答弁本文情報
昭和三十九年五月一日受領答弁第六号
(質問の 六)
内閣衆質四六第六号
昭和三十九年五月一日
内閣総理大臣 池田勇人
衆議院議長 ※(注)田 中 殿
衆議院議員春日一幸君提出相互銀行の経営陣刷新についての大蔵当局の不法不当干渉に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員春日一幸君提出相互銀行の経営陣刷新についての大蔵当局の不法不当干渉に関する質問に対する答弁書
一、貴見のとおりと考える。
二、三、相互銀行の取締役は商法の規定に基づいて株主総会において選任されるべきものであり、大蔵省が行政指導によつて特定の人物を取締役に選任すべきことを強要することはありえない。しかしながら、相互銀行の業務の公共性にかんがみ、その経営の執行体制については、監督官庁である大蔵省としては特に重大な関心をもたざるを得ないところであつて、銀行経営の健全性を確保するため、例えば銀行検査の結果等に基づいて経営陣のあり方等について勧告を行ない、又はその人選について必要な助言等を行なうことは、商法及び銀行法の規定に違反する不法不当な越権行為ではないと考える。
四、有能な職員を役員に登用することは、相互銀行の経営の充実強化を図るうえに、一般的には好ましいことと考えられるが、その選任は株主総会においてなされるべきものである。
五、相互銀行が地域的金融機関としてその機能を円滑に発揮していくためには、地元との円満な協調と信頼の関係がなければならないことはいうまでもない。しかしながら、相互銀行経営の健全性を確保し、業務の公共性を発揮するためには、相互銀行の経営陣特に社長については、中正公明な人格を有し、かつ金融業務に精通した人物を広く求めることが何よりも肝要であつて、このような適格者が得られるならば地元との円滑な関係が樹立され、地元金融の疏通を期し得るものと考える。
右答弁する。