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平成十二年三月十三日提出
質問第一五号

日本国憲法に関する質問主意書

提出者  小沢辰男




日本国憲法に関する質問主意書


一 憲法第二十九条第一項で〔財産権は、これを侵してはならない〕とある。
  この規定に、米作の減反を国の権限で強制する事は、違反していると考えるが如何か。憲法第十三条の個人の尊重、幸福追求権の規定を考えあわせて回答されたい。
  公共の福祉に反するか否かの解釈について、憲法学者の中でも種々の意見があるが政府の統一見解を示されたい。
二 右、憲法第二十九条第一項につき、行政権による薬価の決定に関し疑義を呈する。
  日本の製薬業は米国や英国に比し新薬の開発に遅れている現状を認識されたい。原因は色々あるがその一つに薬価の決定に自由のないことがある。何十億とかけて新しい薬効のある薬品を開発しても、この薬品の値段、即ち価格はこの会社が自由に決められない。薬品そのものの審査が国の決定により、安全且つ有効なものと認定されてもその薬品の価格は自社で決定できず、厚生大臣が決定することとなっている。既存の似かよった薬品を厚生省で探し出し、その価格にほんの少々上乗せした程度の価格を決め認可することとしている。
  これでは日本の新薬開発が多くの投資をかけて行う意欲は起こらない。これのみを問題にするのではない。私がこれを取り上げたのは一に指摘した憲法第二十九条第一項に違反類似の行為ではないか、との疑問を持つからである。政府の見解を問う。
三 今日の選挙制度につき、憲法上の疑義あるにつき、政府の見解を問う。
 1 年齢制限を政党で行った場合、その政党内での都合であって、これを以て、当該者の被選挙権を奪うことは、違憲であると断ぜざるを得ず、当該本人が無所属で立候補する事を禁ずることは出来ないと信ずる。憲法第四十三条第一項の規定は、被選挙権を有する者すべてが、両院の議員として立候補出来ると解釈すべきと考えるが如何か。差別禁止の第四十四条但し書にある「社会的身分」の中には、被選挙権のある者の若年、高年齢を問わないとの問題も入ると考えられ、年齢制限を設ける事は、それぞれ政党内の都合方針と考えるだけで立候補の禁止の法的根拠には出来ぬと思考するが、政府の見解如何。
   憲法第四十三条第一項の規定の趣旨からいえば、参議院議員比例区選挙においても当初の全国区の如く、個人が自由に立候補し、得票数の順位により当選者を決定する事が(即ち非拘束制)望ましいのである。
   然し、一人の候補者が全国を選挙区とする事は非常に大変な事であるし、費用も大変かかり、残酷区ともいわれていたため、且つテレビで良く出演するタレント候補のみを有利とする批判が強くなり、現行制度になった。
   一方衆議院の比例区をみるに、広くて九州、北海道ブロック位のもので、これしも目下の交通網発達の時代では、参議院の比例区と同一に考える必要性は全くない。
   現行衆議院の比例区制度で、政党名のみの投票しか有効とせず、個人で立候補出来なくしているのは、少なくとも憲法第四十三条第一項の趣旨にそぐわないものと思考するも政府の所見如何に。
   政府は速やかに選挙法を改正し、衆議院比例区選挙では個人名を書いても良いし、政党名を書いても良い制度に改め、憲法第四十三条第一項の規定の趣旨を尊重すべしと愚考する。回答を求める。
 2 憲法第七十九条第二項において最高裁の裁判官の国民審査の規定がある。
   内閣の任命による最高裁の裁判官を国民の審査に付することを同条に定めたのは、国民主権を明確にした、戦後憲法の特記すべき規定である。ところが、この規定は正に死文になっている。
   何故なら如何なる事件で、どの裁判官が如何なる判断を下したのか全く情報開示がなされていない。一般国民は勿論、相当の有識者でもどの裁判官が良いかどうか判断がつかない。私自身も判断しかねる。この憲法の規定とその意義及び、実効あらしめる方策を政府は如何に考えているか回答願いたい。

 右質問する。





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