衆議院

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平成十一年十二月十五日提出
質問第二四号

年金福祉事業団の解散および承継業務に関する質問主意書

提出者  保坂展人




年金福祉事業団の解散および承継業務に関する質問主意書


 厚生省所管の特殊法人・年金福祉事業団は、「年金積立金を活用して厚生年金、国民年金等の加入者や需給者の福祉の増進を図る」と称して各種事業を行っている。しかし、それら事業の中には、無責任かつ放漫経営に終始し、なんら「厚生年金、国民年金等の加入者や需給者の福祉の増進」には寄与していないものが少なくない。「大規模年金保養基地事業」「融資事業」、「資金運用事業」など、いずれの事業をとってみても、年金加入者の貴重な積立金を湯水のごとく浪費し、さらには運用の失敗等で年金制度そのものに深刻なダメージを与え続けている。
 そればかりか、厚生省および年金福祉事業団では、その責任を誰一人として取ろうとしてこなかったのである。その不誠実かつ非常識な責任逃れの姿勢と弁解は、今国会の審議でも明らかなように見苦しいだけでなく、とうてい看過できないものがある。
 国民にとって不可欠な年金制度を守るという観点から、法改正の案を中心に、以下質問する。

一 「年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案」について
 (一) 同法律案の第二条三項に、「除却、取壊し、滅失その他の事由」とあるが、この「事由」の意味には、引き継ぎ資産の評価損が含まれているのか。あるいは含まれないのか、答弁されたい。
 (二) 第二条三項に、「政府の出資はなかったものとする」とある。その場合政府側の減額手続きはどのようにして行われるのか。また、政令委任条項が、この法律案には書かれていないのは、どのような理由からか。あわせて答弁されたい。
 (三) 第十五条に書かれている「保養基地施設の運営及び保養基地資産の管理」を行う法人とは、どのような性格の法人か。また、この法人だけが、他の業務を引き継ぐ法人(「政令で定める法人」)と性格を異にしている理由はなにか。合理的な理由を答弁されたい。
 (四) 第十八条二項には、「監査報告書の事務所への備置き及び一般への縦覧は要しない」と書かれている。しかし、この「縦覧は要しない」との文言は、昨年十月に出された年金審議会の「国民年金・厚生年金保険制度改正に関する意見」と矛盾するのではないか。つまり同意見には、「年金制度に関する情報公開を進め、制度の透明性を高めていくことが、昨今の年金制度に対する国民の不安感を払拭する上でも重要である」とあるからだ。
 (五) また、この条文(同法律案の第十八条二項)は、「年金資金運用基金法案」第三十五条三項に書かれている条文との連続性・一体性を欠いている。なぜなら、前者では「縦覧は要しない」と書き、後者では「一般の閲覧に供しなければならない」と書かれているからだ。新しく発足する基金の経理内容が公開されるのは当然としても、その基金に承継された一般業務の財務諸表等についても公表されなければならないはずだ。なぜ、このような連続性に欠け、矛盾した条文としたのか。
    その理由は何か。答弁されたい。
 (六) 同法律案の第二十条一項には、「債券を発行する」とあるが、この債券とは証取法の定めるどのような性格の債券を指しているのか。また、むやみに債券を発行できないような歯止め的処置は講じられているのか。答弁されたい。
 (七) 同法律案の第二十条三項には、「債券の債権者は、基金の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」と書かれている。何故、何のために「他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」のか。答弁されたい。
 (八) 同法律案の第二十条七項には、「債券に関し必要な事項は、政令で定める」と書かれている。この「政令」とは、どのような内容を予定しているのか。その詳細について答弁されたい。
 (九) 同法律案の第二十五条一項には「保養基地資産の価額」との文言がある。この場合の価額とは、どのような算出方法によって割り出されたものをいうのか。算出方法の詳細について答弁されたい。
二「年金資金運用基金法案」について
 (一) 同法案第二十七条一項の一において、「年金資金の管理及び運用の目標に関する事項」との文言があるが、ここで言う「管理の目標」とは何か。同様に、同条文一項の二にある「管理の構成」、一の三にある「管理の評価」とは何か。具体的かつ詳細に答弁されたい。
 (二) 先にも触れた同法案第三十五条三項について追加質問する。この条文にある「一般の閲覧に供しなければならない」とある「一般」とは、誰を指しているのか。出先庁での開示やインターネットを介しての開示まで含まれるのか。具体的かつ詳細に答弁されたい。
三 年金福祉事業団の大規模年金保養基地について
 (一) 大規模年金保養基地の建設資金の償還として、充当された出資金(厚生年金特別会計、船員保険特別会計及び国民年金特別会計からの出資金)の総額はいくらか。事業団発足以来今日までの同出資金額を年度別にし、その出資目的とともに明らかにされたい。
 (二) 同出資金の利息に関しては、同特別会計からの交付金で充当されているか。充当されているのであれば、これら交付金額を事業団発足以来今日まで、年度別に明らかにされたい。
 (三) 年金福祉事業団から年金保養協会及び各大規模保養施設に出されている委託費はあるか。あれば、それら各施設ごとの委託費を、事業団発足以来今日までの年度別に明らかにされたい。
 (四) 年金福祉事業団から年金保養協会及び各大規模保養施設に出されている補助金もしくは補助金に類する資金はあるか。あれば、それら各施設に対する資金の額を、事業団発足以来今日までの年度別に明らかにされたい。
四 年金福祉事業団の資金運用事業について
 (一) 資金運用部からの借入金である資金運用資金の利息は、別途交付金という形で政府から充当されているのか。充当されているとすれば、その交付金額を、事業団発足以来今日まで、年度別に明らかにされたい。
 (二) 資金運用部から借り入れている資金運用資金の償還財源は何か。その償還額の年度別の金額とともに明らかにされたい。
五 「日本老人福祉事業団」について
 (一) 年金福祉事業団が融資している「日本老人福祉財団」について、その経営破綻が新聞、雑誌等でしきりに報じられているが、厚生省としてはこのような事態をどう考えるのか。とりわけ経営再建の必要性の有無について、答弁されたい。
 (二) 再建が必要と考えているなら、その具体的な再建計画の詳細を、また再建の必要がないと考えているならその詳細な理由を答弁されたい。
 (三) 「日本老人福祉財団」は、平成十年度に債務超過に陥っている。このような事態にいたるまで放置してきた厚生省及び年金福祉事業団の責任について答弁されたい。

 右質問する。



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