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答弁本文情報

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昭和四十九年四月十二日受領
答弁第一七号
(質問の 一七)

  内閣衆質七二第一七号
    昭和四十九年四月十二日
内閣総理大臣 田中(注)榮

         衆議院議長 前尾繁三郎 殿

衆議院議員安里積千代君提出学校事故に対する国家賠償法の適用等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員安里積千代君提出学校事故に対する国家賠償法の適用等に関する質問に対する答弁書



一について

 児童生徒の学校における事故を防止するため、学校における安全管理については、施設設備の安全管理、児童生徒の学校生活の安全管理を適切に進めることとし、それらについて具体的な指針を示し、その趣旨徹底を図つている。
 また、学校における安全指導については、児童生徒が事故の原因をよく理解し、日常生活の中にひそむ危険に気づいて、正しい判断のもとに安全な行動ができるようにするため、各教科では体育・保健体育を中心として、また、特別活動では学級指導、学校行事等を中心として、学校における教育活動の全体を通じて適切に行うこととしている。
 このような安全指導が一層適切に実施されるよう手引書の提供、研究集会、講習会を開催している。
 一方、日本学校安全会において、学校の管理下における災害事故についてその原因等につき年々分析を行い、事故防止の資料に供しているところである。

二及び三について

 市町村の教育作用が、当然に国家賠償法第一条第一項の公権力の行使に当たると解し、市町村立小・中学校の教員が注意義務をけ怠したことによつて生じたいわゆる学校事故について直ちに同条同項が適用されるとすることには問題があると考える。しかしながら、この点については、同条同項の適用があるとする判例もあるので、今後とも判例の動向を見守りたい。
 次に、市町村立小・中学校の教育施設の設置又は管理に瑕疵があつたために損害が生じた場合には、同法第二条第一項の規定により、市町村は損害賠償の責任があるものと解する。
 また、都道府県については、一部の判例の示すように、仮に市町村の教育作用が公権力の行使に当たるとする見解によつた場合には、同法第三条第一項の規定による損害賠償責任の問題が生じうるものと考える。なお、同法第三条第二項の求償権の問題については、内部関係において解決されるべき問題である。
 いわゆる学校事故の場合には、通常、親権者は損害賠償責任を免れることになろうと考えるが、事案によつては、親権者の損害賠償責任が問題となる場合もありえようかと考える。

 右答弁する。




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