答弁本文情報
昭和五十三年三月二十四日受領答弁第一二号
内閣衆質八四第一二号
昭和五十三年三月二十四日
衆議院議長 保利 茂 殿
衆議院議員川俣健二郎君提出植物新品種の保護に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員川俣健二郎君提出植物新品種の保護に関する質問に対する答弁書
1、2、6及び8について
農林省では、植物の育種の振興を図るため植物の新品種を育成した者を保護する制度を整備することとしているところであるが、現在のところ植物新品種の育成者の地位については、知的所有権に属しないようなものとして構成する方向で検討中である。
農産種苗法は、種苗の流通の適正化を図るとともに、育種の振興のため優秀な新品種の種苗の育成者を保護する制度として、昭和二十二年に制定されたものであるが、その後における植物新品種の育成者の保護に関する国際的動向、種苗の流通事情の変化等により、植物の育種の振興のためにはこの制度が必ずしも十分なものではなくなつてきていること、また、かねてより関係者からも制度の整備が強く望まれていたこと等の事情から、植物新品種の種苗の育成者の保護をその内容の一部としている現行農産種苗法を改正し、育成者の保護を拡充強化しようとするものである。
農林省においては、植物新品種の育成者を保護する制度を整備するため、昭和四十七年度から昭和四十九年度まで及び昭和五十一年度に、それぞれ学識経験者をメンバーとする新品種保護制度研究会及び植物新品種保護制度検討会を開催し、検討を重ねてきたところである。その検討の過程では、制度の仕組みについて種々の考え方があつたが、いずれにしても速やかに植物新品種保護制度を整備すべきであるとの結論が示されたので、これらの検討結果等を踏まえて、現在、法案立案の作業を進めているところである。
植物新品種の育成者を保護する制度の整備に当たつては、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律との関連については、特段問題のないよう取り進める考えである。
現在、その整備を検討している植物の新品種の育成者を保護する制度の所管官庁については、国家行政組織法の規定にも十分配慮しつつ対処していく考えである。