労本部書記長宅に侵入した事件」
等の関係証拠物を押収したと報告している。その他、「偽造した広島県警の警察手帳」「約四〇〇本の印鑑類」「一四、〇〇〇本に上る鍵」等が押収品として公開されている。これらの証拠品により、革マル派が組織的に他人の居宅等に侵入し、物を盗んだり盗聴器をしかける等の行為を働いていたことが明らかとなった。
 また、警察は平成十年四月九日、千葉県浦安市内の革マル派「浦安アジト」を捜査。その結果「警察無線を傍受するための無線機十二台」「暗号解読機十一台」「録音機二十台」「録音カセットテープ約五、〇〇〇本」等多数の資料が証拠品として押収され、このアジトが情報収集拠点であったことが証明された。
 さらに平成十年十一月五日、警察は神奈川県厚木市内の革マル派「厚木アジト」(アベ製作所)を捜査し、「鉄棒入りの竹刀多数」「鉄パイプ多数」「まきびし、ヘルメット、ヌンチャク、ナタ、サバイバルナイフ」等の合計一、八〇〇点の証拠品を押収。このアジトが内ゲバ事件等に使用される凶器を製造していた工場であったことが判明した。
 一方、公安調査庁は同庁の発行した「内外情勢の回顧と展望」(平成十一年一月)において、革マル派による一連の反社会的行為を指摘すると同時に、その主導的な組織拡大を学生運動や労働運動を介して行っていることを記述している。特に注目に値するのは、今回の「回顧と展望」の特徴として、「労働運動の分野では、最大の牙城といわれるJR東労組において、今夏(昨年)開催の同労組中央本部・地本定期大会で、同派系労働者多数が組合執行部役員に就任するなど、同労組への浸透が一段と進んでいることを印象づけた」と報告している点である。
 さらに、第百四十三臨時国会における「旧国鉄長期債務処理策法案」の審議の過程でJR本州三社株式第二次売却に関連して、政府答弁として「できるだけ早い時期に売却したい」とする見解が述べられていたにもかかわらず、平成十一年一月十三日及び十九日の『日本経済新聞』の報道記事によると、「JR東日本会社株式年度内(平成十年度)第二次売却先送り」とする記事が掲載され、その理由として二点が挙げられている。一つは「軟調な株式相場に配慮」したことと、今一つは「自民党内に旧国鉄以上に複雑な労使関係を解決しない限り、完全民営化には反対との声が高まっている」ことである、と記事は述べている。
 以上の内容を踏まえ、質問する。

一 平成十年一月七日に捜査された「豊玉アジト」からは、公表された証拠品以外にJR関係の書類等が段ボール箱四十箱、約八、〇〇〇点にわたって押収されているやに報道(朝日新聞平成十年十月十三日)されている。その点について捜査内容は公表されていないが、その後の捜査の進捗状況と結果について明らかにされたい。
二 今回の公安調査庁の「内外情勢の回顧と展望」報告書によれば、JR東労組は革マル派の牙城とされている。この点は確信するに足る根拠があると思うが如何か。
三 また、それが事実だとすればゆゆしきことであり、公共サービスがハイジャックされたようなものである。監督官庁及びJR東日本としてどう受け止め、どう対処するのか明らかにされたい。
四 国鉄民営・分割は経営問題と共に労使関係の荒廃を立て直すことも大きな目的として完遂されたものである。しかし、十二年を経過した今日「国鉄時代以上に複雑な労使関係」になっているとすれば、きわめて深刻な問題であると考える。監督官庁及びJR東日本会社の同社労働問題についての見解及び考え方を示されたい。
五 JR東日本以外の本州二社の株式放出を先行すべきだと考えるが如何か。

 右質問する。





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