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平成十一年四月二十八日提出
質問第二八号

警視庁「架空領収書・裏ガネ作り」疑惑に関する質問主意書

提出者  枝野幸男




警視庁「架空領収書・裏ガネ作り」疑惑に関する質問主意書


 「週刊フライデー」四月二三日号(以下二三日号)、三〇日号、及び五月七・一四日号において、「警視庁内部において、捜査員の手によって領収書が偽造され、裏ガネ作りが行われている」旨の記事及び証拠とされる領収書、帳簿などの写真が掲載された。犯罪を取り締まるべき警察内部でこのような不正な経理がなされているとしたら、国民の警察行政への信頼、国費の浪費といった観点から重大な問題であるのみならず、犯罪行為そのものに該当する可能性もある。
 この報道が何かの誤りであることを願いつつ、警察庁に対し事情を聴取したが、まったく納得のいかない説明に終始し、疑惑はなんら解消されていない。警察庁、さらに内閣は、この疑惑に関し、国民に対し明快な説明を行うべきであると考える。
 よって、以下の事項について質問する。

一 「二三日号八頁掲載の平成八年度の国費捜査費・現金出納簿の一部とされる書類の写真は、警視庁内保管の該当書類の写真か。」との私の事務所からの問い合わせ(以下質問)に対し、警察庁長官官房会計課監査室長(以下監査室長)は、「当該書類と写真を照合したところ、同一のものではない。」旨回答しているが、内閣の見解はどうか。
二 「同一のものでないならば、確認のために帳簿を見たい。」との当事務所の要請を監査室長は拒否したが、その理由は何か。
三 報道によれば、野田国家公安委員長は、「(こうしたことは)あってはならないし、あるはずがないと思う。警視庁の調査を待ってコメントしたい」旨、記者の質問に答えたようだが、事実か。
四 警視庁の調査結果は出たのか。出たとしたら、どのような内容か。野田委員長は、コメントを出したのか。出したとすれば、どのようなコメントか。調査結果が出ていないとしたら、いつまでに出るのか。
五 質問二の帳簿について「国家公安委員長なら、見ることができるのか。」との質問に、「命令があれば、当然お見せすることになる。」旨監査室長は答えている。内部に不正があるとの疑惑を持たれている以上内部調査には一定の限界があると考える。国民やその代表である国会議員に帳簿を見せないとすれば、次善の策として国会議員でもある野田国家公安委員長本人が、帳簿の原本とフライデー掲載の写真を照合すべきと考える。野田委員長にそのお考えはあるか。照合をしたとすると、その結果はどうであったか。本人が照合しないとすれば、できないのか、したくないのか。また、できない、若しくはしない理由は何か。
六 「同一のものでないとすれば、部分的に数字等もしくはその配列が写真と異なっているからなのか、全体が異なりまったく別なものであるからなのか。」と具体的に質問したところ、監査室長は、「部分的に異なるか、全体が異なるかは回答できない。どこがどう違うかも言えない。」旨、回答し、さらにその理由として、捜査活動の守秘義務、公務員の職務上知り得た秘密を守る義務などを挙げた。内閣として、監査室長の回答及びその理由を合理的と考えるか。合理的と考えるとすれば、その法律的な根拠は何か。また、具体的な捜査員名などを聞いた訳ではないので、捜査上の支障など生じるはずがないと考えるが、捜査上の支障なら抽象的にではなく、この質問に答えると具体的にどのような支障が生じるのかを説明せよ。
七 平成八年九月の、警視庁のけん銃事件捜査費の支出総額はいくらか。その内、九月十日、十一日、十三日、十六日、二十六日には、それぞれいくらの支出が、何件ずつ発生しているか。
八 「二三日号九頁掲載のような領収書は存在しない。」旨、監査室長は回答しているが、内閣の見解も同様か。この領収書を、左右に切り取ったものも存在しないか。金額、日付、住所の区名を参考に確認した上で、答えよ。
九 平成九年三月の、警視庁のけん銃事件捜査費の支出総額はいくらか。その内、三月三日中野区で三万円、六日に目黒区で一万円、十一日に練馬区で三万円、十八日に杉並区及び江戸川区でそれぞれ三万円、二十八日に港区で二万円の支出はそれぞれ発生しているか。
十 これらの支出が発生しているとすると、それぞれ領収書は存在するか。
十一 領収書が存在するとすれば、これらが二三日号九頁掲載のものを切り取ったものと同一もしくは類似のものではないか。また、この領収書のどちらかの端に紙を切り取ったような跡は残っていないか。これについても、我々に確認させるか、もしくは国家公安委員長本人が確認すべきと考えるが、委員長はどう考えるか。確認したとすれば、その結果はどうであったか。本人が照合しないとすれば、できないのか、したくないのか。また、できない、若しくはしない理由は何か。
十二 「二三日号十頁掲載の、平成九年三月分捜査費証拠書類の帳簿及び平成八年度現金出納簿は、現物と様式は一致し、現物と類似しているが、写真でもあり、現物を撮影したものかどうか確認できない」旨、監査室長は回答している。四月九日付日本経済新聞(以下日経記事)によれば、竹花警視庁生活安全部長は、「写真の出納簿、捜査費証拠書類は原本を撮影したものとみられる。」旨発言したとあるが、この報道は事実か。監査室長の回答との相違の理由は何か。内閣の見解はどうか。
十三 平成九年三月分銃器対策課の国費の捜査費証拠書類ファイル表紙には、枚数を書く表記はあるか。あるとすれば、何枚か。
十四 日経記事によると、竹花生活安全部長は、「謝礼が裏金として使われたということはありえないが、情報提供者が名前を出すことを拒んだため、捜査員が他人名義の領収書を作成することはあり得る」旨、述べたとされるが、こうした内容の発言を行ったのは事実か。こうしたことが、「あってはならない」と考えるのは当然だが、具体的に疑惑が提示されているのに、「ありえない」と判断した根拠は何か。
十五 「情報提供者が名前を出すことを拒んだ際、他人名義の領収書を発行することがあり得る」というが、こうした会計処理が行われることはあるのか。あるとすれば、こうした会計処理に法律上の問題はないか。
十六 捜査費には機動性の確保という観点から、例えば張り込みや追跡の際の交通費、飲食費など領収書がなくとも、支出を行うことがあるか。あるとするなら、情報提供者が名前を出すことを拒んだ際に、同様の特別の処理を行わず、わざわざ実在の他人名義の領収書を使用するのはなぜか。
十七 そもそもこうした捜査費とは、警視庁の場合、どれくらいの金額か。国費分、東京都負担分をそれぞれ、また各課ごとの金額、そのうち情報提供の謝礼は、どれくらいの金額か、最新の予算と決算の両方を答えよ。また、警視庁への国費補助の総額はいくらか。

 右質問する。





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