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答弁本文情報

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昭和四十年三月三十日受領
答弁第九号
(質問の 九)

  内閣衆質四八第九号
    昭和四十年三月三十日
内閣総理大臣 佐藤榮作

         衆議院議長 (注)田 中 殿

衆議院議員鈴木一君提出わが国のエネルギー対策に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員鈴木一君提出わが国のエネルギー対策に関する再質問に対する答弁書



一 わが国石油業の育成強化について

 御質問の第一点について、今後のわが国の石油業のあり方については御説のとおりであり、総合エネルギー部会報告等においてもすでに要請されているので、政府としても今後わが国石油業の健全な発展のためにこのような方向であらゆる努力をする方針である。
 中小民族系企業の販売面の集約化についてもこのような方向への第一歩として考えており、わが国石油業の健全な発展を保障するためにはこれらの企業の経営基盤の抜本的強化が必要とされるが、そのためにはこれらの企業の体質改善の隘路となつている販売能力の強化を図るとともに、流通面における合理化の推進を図ることが必要であると考えられるので、共同販売体制の確立の指導をしているところである。

二、三 海外原油の開発について

 原油の供給源を分散化し、供給の自主性を高めて安定的かつ低廉な原油の供給態勢を確保するためには、海外原油の探鉱開発を積極的に推進する必要がある。しかも海外原油の開発事業を進展させることは、御説のとおり、今後原油需要の膨大な伸長に伴つて急速に増大する原油輸入のための所要外貨を節約するうえからも、また低開発地域に対する経済協力の推進という点からもきわめて大きな意義を有している。
 このような観点から、政府としては総合エネルギー政策の重要な一環として、海外原油の探鉱開発事業はこれを積極的に推進してゆく考えであることは先の答弁書にも述べたとおりである。
 また、このような事業をすすめるに当たつては長期的な展望のもとに行なうことがのぞましいことは御説のとおりであるが、石油開発事業への進出可能地域はかぎられており、しかも産油国の希望条件が、最近ますますきびしくなつてきている現状から今後わが国企業が新たに進出する場合には必ずしも日本側の望む地域に希望どおりの条件で進出できるとはかぎらず、相手国政府との折衝等不確定な要素を多分に含んでいる。したがつて、国内における石油資源の開発に関する長期計画と同様の意味を有する精ちな計画は海外事業については、策定しえないのが実情である。現在は、進出可能地域の政府等と鋭意交渉をすすめている段階にあるので、これを少しでも日本側に有利に展開するよう指導するとともに、できるかぎり多くの対象地域を早期に確保する方針でのぞむこととしたい。
 なお、このような事業にもとづく開発原油の供給見通しについてはその事業が成功するとしても原油供給に寄与するに至るまでには事業開始後相当の年数を要するものと考えられるので、事業がかなり進捗するまで目標を設定することは不可能であるが、基本的には徐々にその供給比率を高めてゆく方針でのぞむこととしている。また、その所要探鉱資金については石油資源開発(株)を中心とした体制のもとに財政資金の投入につき十分配慮してゆく所存である。

四 国内における石油および天然ガスの開発について

 国内における石油および天然ガスの開発に関する基本的方向は、昭和三十六年に策定した「可燃性天然ガス資源開発五ケ年計画および石油鉱業合理化計画」(計画期間は昭和三十七年度から昭和四十一年度までである。)に示しているとおりであるが、計画実施後約三年を経過した現在までの実績は、御指摘のとおり若干計画を下まわつている。したがつて、この計画は現状にてらしてさらに再検討する必要があるものと考えられるので、現在、昭和四十一年度を初年度とする新たな五ケ年計画の作成という形で資料の検討をすすめているところである。この場合の基本的な方向としては石油については、その生産の飛躍的な増大をのぞむより、わが国の地質条件に即した適正な生産規模を維持することに主眼をおき、天然ガスについては需要に見合つた生産を確保するため探鉱投資の画期的な拡充と生産量の増大を図ることに目標をおくこととし、特に、秋田、新潟の海洋地区については有望地域であると考えられるので、これが探鉱、開発については計画的に取り進めることとしたい。

 右答弁する。




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