答弁本文情報
昭和四十年六月一日受領答弁第一四号
(質問の 一四)
内閣衆質四八第一四号
昭和四十年六月一日
内閣総理大臣 佐藤榮作
衆議院議長 ※(注)田 中 殿
衆議院議員松平忠久君提出戸倉郵便局の不正事件に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員松平忠久君提出戸倉郵便局の不正事件に関する質問に対する答弁書
一 戸倉郵便局に対する年次考査は、昭和三十五年十二月および昭和三十七年十月に実施している。
その結果の指示勧告件数は若干あるが、評価は、各業務とも「良」(普通の成績)となつている。
二 今回の戸倉局における簡保積立金短期融通に関する事件は、借入側たる地方公共団体が資金を流用した事件であり、郵政監察機関は、借入団体の監察を行なう権限を有しないので、内部の監察によつては発見に至らなかつたものである。
しかし、この事件にかんがみ、短期融通に対する貸付監査については、貸付機関側において今後厳正励行させるようにじゆうぶん注意することといたしたい。
なお、御指摘のその他の事件について考査で発見し得なかつた点はまことに遺憾である。
三 今回の事件を契機として、監察機関をして、従来に倍し犯罪の防止とその早期発見に万全を期せしめるとともに、事業制度面の欠陥是正、関係部門の責任体制の確立および職員の綱紀粛正に努めることとしたい。
四 特定郵便局制度については、過般(昭和三十三年)の特定郵便局制度調査会の答申を尊重し、かねてその改善に努力しているところであるが、特定郵便局長のいわゆる「自由任用制」および局舎の借入制は、郵政事業の性格にかんがみ、国民に対するサービスの向上と事業の合理的能率的な運営を図るうえで、必要な措置と考えている。
右答弁する。