衆議院

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平成十二年二月十五日受領
答弁第一〇号

  内閣衆質一四六第一〇号
    平成十二年二月十五日
内閣総理大臣 小渕恵三

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員佐藤謙一郎君提出建設省直轄の利賀ダムに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員佐藤謙一郎君提出建設省直轄の利賀ダムに関する質問に対する答弁書



1について

 洪水防御に関する計画の規模については、一般に、河川の大きさ、当該河川における洪水により被害を受けると想定される地域の社会的及び経済的重要性、当該洪水で想定される被害の状況、当該河川の既往洪水による被害の実態等を総合的に考慮して定めているものであり、一級河川庄川水系庄川(以下「庄川」という。)についてもこのような考え方により、河川法の一部を改正する法律(平成九年法律第六十九号)による改正前の河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第十六条第一項に規定する工事実施基本計画(以下「工事実施基本計画」という。)における基準地点雄神(以下「基準地点雄神」という。)の基本高水のピーク流量を百五十分の一の年超過確率を用いて定めているところである。
 なお、庄川以外の富山県内の河川では、一級河川常願寺川水系常願寺川及び一級河川神通川水系神通川についても、それぞれの工事実施基本計画における基準地点である瓶岩及び神通大橋の基本高水のピーク流量を百五十分の一の年超過確率を用いて定めているところである。

2について

 利賀ダムは、御指摘の「昭和六十二年に策定した「庄川水系工事実施基本計画」」には位置付けられておらず、平成六年六月に改定された庄川水系工事実施基本計画(以下「庄川水系工事実施基本計画」という。)において、ダムによる調節流量の一部を担うダムとして位置付けられたものである。
 また、庄川水系工事実施基本計画では、利賀ダム以外のダムは具体的に位置付けられておらず、今後着手するダムについては、調査検討の上、計画を決定することとしている。

3について

 庄川水系工事実施基本計画の基本高水のピーク流量の決定に当たり用いた八つの計画降雨について、洪水調節を行うダムが存在しないとした場合と利賀川ダムのみが存在するとした場合及び境川ダムのみが存在するとした場合の基準地点雄神におけるピーク流量の差の最大値は、それぞれ、毎秒約六十立方メートル及び毎秒約百十立方メートルとなっているものと承知している。
 なお、和田川ダムは、基準地点雄神より下流で合流する一級河川庄川水系和田川(以下「和田川」という。)に設置されたものであるから、基準地点雄神における同ダムの洪水調節の効果は存しない。

4について

 利賀ダムは、和田川の洪水調節を行うものとして計画されたものではないが、同ダムの洪水調節により庄川の和田川合流点の水位が低下することから、和田川の洪水による被害の軽減に寄与するものと考えている。
 なお、御指摘の「ダム事業総点検」における「大門地点」とは、建設省北陸地方建設局富山工事事務所(以下「富山工事事務所」という。)が流量を観測している地点を指すものであり、過去に災害のあった地点を指すものではない。

5について

 河川法第七十九条第一項の規定に基づき昭和四十三年三月三十日に建設大臣が認可した和田川総合開発事業全体計画(以下「和田川全体計画」という。)において、和田川の和田川左支川鴨川合流地点から庄川合流地点までの区間における基本高水のピーク流量は毎秒二百七十五立方メートル、計画高水流量は毎秒二百十立方メートルとされており、御指摘のような和田川における「ダムによるピークカットは一一〇立方メートルとなっている」という事実はない。また、和田川には、現在、和田川ダム以外に洪水調節を目的とする既設ダム、建設中のダム及び計画中のダムは存在しない。
 さらに、本川、支川等の各河川における洪水防御に関する計画の規模については、一般に、河川の大きさ、当該河川における洪水により被害を受けると想定される地域の社会的及び経済的重要性、当該洪水で想定される被害の状況、当該河川の既往洪水による被害の実態等を総合的に考慮して定めているものであり、和田川における洪水防御に関する計画の規模についてもこのような考え方により、和田川全体計画の基本高水のピーク流量を五十分の一の年超過確率を用いて定めているところである。

6について

 御指摘の「清流ランキング」は、各河川で観測された生物化学的酸素要求量の年平均値を基に、建設省において、毎年、その順位を公表しているものである。
 庄川水系には、現在十七のダムが設置されているが、富山工事事務所が水質を観測している三地点(河口からそれぞれ〇・五キロメートル、六・八キロメートル及び二十四・二キロメートルに位置する新庄川橋地点、大門大橋地点及び雄神橋地点)における庄川の流水の生物化学的酸素要求量のそれぞれの七十五パーセント水質値(年間の全データをその値の小さなものから順に並べたときに、全データ数の七十五パーセントに相当する順番に当たるデータの値をいう。)は、「庄川水域等が該当する水質汚濁に係る環境基準の水域類型の指定について」(昭和四十八年九月二十八日付け富山県告示第九百三十六号)において指定された同川の水域類型に係る基準値を超えておらず、良好な水質が確保されている。
 また、利賀ダムは、流水の正常な機能の維持をその目的の一とするダムであり、建設省においては、水質の予測計算等の結果を踏まえ、同ダム下流の水質の確保についても十分配慮していくこととしている。

7について

 建設省所管のダム等事業に係る御指摘の「ダム事業総点検等」においては、その対象となる個々のダム等事業について、事業の必要性及び緊急性、事業をめぐる社会情勢、事業に係る費用対効果、事業の進ちょく状況等の視点から、今後の事業の進め方を総合的に判断している。

8について

 利賀ダムの堆砂容量は、ダムの耐用年数を考慮して百年間分の堆砂容量を見込んだものであり、庄川水系工事実施基本計画の策定に当たり用いた統計的概念である年超過確率と論理的な関連性はないものと考えている。

9について

 御指摘の「工事用道路」の建設のために要する費用である約三百三十億円から道路改修に係る費用を除いた費用のうち、河川法第五十九条及び第六十条第一項の規定に基づく国及び富山県の負担額を、平成十年度価格に換算した上で、利賀ダムの洪水調節に用いる容量と流水の正常な機能の維持と増進を図るための貯留量との比によりあん分した当該洪水調節相当分の費用が、御指摘の「現計画の事業費」である約六百八十二億円に含まれている。



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