答弁本文情報
昭和二十五年二月三日受領答弁第二〇号
(質問の 二〇)
内閣衆質第七号
昭和二十五年二月三日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
衆議院議員谷口善太※(注)君提出育英資金に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員谷口善太※(注)君提出育英資金に関する質問に対する答弁書
一 現在の社会、経済状勢下において、育英資金が学生生活を支えるうえに重要な役割をもつものと考えるので、逐年奬学費予算の増額と、奬学生採用率の引上に努めている。昭和二十五年度においては、予算額約十五億七百万円を計上し、貸與人員約九万五千名を予定している。
これを昭和二十四年度予算に比べると、全額において約六割八分、人員において約五割二分の増加となる。
なお、新規採用奬学生についてみれば
(イ) 大学、高專校以上の在学者については、昭和二十四年度予算では六千二百四十六名の採用予定に対し、二十五年度は一万三千八百五十九名であつて、約二倍強である。
(ロ) 新制高校在学者については、三千四百名の予定に対し一万二千三百三十七名で、約三・六倍強となつている。
三 個人貸與額の増額ということも一応は考えられるが、学生の大部分が生活の窮迫にあえいでいる現状から考えて、この際はむしろ貸與人員の幅をできるだけひろげ、より多数の学生を採用する方が適切であると考えるので、二十五年度においては前記の方針で処理する考えである。
四 奬学生の選考に当つては、單に出席率、学業成績のみによることなく、学業、人物の優秀性と経済的窮迫度とをあわせ考え、両々相まつべきものであると考えるので、この線に沿つて採用している。
なお、優秀な素質を有しながらアルバイトのために、現在の成績が低下していることが明らかな場合には、これを考慮に入れて選考することにしている。
右答弁する。