答弁本文情報
昭和五十一年十一月十二日受領答弁第一四号
(質問の 一四)
内閣衆質七八第一四号
昭和五十一年十一月十二日
内閣総理大臣 三木武夫
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
衆議院議員石母田達君提出ハウス五五計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員石母田達君提出ハウス五五計画に関する質問に対する答弁書
一について
良質かつ安価な住宅の提供を受けることは国民の願いであり、政府の住宅政策もこの願いにこたえることを目的として、これまでも各種の施策を講じてきたところである。
しかしながら、我が国の住宅はいまだ欧米諸国に比し必ずしも良質、安価とは言えず、十分な成果が得られていないところから、従来の施策に加えて、新住宅供給システムの開発(いわゆるハウス五五計画)に取り組むこととしたものである。
本計画は、住宅の生産、供給が複雑多岐な分野にわたることにかんがみ、技術開発課題の提案をはじめとする諸項目について良質、安価な住宅の供給を可能ならしめるために政府を中心に広く民間関係者の英知を集めることとしたもので、御指摘のような大企業本位の計画とは考えていない。
住宅需要は現在種々の工法のものに多様化しているので、ハウス五五計画が、大工親方、職人、木材小売業者の事業分野に重大な打撃を与えるとは考えていない。
また、今後とも住宅供給の過半を占めると予想される木造在来工法に関しても、技術開発、職業訓練の充実、大工・工務店の経営の安定化等のための施策を更に積極的に推進してまいりたい。
政府においては、国産材の供給が若齢林の割合が高いという資源的制約、林道等生産基盤の整備の遅れ等のため停滞していることにかんがみ、長期的視点に立つて自給率の向上を図るため、造林、林道等の林業生産基盤の整備、治山事業の推進、林業構造の改善、林業労働力確保対策の強化等の各般の国内林業振興施策の推進に努めているところである。