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答弁本文情報

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平成十一年五月二十一日受領
答弁第二八号

  内閣衆質一四五第二八号
    平成十一年五月二十一日
内閣総理大臣 小渕恵三

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員枝野幸男君提出警視庁「架空領収書・裏ガネ作り」疑惑に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員枝野幸男君提出警視庁「架空領収書・裏ガネ作り」疑惑に関する質問に対する答弁書



一について

 警察庁長官官房会計課監査室長は、御指摘の写真を含む雑誌「フライデー」四月二十三日号及び四月三十日号に掲載された「現金出納簿」及び「捜査費証拠書類」とされるものの写真(以下「現金出納簿等とされるものの写真」という。)の全体について、その映像は、警視庁が保管している真正な書類に類似しているが、あくまで写真の映像であり、真正な書類の映像であるか否かは確認できない旨及び当該映像には、真正な書類と内容が一致しない部分が存在する旨を説明したものと承知している。

二について

 捜査費の支出の状況を記録している帳簿等を開示することは、捜査活動の具体的内容を明らかにすることにつながり、捜査活動に支障を来すおそれがあると判断したためと承知している。

三について

事実である。

四について

 警視庁の調査の結果は、平成十一年四月二十七日、警察庁に報告されており、その内容は、次のとおりであると承知している。
 @ 「フライデー」四月二十三日号及び四月三十日号に掲載された領収書とされるものの写真(以下「領収書とされるものの写真」という。)の被写体であると推認される領収書様のものは存在しない。
 A 現金出納簿等とされるものの写真の映像は、警視庁が保管している真正な書類に類似しているが、あくまで写真の映像であり、真正な書類の映像であるか否かは確認できない。
 B 現金出納簿等とされるものの写真の映像には、真正な書類と内容が一致しない部分が存在する。
 C 「フライデー」等に掲載された記事の内容について捜査員等にただしたが、捜査費は適正に執行されており、当該記事にあるような不正は認められなかった。
 国家公安委員会委員長は、同年五月十一日、右の調査結果について、捜査費は適正に執行されており、「フライデー」等の記事にあるような不正は認められなかったとの報告を受けた旨及び捜査費は適正に執行されているとの心証を得ている旨をコメントしているところである。

五について

 国家公安委員会委員長としては、四についてで述べた調査結果の報告を受け、捜査費は適正に執行されているとの心証を得ていることから、改めて照合等の調査をする必要はないと考えている。

六について

 捜査に関する秘密については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百条及び地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三十四条のほか、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第百九十六条及び犯罪捜査規範(昭和三十二年国家公安委員会規則第二号)第九条にその保持に関する規定が置かれている。
 現金出納簿等とされるものの写真の映像には、捜査員や捜査に協力した者の氏名を推認させる箇所が存在し、これらについてその真偽を明らかにすることは、捜査員や捜査に協力した者の氏名を明らかにすることにつながり、捜査活動に支障を来すおそれがあるので、当該箇所の真偽を明らかにしないことには合理的な理由があると考える。

七について

 けん銃事件捜査費の月別の支出額については、これを明らかにすれば、けん銃事件捜査の重点時期が推認されることとなり、今後の捜査に支障が生じるおそれがあるので、答弁を差し控えたい。
 また、特定の日における捜査費の支出額については、捜査の具体的内容にかかわる事柄であるので、答弁を差し控えたい。

八について

 領収書とされるものの写真の被写体であると推認される領収書様のものは、存在しないと承知している。

九から十一までについて

 けん銃事件捜査費の月別の支出額については、これを明らかにすれば、けん銃事件捜査の重点時期が推認されることとなり、今後の捜査に支障が生じるおそれがあるので、答弁を差し控えたい。
 また、特定の日における捜査費の支出額については、捜査の具体的内容にかかわる事柄であるので、答弁を差し控えたい。
 なお、一般論として、捜査費を支払う場合には、原則として支払の相手方から領収書を徴することとしているが、相手方等の事情によりこれを徴することができないこともあると承知している。

十二について

 御指摘の警視庁生活安全部長の発言は、警視庁において真正な書類との照合を行う前の時点における取材の際に、現金出納簿等とされるものの写真に対する印象を述べたにとどまるものであって、当該写真の映像が真正な書類の映像であるとの趣旨を述べたものではないとのことであり、警察庁長官官房会計課監査室長の説明と矛盾するものではないと承知している。

十三について

 御指摘のファイルの表紙には枚数の記載があるが、このような記載の内容を月別に明らかにすれば、けん銃事件捜査の重点時期が推認されることとなり、今後の捜査に支障を生じるおそれがあるので、答弁を差し控えたい。

十四について

 警視庁生活安全部長が、「情報提供者が名前を出すことを拒んだため、捜査員が他人名義の領収書を作成することはあり得る」旨発言した事実はないが、情報提供者が他人名義の領収書を作成することはあり得る旨発言した事実はあり、これが御指摘のような報道となったものと承知している。
 同部長においては、警視庁においては平素から捜査費の適正な執行に努めているところであり、また、警視庁及び警察庁が定期的に行う監査においても問題は指摘されていないことから、御指摘のような判断をしたものと承知している。

十五及び十六について

 領収書は捜査に協力した者本人が作成するものであり、捜査員が領収書を作成することはないと承知している。
 また、捜査費を支払う場合には、原則として支払の相手方から領収書を徴することとしているが、相手方等の事情によりこれを徴することができない場合もあると承知している。
 捜査に協力した者が本人名義を使用して領収書を作成することを拒否した場合には、その事情に応じ、捜査に協力した者が他人名義を使用して作成した領収書を徴するか、領収書を徴しないかのいずれか適当と認められる措置をとることとしていると承知しており、捜査に協力した者の安全を確保するための特別な必要がある場合には、そのような方法によることもやむを得ないものと考える。

十七について

 都道府県警察別の捜査費の額を明らかにすれば、各都道府県警察における捜査活動の活発さが推認されることとなり、犯罪を企図する者によってこの情報が利用され、捜査活動に支障が生じるおそれがあるので、答弁を差し控えたい。
 なお、警察庁所管の捜査費の平成十一年度予算額の総額は八十四億三千十六万六千円であり、平成九年度決算額の総額は八十三億八千六百九十七万八千円である。
 また、警視庁に対する警察庁所管の国庫補助金の平成九年度交付額の総額は九十億一千五百七十五万七千円である。





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