衆議院

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昭和四十九年九月六日受領
答弁第七号
(質問の 七)

  内閣衆質七三第七号
    昭和四十九年九月六日
内閣総理大臣 田中(注)榮

         衆議院議長 前尾繁三郎 殿

衆議院議員土井たか子君提出土壌凝固剤の危険性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員土井たか子君提出土壌凝固剤の危険性に関する質問に対する答弁書



一について

(1) 飲料水の確保に関する代替措置の実施主体、内容、費用負担の方法等については、具体の事例ごとに判断すべきものである。

(2) 水ガラス系土壌凝固剤についてカドミウムによる問題はないと承知している。

(3)(イ) 薬液を注入されている地盤の掘削に伴う当該薬液による地下水汚染のおそれは一般にはないと考えるが、次官通達の記3の(4)は地下水の汚染防止について万全を期するため設けたものである。

   (ロ)及び(ハ) 掘削残土とは、掘削された土のうち、当該工事現場外の他の場所に処分を必要とするものをいう。

   (ニ) 地下水等とは、地下水及び暫定指針にいう公共用水域等の意味である。

   (ホ) 地下水等の監視の結果講ずべき措置及び採水地点については、特に明示していないが、暫定指針の趣旨に沿つて具体の事例に応じ適切な措置を採るべきものである。

(4)(イ) 日本工業規格K〇一〇二のホルムアルデヒドの定量範囲については、昭和四十九年七月「0.003〜0.4mg」が「0.03〜0.4mg」と訂正されている。

   (ロ)及び(ハ) ホルムアルデヒドについては〇・五PPM、アクリルアミドについては〇・一PPMの数値をそれぞれ定量限界とする検査方法で検出されなければ、飲料水としての使用に支障がないと承知している。

   (ニ)及び(ホ) 暫定指針の水質基準は、水質基準に関する省令(昭和四十一年厚生省令第十一号)及びアクリルアミド、ホルムアルデヒド及びケイフッ化ソーダに関する飲料水の判定基準(昭和四十九年七月十日付け厚生省環境衛生局水道環境部長通達)に定められている基準値によることとしている。

   (ヘ)から(リ)まで 水ガラス系薬液については、反応生成物はアルカリ性であるので、水素イオン濃度を測定することとしている。ただし、水ガラス系薬液には薬液成分として有機物又は弗素化合物を含むものがあり、このような場合は、それぞれ有機物又は弗素の量も測定することとしている。
       尿素系薬液については、含有量の割合からみて、ホルムアルデヒドの量を測定することとしている。なお、硬化剤である工業用薄硫酸の溶出については、その詳細が明らかでないため、今後学識経験者等の協力を得て、解明に努めることとしたい。
       アクリルアミド系薬液については、含有量の割合からみて、アクリルアミドの量を測定することとしている。
       リグニン系薬液については、有害成分である六価クロムの量を測定することとしている。

(5)(イ) K〇一〇二の二一の表記上の誤りである。

   (ロ) ホルムアルデヒド及びアクリルアミドの水質基準は、アクリルアミド、ホルムアルデヒド及びケイフッ化ソーダに関する飲料水の判定基準(昭和四十九年七月十日付け厚生省環境衛生局水道環境部長通達)によることとしている。

   (ハ) 排水基準は、水質汚濁防止法に基づく排水基準に定めがある検査項目についてはこれにより、その定めのないものについては前記の飲料水の判定基準を参考として定めたものである。

   (ニ) 水ガラス系薬液については、反応生成物はアルカリ性であるので、水素イオン濃度を測定することとしている。ただし、水ガラス系薬液には薬液成分として有機物又は弗素化合物を含むものがあり、この場合は、それぞれ生物化学的酸素要求量若しくは化学的酸素要求量又は弗素の量を測定することとしている。
       尿素系薬液については、水質汚濁防止法に基づく排水基準により水素イオン濃度を測定することとし、また含有量の割合からみてホルムアルデヒドの量も測定することとしている。
       アクリルアミド系薬液については、含有量の割合からみて、アクリルアミドの量を測定することとしている。
       リグニン系薬液については、有害成分である六価クロムの量を測定することとしている。

