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平成十二年四月十一日提出
質問第一八号

学校におけるPCB使用器具の管理および処理対策に関する質問主意書

提出者  石井郁子




学校におけるPCB使用器具の管理および処理対策に関する質問主意書


 一九七二年の「カネミ油症事件」を契機に、電気絶縁油等に広く使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニール)の毒性が大きな問題となり、七四年には製造・輸入が禁止されました。しかし、すでに流通していたPCB使用器具は、廃棄されるまでは規制の対象とされず、また廃棄についても処理方法が確立されるまで、市町村や事業者による保管が義務づけられました。このため、PCBの製造が中止された後も、学校で蛍光灯などPCB使用の電気器具が使用されるとともに、取りはずされた後も学校内で管理保管されることとなりました。
 このように毒性は明らかになりながら、子どもたちが生活する学校に長年にわたってPCB使用の電気器具が使用、保管されてきたのです。そのもとで、一九九七年三月、鳥取県の私立学校において、蛍光灯内の老朽化したコンデンサが加熱・破損し、PCBがこぼれおち、拭き取った生徒が急激に体調を崩し入院する事故が発生しました。この事故を受け、日本照明器具工業会は、同年七月、都道府県市町村施設・営繕担当部課長あてに、事故の概要を伝え、照明器具の点検とPCB使用器具の早期交換をお願いする文書を送付しています。そのなかでは、電気絶縁物は「通常十年前後から劣化が進行し、十五年を超える長期使用では安定器・コンデンサの故障を生じ、発煙、容器破損等の事故が発生することもあります」とし、生産中止から二十五年を経ている今日、すべてのPCB使用照明器具について破損の危険性があることを指摘しました。にもかかわらず、さらに九八年、九九年に、青森県の二つの県立高等学校において、鳥取県と同様の事故が発生しました。
 こうした事態を重く見て、福島県立高等学校教職員組合が今年二月に緊急調査を実施したところ、九十校余りの県立学校の半数近くで、使用中の照明器具にPCB使用器具が含まれている、またはその疑いがあることが判明しました。また、すでに回収している学校でも、管理についてのひきつぎ業務が行われない等の不備や、いつまで保管することになるのかという不安が大きいことも示されています。
 製造中止措置をとるようなきわめて有害性の高いPCB使用器具の管理を事実上、学校まかせにし、行政として使用、管理状況に責任を負わないことは重大です。まして、明らかに耐用年数を過ぎているPCB使用器具については、一刻の猶予もなく安全対策がとられなければなりません。
 発癌性物質として社会問題となったアスベストの撤去回収等については、一九八八年度に必要な予算措置がとられ、予算運用の改善措置もとられた前例があります。PCBについては、技術的にもより専門性が求められており、政府の責任による対策が早急に求められます。
 以上の趣旨により、次の事項について質問するものです。

一 PCB製造中止以前に建設、設置され、その後改修等が行われていない施設・設備の存在する学校を対象に、緊急にPCB使用器具の存在を調査すべきと考えるがいかがか。
二 一において、PCB使用器具の存在が明らかになった場合は、ただちに回収、交換することとし、そのために必要な予算措置を含めた対策を講じることが必要と考えるがいかがか。
三 廃棄物となるPCB使用器具について、子どもたちの安全性を確保する観点から、学校内での保管を見直し、メーカー等関係業者による保管を原則とすべきと考えるがいかがか。
四 前述の措置がとられるまでの緊急策として、PCB使用器具の保管をしている学校に対し、専門家による管理指導等を行うことが必要と考えるがいかがか。
五 廃棄物となるPCB使用器具の処理については、地方自治体および学校の負担がともなわないようにし、メーカーの責任と負担で早急に無害処理するように、技術的財政的支援策を講ずるべきと考えるがいかがか。
六 一の調査結果については公表し、学校、住民の注意を喚起するとともに、当該各教育委員会の責任ある安全対策を公表して、学校と住民の不安の解消に努める必要があると考えるがいかがか。

 右質問する。



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