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平成十一年十二月一日提出
質問第一〇号

建設省直轄の利賀ダムに関する質問主意書

提出者  佐藤謙一郎




建設省直轄の利賀ダムに関する質問主意書


 現在、建設省は、庄川水系の直轄ダムとして富山県において利賀ダムの建設を進めている。利賀ダムの建設は昭和六二年の「庄川水系工事実施計画」の計画に基づいて行われている。六二年の改定により、昭和四一年の「庄川水系工事実施計画」に比べ、基本高水流量が一四四%増の毎秒六五〇〇立方メートルになり、ダム群による調節流量が七〇〇立方メートルとなった。そのことが、利賀ダムの建設理由となっている。
 建設省では、平成一〇年八月二七日に平成十一年度の予算概算要求と併せて「ダム事業総点検」の結果を発表した。必要性の根拠が不明確な利賀ダムは休止または中止の措置がとられると予想されたが、それらの措置はとられなかった。利賀ダムについては、富山県の市民グループや県議会議員などから建設に対して疑問の声が上がっている。そうした声に答えるために、十分な情報提供が必要である。その一環として、以下の質問に対する回答を求める。

1 富山県内河川で庄川水系だけが基本高水流量として一五〇年に一度の降雨に対応する洪水流量となっているが、それは何故か、根拠を示し、また各水系の洪水の確率年を定める基本的考え方を明らかにされたい。
2 昭和六二年に策定した「庄川水系工事実施基本計画」の中では、雄神基準地点の基本高水のピーク流量毎秒六五〇〇立方メートルのうち、ダムによる調節流量を七〇〇立方メートルとし、二〇〇立方メートルを利賀ダム以外のダムで対応することになっている。具体的にどのダムがどの程度の調節を行うようになっているのかを明らかにされたい。
3 昭和四一年の「庄川水系工事実施基本計画」が策定されて以降、雄神基準地点上流では、利賀川で昭和四九年に利賀川ダム、庄川で平成五年に境川ダムが完成している。ともに洪水調節を目的の一つとしたダムであり、洪水調節のピークカットはそれぞれ毎秒一三〇立方メートル、四三〇立方メートルとなっている。利賀川ダム、境川ダム等の既設ダム群が最大限の洪水ピークカットを行った場合、雄神基準点での洪水調整水量はどの程度と試算しているか、各ダムの雄神基準地点での効果を明らかにされたい。
4 「ダム事業総点検」の中で、過去の水害の実績として昭和九年以外は庄川支流和田川下流の大門地点での被害を指摘している。利賀ダムの洪水調節が和田川の洪水被害の軽減にどのように寄与するのかを明らかにされたい。
5 庄川支流和田川において、庄川合流点での基本高水流量は毎秒二一〇立方メートルであり、ダムによるピークカットは一一〇立方メートルとなっている。現在、和田川には昭和四二年に完成した和田川ダム(ピークカット量毎秒六五立方メートル)がある。庄川合流点における和田川ダムとその他のダム群の各々のピークカット量を明らかにされたい。また、和田川の洪水の計画規模は五〇年に一度である。和田川が庄川本流と同じ計画規模、すなわち、一五〇年に一度の計画規模になっていない理由を明らかにされたい。
6 庄川は建設省の平成十年度全国清流ランキングで前年の二四位から八八位に順位を下げ、年々清流度が下がっている。利賀ダム等の新たなダム建設によって水質の悪化が予想されるが、そのことに対する見解と対策を明らかにされたい。
7 建設省は、今まで、ダム事業総点検等により、どのような考え方や基準でダム事業の見直しを行ってきたのか。その考え方、基準を具体的に明らかにされたい。
8 『直轄の利賀ダム(富山県庄川水系)に関する資料及びデータ』の資料請求に対する回答において一〇〇年間の流入土砂を貯水池に堆積するため堆砂対策費は必要ない」とあるが、実際の堆砂速度が計画堆砂速度を大きく上回るダムが多く、利賀ダムにおいても一〇〇年よりもっと短い期間で、ダムの機能に支障を生じることが予想される。また、仮に計画どおりであったとしても、一〇〇年を過ぎれば、ダムの機能に支障が生じる。しかし、同ダムの治水目的は、一五〇年に一度の出水の際のピーク流量に備えることになっている。一五〇年に一度の出水は確率的にはいつ来るか分からないにせよ、実際には数十年、計画上でも一〇〇年を過ぎれば、機能に支障が生じるダムで一五〇年に一度の出水に備えるというのは論理的に無理がある。これについての考え方の整合性を明らかにされたい。また、計画堆砂量を一〇〇年間分しか考えない理由も明らかにされたい。
9 利賀ダム建設のための工事用道路の総事業費は約三三〇億円を予定している。これはダム建設がなければ必要ない道路であるにもかかわらず、「ダム事業の総点検」の代替案の検討の中では現計画の事業費に加わっていない。その理由を明らかにされたい。

 右質問する。



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