答弁本文情報
昭和二十四年十二月一日答弁第七五号
(質問の 七五)
内閣衆甲第一三六号
昭和二十四年十二月一日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
衆議院議員田中堯※(注)君提出車両産業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員田中堯※(注)君提出車両産業に関する質問に対する答弁書
一 昭和二十五年度国鉄車両費予算は、現在の過程においては昭和二十四年度より多額である。しかして二十四年度の予算により購入された車両中、二十三年度中に車両会社の見越生産をもつて充当されたものが相当数あり、現実に二十四年度に生産されたものは予算の一部にすぎなかつたのであるから、二十五年度において、車両会社において国鉄向に生産する車両は、二十四年度より相当多いことと思われる。
なお、政府としては、国鉄の車両の整備をはかるとともに併せて車両会社の育成を望んでいるが、国鉄財政の現状よりこの希望が充分逹せられないのは残念である。
一 前問の如き国鉄の車両発注事情及び輸出不振により、汽車会社岡山工場のみならず、各車両会社において受注不足に悩んでいる。又電力量不足についても同様であり、遺憾にたえない。
(一) 政府としても、国鉄の車両予算の増加、私鉄発注の促進に極力努力している。
(二) 電力量の増配についても極力努力している。
(三) 中国との、鉄道車両に関する貿易については、戰前わが国車両生産量のほゞ半ばが中国、満洲に輸出されていた実情にかんがみ、政府としても、極めて深い関心を持つている次第であるが、車両は管理貿易下の今日、日本政府の一存では輸出許可が與えられない事情にあるのでこの点御了承願いたい。
一 日立製作所笠戸工場手持のミカイ型蒸気機関車は、大陸向のもので、国内転用が困難であるから、輸出されれば車両工業の危機打開の一助ともなるが、今日のところいまだ商談の成立しないことは遺憾であるが、政府としてもあらゆる機会をとらえ輸出すべく努力中である。
右答弁する。