二について

(1) 暫定指針は、人の健康被害の発生を防止するとともに、生活環境の保全を図る見地から地下水等の汚染を防止することを目的としている。

(2) 工事によつて必要とされる止水の程度いかんによつては、土壌凝固剤の注入により凝固した地盤についても地下水が通過しうるものである。

(3)(イ)及び(8) 地下水の流向等については、土質調査及び地下水位調査の結果から推定できるものと考えている。

(3)(ロ) ボーリング箇所の選定は、薬液注入箇所及びその周辺の土質の全般的な状況がは握できるように行うものである。

(4) 公共用水域等の表記上の誤りである。

(5) 現場注入試験は、薬液の注入範囲、注入量等が設計どおりになるかどうかを確認するために行うものである。

(6) 「排水施設に発生した泥土」とは、汚水を処理するための施設(例えば沈澱槽)内に沈降堆積した泥土をいう。

(7) 地下水等の水質検査は、当然検査能力を有する公的機関において行われるべきものである。

(9) 水質基準に適合していないおそれがあるかどうかは、水質検査結果の経時的変化等により判断することになるが、例えば水質基準に適合しない井戸については、適切でない用途に使用しないようその使用者に要請し、また、必要に応じ代替措置を講じることになる。

三について

(1)、(4)及び(5) 昭和四十九年七月十日付けの厚生省環境衛生局水道環境部長通達によるホルムアルデヒド及びアクリルアミドに関する飲料水の判定基準(以下「判定基準」という。)は、生活環境審議会水道部会水質専門委員会(以下「水質専門委員会」という。)の意見を基に定められたものである。これは、慢性毒性を主体としたホルムアルデヒド及びアクリルアミドの毒性に関する現在の科学的知見に基づき、安全性が確保される飲料水中のホルムアルデヒド及びアクリルアミドの濃度の限界を設定し、これらの限界を下回つて定量的に測定できる検査方法のうち精度、操作性等の観点から最も適切なものとして、ホルムアルデヒドについては日本薬学会協定衛生試験法に定める保存料試験法のアセチルアセトン法を、アクリルアミドについては炎イオン化検出器を用いた十倍濃縮によるガスクロマトグラフ法をそれぞれ選定し、安全性重視の考えに立つて、これらの検査方法により測定可能な最も厳しい基準を採用することとし、「検出されないこと。」を基準としたものである。これらの検査方法によるホルムアルデヒド及びアクリルアミドの定量限界についても、水質専門委員会に諮つて、それぞれ〇・五PPM及び〇・一PPMであることを確認している。

(2) 一般に、化学物質等についての安全性が確保される濃度の限界はその毒性に関する判断から定められ、また、化学物質等についての検出可能な限界は分析技術に関する諸条件から定められるものである。

(3) 一般に、「検出されないこと。」とは、定量的な検査方法によりその定量限界を下回ることをいう場合と、定性的な検査方法により検査対象物質の存在が認められないことをいう場合とがあるが、判定基準においては前者の意味で用いているものである。

(6) 飲料水中の妨害物質による測定の誤差を除くために、試料の蒸留操作が必要である。

(7) 現行の弗素の検査方法は、その制定当時の弗素の測定に関する知見を基に定められたものであるが、妨害物質等についてその後に得られた知見を考慮して、現在検査方法の改定につき検討中である。

(8)及び(9) ホルムアルデヒドの毒性が尿素又はメチロール尿素により増加するかどうかの問題については、なお研究の段階にあり、現在のところ、まだ十分に解明されるに至つていないと承知している。
    一般に、ホルムアルデヒド又はアクリルアミドと他の物質との相乗作用等により生ずる毒性の問題については、今後の研究課題とされているところであるが、政府としてはこの問題についても十分検討してまいる所存である。

 右答弁する。


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