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答弁本文情報

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昭和二十五年十二月八日受領
答弁第一四四号
(質問の 一四四)

  内閣衆質第一四四号
     昭和二十五年十二月八日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員高田弥市君提出木材資源確保に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員高田弥市君提出木材資源確保に関する質問に対する答弁書



 わが国森林の利用可能林年生産量は、現在までの資料によれば用材林にあつては、四、八〇〇万石(丸太材積)薪炭林にあつては五、〇二九万石程度であるが、現実には用材にして七、四〇〇万石、薪炭原木として、八、一〇〇万石が昭和二十四年度に伐採せられている状況であつて、これは生産量に比べ約六割を超過しており、将来の森林資源保続の立場からはもちろん、治山治水上の見地よりして憂慮されることは御意見の通りである。
 政府としても、木材薪炭の利用合理化により極力この消費節約を計ることが必要と考えられ、その一方法としての木材についての防腐処理の問題は最も重要なものの一つと考えている。従つて国鉄関係の枕木、逓信関係の電柱については原則として防腐処理をしたものを使用する建前になつており、電力用の電柱についても電力会社に防腐電柱の使用を慫慂しているところである。
 なお、建築関係については、先般建築基準法施行令の制定(十一月十六日付公布)により、建築物の土台、土台に近い部分の木材にはクレオソート等の防腐剤を塗布しなければならないようにしている。又、石炭坑木についても目下防腐剤の選定防腐効果等につき試験中であつて、その結果によつては、防腐坑木の使用を炭鉱に励めたいと考えている。
 ただ御意見の防腐木材処理事業に対する補助奬励であるが、消費者としては、防腐木材を使用した方が経済的であるので、むしろ消費者自体が進んで防腐木材を使用すべきであり、木材の防腐処理に対して国庫助成をする必要は今のところないと考えられる。

 右答弁する。




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