答弁本文情報
昭和二十八年十一月七日受領答弁第五号
(質問の 五)
内閣衆質第五号
昭和二十八年十一月七日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
衆議院議員阿部五※(注)君提出塩業政策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員阿部五※(注)君提出塩業政策に関する質問に対する答弁書
一 製塩施設法による補助金の年次別事業区分別工事量所要事業費及び交付補助金額の概要は左表のとおりである。
二 荒廃塩田地盤の流下式転換事業に対する見通しと、今後の計画指導は次の通りである。
ここ二、三年来流下式塩田に対する認識が深くなりその採用を可とする気運が業者間に逐次浸透していることは事実である。公社の調査によれば、入浜式塩田より流下式塩田への転換を希望する面積は一二〇〇ヘクタール(全塩田面積約四、五〇〇ヘクタール)程度であるが、増産及び生産費節減等の経済効果が著しく良好なので、適切な転換事業に対しては補助金又は農林漁業資金の予算の範囲内において資金的な援助を行うこととしている。なお、流下式転換について年次計画等を樹てている業者もいる模様であるが、公社として確定した年次計画はない。
流下式転換により或る程度の労務者が不要となるのはやむを得ないものと認められるが、これについては、業者の側において極力配置転換、転職先のあつ旋、退職金の適正な支払等に努力し円満に解決するよう指導している。ただ、塩業者の自主的な改良事業であり又業者の経理内容及び雇傭条件も区々であるので、公社として画一的に具体的な指示を行うことは困難である。
なお、公社は、塩業者が本問題につき良識をもつてその解決に当り不必要な磨擦を生ずることのないよう切望しており、最近重ねて地方局に対し上記のことについて業者の指導に遺憾のないよう指示を発した。