答弁本文情報
昭和五十年十一月四日受領答弁第二号
(質問の 二)
内閣衆質七六第二号
昭和五十年十一月四日
内閣総理大臣 三木武夫
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
衆議院議員渡辺武三君提出会社更生法適用に伴い発生する社会的不公正の是正措置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員渡辺武三君提出会社更生法適用に伴い発生する社会的不公正の是正措置に関する質問に対する答弁書
一について
更生会社は、債務を弁済するため、できる限り利益を上げることを要するので、更生会社がその製品を市場価額より著しく低廉な価額で販売するということは、当該企業の再建を目的とする会社更生法の建前にも反するし、また、更生債権者等の不利益にもなるので、管財人がそのような業務執行を行うことはないものと考える。
仮に御指摘のような事例があり、それが更生計画の遂行に支障を来すものとすれば、それは、裁判所による管財人に対する監督権の行使により是正され得るものであると考える。
更生計画においては、その作成時点で予想される不動産の売却益を基準として弁済条項が定められるが、更生計画作成時において予想された額を超える収益金が生じたときは、原則として、繰上弁済又は追加弁済等の方法により、その超過収益金の分配がなされるべきものである。
ちなみに、裁判所の実務も更生計画において、あらかじめ超過収益についての繰上弁済条項等が定められるのが通例であると聞いている。
更生会社の株式については、減資率が九〇パーセント以上になるのが通例であり、過大の売却益を得ることは一般には期待できず、御指摘のような投機買いは通常は考えられないところであるから、仮に投機買いがあるとしても、その弊害を是正する措置として、御指摘のような更生会社の株式のみを買い取る特殊な機関を設けることは適当でないと考える。