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答弁本文情報

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昭和二十八年二月十三日受領
答弁第二二号
(質問の 二二)

  内閣衆質第二三号
     昭和二十八年二月十三日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 大野(注)睦 殿

衆議院議員伊東岩男君提出化学肥料及び動植物性輸入肥料に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員伊東岩男君提出化学肥料及び動植物性輸入肥料に関する質問に対する答弁書



一 現在は統制中と異なり生産原価を常時調査していないから不明である。ただ肥料の国際価格から推定して、わが国のコストが割高であることは事実のようである。その原因は、石炭、硫化礦等の主原料の価格及び金利が諸外国に比して著るしく高いためであると考えられる。

二 肥料製造の合理化、生産コストの引下げについては、目下国際競争力の観点から鋭意研究中であるが、炭価の引下げ、肥料製造用電力の増配によつて繰業度の上昇、金利の引下げ、設備の近代化等に目標を置いて逐次実施可能の部分から実現したいと考える。
  製造会社の営業費等については、農家の犠牲で支払われているとは考えていない。

三 政府は、安定帯価格の設定を指導する等国内肥料価格の安定を図る一方、肥料製造の合理化に努めて、価格の引下げに努力している。

四 政府は絶えず肥料価格の適正化に努力しており、米価決定に当つても肥料価格を充分考慮している
が、今後とも肥料価格の引下げには努力したい。

五 肥料対策委員会で今後の方策を審議しているので、その結論をまつて化学肥料の価格規正、肥料補給の根本的な制度について考慮したい。

六 動植物性肥料は、まず家畜飼料としての利用を通じて後肥料とすることを根本方針としているが、現状においては、従来の慣習もあるので、なお有機質肥料に対する外貨予算の範囲内で輸入し得る道が開かれており、植物油粕は原則的には原料を輸入し、国内において搾油し、その粕を供給することが妥当と考えられる。但し、明年度においては、大豆の輸入が菜種の増産のために制約されるため、大豆粕をある程度直接輸入することとなろう。

七 昭和二十七年四 ― 九月外貨予算による買付価格は、K2O(加里成分)一〇〇%トン当り硫酸加里一一九弗 ― 一二三弗、塩化加里六〇弗 ― 六七弗であつたが、昭和二十七年十月から昭和二十八年三月のそれは、硫酸加里一一八弗 ― 一二〇弗、塩化加里五八弗 ― 六九弗である。
  智利硝石(四 ― 九月予算)は七一弗である。
  昭和二十八年一月から七月の輸入見込数量は、硫酸加里一〇二千トン(K2O五〇%換算)、塩化加里一五七千トン(K2O五〇%換算)、智利硝石五千トンである。

八 質問第六項に述べるごとく、骨粉を除く動植物性肥料の直接の輸入は現在のところ考えていない。明年度において、大豆粕輸入の道が開けても、硫安とのバーターは、仕出国が大部分硫安を多量に要求すると考えられないから、バーターは見通し困難である。

九 現在石灰窒素の生産能力は年間六四ないし六五万トン、尿素は約一〇万トンである。特に尿素の設備は、昭和二十八年度中に倍増するはずである。尿素の価格は硫安に対し成分当り一割ないし一割五分安である。

 右答弁する。




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