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平成十二年五月二十五日提出
質問第三六号

国際人権(自由権)規約に定める死刑囚の裁判を受ける権利に関する質問主意書

提出者  保坂展人




国際人権(自由権)規約に定める死刑囚の裁判を受ける権利に関する質問主意書


 昨年(一九九九年)十二月十七日、一四六国会閉会後に、確定死刑囚二名に対する死刑執行が行われた。一名は再審請求中で、十二月十三日には弁護士から書類が提出され、他の一名は人身保護請求中であった。再審請求中、及び人身保護請求中の死刑執行は、死刑に直面しているものの防御権を犯すものであり、国際人権(自由権)規約に反する行為とみなさざるを得ないことから質問するものである。

一 臼井法務大臣は、昨年十二月の死刑執行に抗議する死刑廃止議員連盟の申し入れに対し、「再審請求は重要な考慮の対象である」と述べたとされるが事実か。法務大臣は死刑執行に際して、再審請求を考慮するという申し送り、もしくは慣習があるのか。
二 臼井法務大臣はまた「死刑判決に基づいて身体が拘束されているのであり、人身保護請求にそぐわないと思う」と言う一方、「人身保護請求は知っていれば考慮の対象になったのではないか」とも述べている。人身保護請求中に死刑執行が行われた事例はあるか。人身保護請求中は死刑執行を行わない慣習もしくは判断基準は存在するのか。
三 戦後、再審請求を理由として死刑執行を見送った事例はあるか。それはいつか。人身保護請求中であることを理由に死刑執行を見送った事例はあるか。
四 戦後、再審請求中の死刑執行はあるか。それはいつか。
五 検事が再審・恩赦を請求したケースはあるか。あるとすれば、いつ、誰に対して請求されたか。
六 臼井法務大臣は「幾度も申し立てする事例は重要な考慮の対象である。ただ幾度も理由もなく申し立てしていると執行ができなくなる。内容に新しい要素などがあれば考慮する」とも述べているとされるが、再審の決定は裁判所の判断であり、裁判所の判断を待たずに執行したことは、司法の独立を犯すものではないか。また「幾度も理由もなく」という「理由もない」という再審請求はどのようなものを指すのか。「理由もない」というその判断基準を示されたい。さらに「幾度も」とは何回以上の再審請求を指すのか。併せて答弁願いたい。
七 今後の死刑執行に際しても、再審請求中であっても裁判所の判断を待たずに執行を行うのか。
八 歴代の法務大臣で、死刑執行許可の署名後、撤回もしくは、執行の停止を命じた例はあるか。それはいつ、誰に対してか。
九 再審請求について、国選弁護人制度が存在せず、実質的に弁護権を保障していないが、迅速にして無辜の救済という観点からみて不十分ではないか。
十 再審請求があったとき、検察官は刑の執行を停止できるとしているにとどまっているが、必要な刑の執行停止の理由とされていないことは、死刑に直面した者の防御権を満たしていないのではないか。
十一 刑事訴訟法第四七六条は、死刑の執行命令後五日以内に執行することを規定し、執行命令に対する防御の機会を保障しておらず、しかも事前告知の制度が設けられていないため、現実には執行の当日、刑場に引致される際に初めて刑の執行を告知されている状況である。防御権を保障するためには、事前に防御の準備をするための告知時間をおく必要があるのではないか。

 右質問する。



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