答弁本文情報
昭和四十年二月九日受領答弁第二号
(質問の 二)
内閣衆質四八第二号
昭和四十年二月九日
内閣総理大臣 佐藤榮作
衆議院議長 ※(注)田 中 殿
衆議院議員鈴木一君提出国鉄高架線下の賃借に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木一君提出国鉄高架線下の賃借に関する質問に対する答弁書
一 貸付台帳の記載からみて、(1)当初から共同使用承認をしていた。(2)両者に区分して別個に使用承認した。(3)記入順からみて丸二青果荷受配給株式会社に承認した後、日産機械工業株式会社を追加して共同使用承認した。と三通りに解釈できるが、原議が焼失しておるので明確は期し得ないため、「両名に使用承認していた模様」としたものである。
二 日米産業株式会社取締役石井明に使用承認したのは昭和三十一年十一月二十六日付け東営事第一一六二六号であり、日米産業株式会社取締役社長石井明と北区中十条二の十九渡辺吉男の共同使用承認としたのは昭和三十三年二月三日付け東財管第七九号である。
また、日米産業株式会社取締役社長石井明に使用承認した理由は、東京地方裁判所において訴訟事件の結果、昭和三十一年十月二十九日調停が成立し、同調停条項第三項の「国鉄は日米産業株式会社に使用承認を考慮すること」に基づき、日米産業株式会社取締役社長石井明に使用承認したものである。
なお、当時丸二青果荷受配給株式会社からは東京地方裁判所及び国有鉄道に対し何ら意思表示がなされておらず、使用承認にあたつて特に、丸二青果荷受配給株式会社を除外したものではない。
日米産業株式会社と渡辺吉男の共同使用承認に変更したことについては、日米産業株式会社に使用承認した後、昭和三十二年三月衆議院決算委員会において、国鉄の高架下管理についての決議もあり、国鉄としては、とりあえず高架下使用の正常化をはかるため、「高架下使用に関する暫定措置要綱」を定め、高架下使用名義人と高架下建物所有者とを一致させる等の実態に即した処理をすることとなり、本件高架下についても、日米産業株式会社と渡辺吉男の両名が建物所有を証する登記簿抄本を添附のうえ出願があり、前記処理方針にもそうので、共同使用承認をしたものである。
三 貸付原議が焼失しているため、いかなる方法により通知したかについては明確を期し得ないが、貸付台帳に昭和二十年八月七日東施総二〇第四二六号をもつて使用承認取消しのむねの記載があるので、通常の通知方法によつて戦前の使用承認は取消してあるものと解している。
なお、隣接者の台帳記入事項も同一のものであるが、他地区については取消したことについて問題なく処理されており、東京地方裁判所における調停に際しても、同様の判断が下されたものと考えている。
また、当時の高架下は国有財産であり、国有財産法第一八条(旧法第四条)に基づく行政行為による使用収益と解している。
右答弁する。